馬鹿も一心!

表題を変えました。
人生要領良く生きられず、騙されても騙されも
懸命に働いています。

母 97歳 母97歳死去、死にそこなった駄犬である次男の想い.。読経の響き。

2022-02-27 08:51:30 | 日記

続きです。
13時より本堂にて読経供養が始まる。
40年前 親父の供養では、住職は尼僧であった。
その後、鎌倉建長寺で修行された青年僧が住職となった。
住職に訊ねたことがある。
「何故 街道筋には、寺が多く点在するのですか」?
鎌倉へ向かう道筋であり、鎌倉と横浜戸塚の境にあるからです。
確かに、実家は鎌倉街道が走り新田義貞が鎌倉に攻め入る陣地があった

今は青年僧は、壮年となり
住職の傍らで太鼓を叩く学僧は住職そっくりで息子であろう。
納骨に参列は 長男 弟とその嫁様
私と妻の5人。
コロナ禍での葬儀は、両親の故郷親族にも遠慮を伝えた。
冷たい畳敷きに低い小ぶりの椅子に腰掛け。
読経供養が始まる。

読経の響き  


山寺の本堂はコンクリート壁で冷え切り、虫、ゴキブリ、トカゲ、蛇
みなどこかで潜めている。
住職の読経の粛然たる謡はコンクリート壁に突き当り
青年僧の太鼓は大波の如く本堂に響き
二重奏の如く、天蓋からこだまする。
私は脳にスライド写真が開始。
白黒の白線が混じる幼い頃の情景が
無声映画で次々と捲られる。
泣き叫ぶ子供の僕の歪んだ顔。
叩くお袋。
「母ちゃんは、いつもお前のことで泣いているんだよ」
その涙を恐怖で見詰める僕。
寒村から東京の下町に暮らし
頼る親族もいず、一家5人暮らしの貧しい生活。
やっと横浜の辺境地に引っ越したが
3軒両隣は高学歴大企業の社員。
食料品店で働くお袋は、
負けん気の強いお袋は辛かったのだろう。
3人の男の子を育てるのには、
貧乏暮らしでは、長男は大事に育て
末っ子は可愛かった。
お袋は無意識のうちに馬鹿な次男に目が向かなかった。
高校大学はバイトと奨学金で賄った。
ねぐらと食べ物はあった。
振り向いて欲しいと幼心は叫んでいた。
お袋が介護病院に入るが
見舞いに行ってもそっけない。
兄が見舞いの翌日には、
必ず憎悪の目で睨み私を叩く。
私は黙って叩かれる。
原因は判らない。
弟と一緒に見舞いに行くと
私に向かって
「お前など来るなと横たわるベッドで叫ぶ」
帰途、道玄坂の煌びやかな街角で
耐えられない悲しみに涙も出なかった。。
道玄坂3
私は、橋の下 濁流汚泥、に抗い75歳の道程を辿り
河口までやってきた。
子供になった母をそのまま甘受するのだ。
読経の響きは、深い闇の通底奏なのだ。


97歳の母さんへ 74歳の息子の思い。


墓石が40年を経て開かれた。
父と母の骨壺に向かって
最後の別れ
最敬礼で送った。
十五夜お月さん

Memorial Day (Amazing Grace Bagpipes)