1月29日(月)
18時半 桜上水から、弟の車で松涛の介護病院へ。
2週間ぶりの見舞いだ。
駐車場には、いつものスポーツカーが駐車。
3階の病室に上がる。
私達を見上げて「帰らないで 帰らないで」と呟く。
真向いのベッドには、空だ。
介護病院から生きて帰る老人はいない。
召されたのでしょう。
6年前 初めて病室を訪れて時
並ぶベッドを見てショックだった。
瞼が閉じられ、かすかに呼吸しているだけの老女が
4人整然とベッドに横たわる。
何とも終末の人生に身震いしたが
今では、どの老女も人生を終えようとする、白髪と皺が
煌びやかな青春があり、泣き笑い、を経て
今まさに静かに終える。
「ご苦労様です」念ずるのだ。
どの老女も愛しく感ずるのだ。
私の母は一番長く介護生活。
数少ない車椅子に乗れるのだ。
廊下の壁に、ボール遊びの写真がった。
暫く見詰めて、「帰らないで」の呟きを無視して
階下に下りた。
コートを首まで絞めて、寒気の松涛の坂道を下り
渋谷駅に向かった。