10月2日(日)午前中南極観測船見学、午後からハゼ釣りすることになった。
外出中の妻と葛西に住む息子にメールした。
折り返し息子から「俺も江戸川でハゼ釣りする」と返信がきた。
亡くなったあいつのマンション前で竿を出した。
逝って一年3ヶ月が過ぎた。
まもなく、売り渡しが成立して遺品は妹さんの住まいに移される。
2年前の9月、この場所で二人最後のハゼ釣りしたのだ。
殆ど釣り経験がない私達に釣具店の親父が
「子供でも釣れる」言った。
余り釣れなかったが楽しんだ。
あいつの釣りする後ろ姿に私は言い知れぬ感情に戸惑っていた。
余命旦夕迫っていた。
食道癌について必死に調べたのだった。
彼の症状からすると余命が見えていることだ。
互いにその事は触れないようにした。
それから2年の月日が去り、私は一人ハゼ釣りをしている。
ウキをぼんやり見つめていた。
メールが受信された。
息子からハゼが10尾以上釣れた。
てんぷらにすると書かれていた。
私の方は手の平に乗る(ひいらぎ)が一尾釣れただけだ。
その時、小学低学年の子供二人を連れて
中年女性が「釣りを見せてください」と言った。
子供二人は釣りをしたいらしいので釣竿を持たした。
大喜びで小学3年の男の子、小学二年の女の子が
一緒に竿を持ってウキが引くのを見つめている。
中年女性の孫だと分かった。
「ここで釣りをよくされるのですか」と聞かれ
少し訳有り事情を話すと驚く意外な会話になった。
亡くなったあいつのマンションを購入しようと
室内を見たこと、きれいに清潔だった。
独身で埼玉に妹さんがいるが、なかなか来られないこと。
下駄箱にはまだ靴も有り、今にも帰って来るような気がしたこと。
そして孫の母親つまり娘が購入するか、考えたが断念した。
更に偶然だがこの孫の母親が私の息子と小学校で同級生であったことだ。
その女性に言った。
「今、西葛西で同時にハゼ釣りしていますよ」
メール画像を見せた。
インターネット社会は偶然性とその出会いを瞬時に繋ぐ。
50年後、別次元に逝ったあいつや私にネットで交信が可能か?
2009年8月22日
出荷手続き忘れたと連絡が入った。
翌日4日には到着納品可能だと知らせてきた。
4日に日本に着いたのをネット検索で追跡
確かに国内は到着して通関許可も下りたのだが
到着場所を確認して溜息ついた。
日本には間違いなのだが着陸地は沖縄なのだ。
そこかから再び翌日東京に飛ぶ。
20年前、やはり同様のケースが起きた。
何としても翌日に日本に届けて欲しい要求をしたら
南海航空から電話があり沖縄に到着と連絡があった。
しかし通常取引会社では無い為
通関料その他の代金を前に送金要請。
振込み確認が出来次第東京に送られる事態になった。
台湾取引会社の言い訳は「沖縄も日本だ」!
今回も同様で日本のお客に説明出来ない。
クライアントは「あんたとこの管理がずさんだから」
日本のビジネス常識からすればその通りだが
海外との感覚的乖離を説明するのは難しい。
5日、柳橋事務所で到着する革巻きボールペンの検品作業するため
待機していた妻は何もせず雨の柳橋を渡って帰って行った。
雨の柳橋を渡る美しきひと?
その後、7日に到着するサンプル品が大陸広州の飛行場で止まったままに
なっている。
問い合わせすると「機材不良で飛べない、フライトは何時になるか分からない」その回答で終わり。
機材不良? この言葉で航空会社は一切問答無用で文句は受け付けない。