先日のAPWフォーラムで書いた樹脂窓。
超高断熱と樹脂窓というと必ず思い出すことがあります。
4~5年前の南房総で、間違いなく高断熱高気密住宅最先端だった知人は
今でも上級装備な樹脂窓を標準化し、高い断熱性能を持つ上級断熱材を
使用した突き抜けちゃってる高気密高断熱住宅を提案していました。
その上、内装は自然素材、デザインは手間のかかる凝ったもの。
という夢のような提案。
仕事も続いているようで「やっぱり突き抜けちゃうと違うんだな。」なんて
うらやましいくらい好調に見えたのですが、
ある日突然のギブアップで廃業宣言。
この業界から姿を消してしまいました。
知った日は「えっ?なぜ???」と訳がわかりませんでした。
同じ地域で家を建てる者同士ですので、ライバルの一人になるので
普通であればラッキーと思ってもあたりまえ。
しかし私の気持ちが違いました。
表向きは良いことを言っていても業界内での評判は・・・という業者の方が
元気がある中、善し悪しはあるにせよ、あんなに真剣に高断熱高気密を
考えていて、この地域では完全に抜けていたポジションにいた工務店が、
廃業しなけばならなくなってしまったのはとても残念であり、
「やっぱり心底真面目にやるって、難しいのかな・・・」と。
そのショックは、正直、数ヶ月間くらい経ってもふと思い出しては、
ため息をついてしまうくらい。
得ていた情報では、すごくコストと手間がかかる仕様・工法がそれで大丈夫?
という金額で建てられていたようで、面積や仕様にもよりますが、
大手だったら確実に3000万円級の建物が、2000万円中盤という驚き価格。
もしその情報が正しくて、建てて成り立っているなら
「俺、何やってるんだ・・・」
という価格でした。
結果は・・・ (TT)
高い理想を実現するため、見初めてくれたお客様の現実との狭間で
無理をしていたのでしょうか。
しかし、早すぎた感もありますが、その家づくりの姿勢は間違いでは
なかったと思います。今確実に高気密高断熱化は進歩んでいますので。
南房総に高いレベルの断熱気密を少しでも普及させて、省エネで快適な
家を、お家の中で寒さで倒れて亡くなる人が少しでも減るようになれば、
という気持ちを胸に、お客様の理解が得られ、建てて良かったという
提案をしていきたいと思います。
断熱気密は、ひとつひとつ、ていねいに。
千葉・南房総 (株)加瀬工務店
T.K
http://www.kasekoumuten.com/