『草野しずかの世界――ひと針に祈りをこめて40年――』
というのが、銀座松屋で開催されていたので、行ってみた。
草乃しずか という人も知らないし、
別に刺繍に興味があるわけでもないけれど、
はんなりと綺麗そうだから、
年明けて最初の治療院の帰りに ちょっと寄り道するには、
いいんじゃない? という事で。
アトリエ草乃しずかのHP
割と早い時期に行く事ができたし、
もっと早く記事にできるつもりだった(涙)。
1月20日で 終了している。(ゴメンナサイ)
せめて 紀子さまがおいでになる前にアップしたかった(涙)。
入場料は、大人1000円!
ちょっと、高いんじゃないの?
と思ったが、会場を出る頃には
千円が惜しいとは思えなくなっていた。
予想以上にステキだった!
で、図録まで買って来てしまった。
松屋のカードを持ってたら、タダで入れたらしい。 悔しい!
図録の表紙は、振袖の一部分。はんなり~!
ステキ! ステキ!
やっぱり、美しいものを見るって、
人にとって、すごくいい事だと思う!
その事を忘れずに毎日を過ごしたいと思って、
卓上カレンダーまで買ってきた(笑)。
ああ、これで、家の中も美しかったらステキなんだけど!

ポストカードは、色が違う!と思って、買えなかった。
それは、絵画も同じだねぇ。
草乃しずか という方は 日本刺繍作家で、
それはそれは素晴らしい日本刺繍の数々を 展示してあった。
振袖、額、タペストリー、几帳。
草履やバッグもあり、
テーマに沿った色選び・画題選びがされ、
そして 美しく几帳面な刺繍がされている。
着物というのは、洋服と同様、
様々な組み合わせでできている。
長着だけではなく、帯、帯揚げ、帯締め、ちらりと見える裏の八掛、
他に、羽織に 草履に バッグもある。
コーディネイトというか、コンビネーションというか、
全体のバランスが大事なのだろうと思うし、
そこが楽しいのだろうとも思う。
(あまり着た事はないけど。)
着物の生地だけでも 織りがあり、色があり、模様があり、
そこに刺繍が加わる。
組み合わせは 幾万通りあるのだろう。
その中から これ、と思う組み合わせを考えて
ひと針ひと針 刺してゆく。
刺繍には 構図があり、柄があり、色があり、色の重なりがある。
刺し方そのものにも 変化がある。
加えて、刺繍がなされた薄く透き通ったオーガンジーを重ねれば
地の布と相まって また違う表情を見せる。
気が遠くなるほどの逡巡と選択を繰り返し、
気が遠くなるほどの手間をかけて
出来上がっていったであろう作品の数々は
そのどれもが 凛として 気品があって 美しい。
私がうっとりしたのは、刺繍の見事さもさる事ながら、
記事に施された地模様の美しさだった。
そして、テーマに合った地模様も。
こういう方になると、
「こんなテーマだから、こんな地模様の生地で」
と、特注なさるのだろうか。
地模様だけ見ていても 見飽きないくらいだった。
布地の色だって、吟味を重ねて 染められているに違いない。
糸は、もちろん。
最も心に留まったのは、
「桜日記」と題された、
女性の年代ごとの桜を刺した額。
誕生、10代、20代・・・とあって、
最後は70代。
そう、今年 草乃しずかさんは 70代に入る。
その70代の桜の額に刺されたのは、
重たげに花びらを重ねた ひと房の八重桜だった。
そこに添えられた言葉には。
「70歳。 八重に咲く 心の年輪」 とある。
「最後まで 自分らしく生きるために、
思いやりと 希望、そして 勇気を持つことが大切と思う」と。
私は すっかり 自分が若者であるかのような気分になった。
お姉さま方、
70歳は、心の年輪が 八重桜となって 花開く年齢だそうよ。
これからの人生、まだまだ先は長いけれど、
だからこそ花開く部分が きっとたくさん あるのだろうね。
楽しみ、楽しみ!
ちなみに、60代は
「我を知り 人を愛する」と題した、満開の桜の巨木。
明るいグレーの地に 桜の古木、
薄紅の濃淡の桜の花が咲き誇り、
たんぽぽや スミレや サクラソウが 根元をカラフルに彩っている額。
「自分の経験を 社会に還元できたらと
努力を重ねる日々。
自分自身の成長ともなる。」
との言葉が。
静かに 自分の人生を俯瞰して
心強い支えになりそうな言葉だと思う。
それから 2万枚の花びらが刺されたタペストリー
(だったと思う:汗)。
日本中・世界中の人が
「東北のために 私は何ができるか?」
と自分に問い続けてきたように、
「私に何ができるか?」
という苦悩は 東北のお弟子さん達の中にも
あったのであり、
「刺す」という行為によって 思いを浄化・昇華させる事ができた方々も
いらっしゃった、という事だ。
このストーリーは 会場内に流されていた映像で知った。
たくさんの人の手による 1枚、1枚の花びらに
思いは込められて、
そして その思いは 伝わる。
「私の手元に この布地が届いた時
前に刺した方々の≪思い≫が感じられて・・・」
とおっしゃる女性の言葉に
じいんとした私だった。
もちろん、刺繍の施された和服といっても、
華やかな作品ばかりではない。
草乃しずかさんは 「徹子の部屋」にも出演なさったそうだが、
黒柳徹子さんが「まあ!」と叫んだという その時、
徹子さんの目に飛び込んできたのは、
お父さまの形見の黒っぽい紬の着物に
稲を刺繍したものだったそうだ。
これは とても地味なものだが、
だからこそ、じっくりとした愛着が湧きそうな作品だった。
今頃の記事の投稿になってしまい、申し訳ない。
けれど もし あなたがどこかで
「草乃しずか」という名前をご覧になったら
ちょっと足を止めてみていただきたい。
そこには 必ず 人の心を虜にする作品
または映像や画像があるはず。
私たちには 美しいものを鑑賞する権利があるし、
どっぷりと≪美≫に浸る機会は
思いのほか 少ないかもしれないのだから。
というのが、銀座松屋で開催されていたので、行ってみた。
草乃しずか という人も知らないし、
別に刺繍に興味があるわけでもないけれど、
はんなりと綺麗そうだから、
年明けて最初の治療院の帰りに ちょっと寄り道するには、
いいんじゃない? という事で。
アトリエ草乃しずかのHP
割と早い時期に行く事ができたし、
もっと早く記事にできるつもりだった(涙)。
1月20日で 終了している。(ゴメンナサイ)
せめて 紀子さまがおいでになる前にアップしたかった(涙)。
入場料は、大人1000円!
ちょっと、高いんじゃないの?
と思ったが、会場を出る頃には
千円が惜しいとは思えなくなっていた。
予想以上にステキだった!
で、図録まで買って来てしまった。
松屋のカードを持ってたら、タダで入れたらしい。 悔しい!

ステキ! ステキ!

やっぱり、美しいものを見るって、
人にとって、すごくいい事だと思う!
その事を忘れずに毎日を過ごしたいと思って、
卓上カレンダーまで買ってきた(笑)。
ああ、これで、家の中も美しかったらステキなんだけど!

ポストカードは、色が違う!と思って、買えなかった。
それは、絵画も同じだねぇ。
草乃しずか という方は 日本刺繍作家で、
それはそれは素晴らしい日本刺繍の数々を 展示してあった。
振袖、額、タペストリー、几帳。
草履やバッグもあり、
テーマに沿った色選び・画題選びがされ、
そして 美しく几帳面な刺繍がされている。
着物というのは、洋服と同様、
様々な組み合わせでできている。
長着だけではなく、帯、帯揚げ、帯締め、ちらりと見える裏の八掛、
他に、羽織に 草履に バッグもある。
コーディネイトというか、コンビネーションというか、
全体のバランスが大事なのだろうと思うし、
そこが楽しいのだろうとも思う。
(あまり着た事はないけど。)
着物の生地だけでも 織りがあり、色があり、模様があり、
そこに刺繍が加わる。
組み合わせは 幾万通りあるのだろう。
その中から これ、と思う組み合わせを考えて
ひと針ひと針 刺してゆく。
刺繍には 構図があり、柄があり、色があり、色の重なりがある。
刺し方そのものにも 変化がある。
加えて、刺繍がなされた薄く透き通ったオーガンジーを重ねれば
地の布と相まって また違う表情を見せる。
気が遠くなるほどの逡巡と選択を繰り返し、
気が遠くなるほどの手間をかけて
出来上がっていったであろう作品の数々は
そのどれもが 凛として 気品があって 美しい。
私がうっとりしたのは、刺繍の見事さもさる事ながら、
記事に施された地模様の美しさだった。
そして、テーマに合った地模様も。
こういう方になると、
「こんなテーマだから、こんな地模様の生地で」
と、特注なさるのだろうか。
地模様だけ見ていても 見飽きないくらいだった。
布地の色だって、吟味を重ねて 染められているに違いない。
糸は、もちろん。
最も心に留まったのは、
「桜日記」と題された、
女性の年代ごとの桜を刺した額。
誕生、10代、20代・・・とあって、
最後は70代。
そう、今年 草乃しずかさんは 70代に入る。
その70代の桜の額に刺されたのは、
重たげに花びらを重ねた ひと房の八重桜だった。
そこに添えられた言葉には。
「70歳。 八重に咲く 心の年輪」 とある。
「最後まで 自分らしく生きるために、
思いやりと 希望、そして 勇気を持つことが大切と思う」と。
私は すっかり 自分が若者であるかのような気分になった。
お姉さま方、
70歳は、心の年輪が 八重桜となって 花開く年齢だそうよ。
これからの人生、まだまだ先は長いけれど、
だからこそ花開く部分が きっとたくさん あるのだろうね。
楽しみ、楽しみ!
ちなみに、60代は
「我を知り 人を愛する」と題した、満開の桜の巨木。
明るいグレーの地に 桜の古木、
薄紅の濃淡の桜の花が咲き誇り、
たんぽぽや スミレや サクラソウが 根元をカラフルに彩っている額。
「自分の経験を 社会に還元できたらと
努力を重ねる日々。
自分自身の成長ともなる。」
との言葉が。
静かに 自分の人生を俯瞰して
心強い支えになりそうな言葉だと思う。
それから 2万枚の花びらが刺されたタペストリー
(だったと思う:汗)。
日本中・世界中の人が
「東北のために 私は何ができるか?」
と自分に問い続けてきたように、
「私に何ができるか?」
という苦悩は 東北のお弟子さん達の中にも
あったのであり、
「刺す」という行為によって 思いを浄化・昇華させる事ができた方々も
いらっしゃった、という事だ。
このストーリーは 会場内に流されていた映像で知った。
たくさんの人の手による 1枚、1枚の花びらに
思いは込められて、
そして その思いは 伝わる。
「私の手元に この布地が届いた時
前に刺した方々の≪思い≫が感じられて・・・」
とおっしゃる女性の言葉に
じいんとした私だった。
もちろん、刺繍の施された和服といっても、
華やかな作品ばかりではない。
草乃しずかさんは 「徹子の部屋」にも出演なさったそうだが、
黒柳徹子さんが「まあ!」と叫んだという その時、
徹子さんの目に飛び込んできたのは、
お父さまの形見の黒っぽい紬の着物に
稲を刺繍したものだったそうだ。
これは とても地味なものだが、
だからこそ、じっくりとした愛着が湧きそうな作品だった。
今頃の記事の投稿になってしまい、申し訳ない。
けれど もし あなたがどこかで
「草乃しずか」という名前をご覧になったら
ちょっと足を止めてみていただきたい。
そこには 必ず 人の心を虜にする作品
または映像や画像があるはず。
私たちには 美しいものを鑑賞する権利があるし、
どっぷりと≪美≫に浸る機会は
思いのほか 少ないかもしれないのだから。