10月24日(月)午後3時半頃 亡くなった友人の妹さんから電話が入る。
「最後の整理をしに兄の住まいに来て今終わったところです。
窓辺から港を見ながら電話しています」。
全て荷物をトラックで送り出した後に
クリーニング店に頼んだ伝票が見つかり
兄の衣類だと分かりました。
店に連絡したところ既に代金は頂いていますが
店側で勝手に廃棄処分は出来ないとのこと。
私が夕方早目に帰りクリーニング店で受け取った。
冬用ズボン3本、ハーフコート2着だ。
受け取り後、あいつが毎晩飲んだ居酒屋あんこうの通りだったので
飲みに立ち寄った。
常連客は既にいて、彼のことを知っていたので
「あれから1年以上過ぎたのか」皆して思い馳せた。
クリーニング伝票に書かれた日付は
受付5月10日 仕上がり6月3日と記されている。
その日付を見て泪目になった。
当時私は余命がまもなくであることが分かっていた。
あいつは知っていたのだろうか?
外套とコーデロイのズボンを着る季節は迎えられないことを?
必死に孤独に耐えてヨロケル足で衣類をクリーニング店に持って行ったのだ。
6月25日20時37分旅立った。
クリーニングされた衣類は私と体型が違うので着ることは出来ない。
だが処分しない。
私の気持ちが整理つくまで。