直ぐに修理担当者が部品交換
経年劣化だ。
地上であらゆる生物。物は朽ちてゆく。
自然の理だ。
修理にはご夫婦でやって来た。
大手メーカーの下請け。
トランス銅線巻き作業をしていたので
夫婦は興味深々。
夫婦は、大学生の子供二人がいて厳しい暮らしだと言う。
自営業は定年もないが不安定。
午後4時、プライムビデオを見ながら作業開始。
「映画 ロングトレイル」
画面上のロバートレッドフォードも老いていた。
セリフがいいじゃないか
「この道は人生と同じ
先が見えなくともベストを尽くす
その心意気で進みたい」
ロングトレイン1
17歳で目覚めた山登り
心の焦燥と不安定が、山道を踏みしめて
辿り着く山並み。
緑なす山嶺
白銀の峰々
渓流の奔流
谷間から見上げるトンビの旋回
中学時代から働いた。
中華店での皿洗い
ガソリンスタンド
ビルの窓拭き
小学校の給仕
証券会社での相場黒板書き
デパート商品売り場。
軽食喫茶
他に忘れた仕事。
学業は底辺であった。
マクシム・ゴーリキーは、貧しい暮らしが人生の大学と言った。
ある医師の言葉
人生の長い旅路を歩むうちに
人々は様々な困難に直面します。
ある人は過去の辛い経験を生かして乗り越えることが
できるかもしれません。
一方でこれまで順風満帆の人生を送ってきた人は
「克服できない」と諦めてしまいがちです。
しかしどんな場合でも人は
絶望の向こうに希望を見て
再び歩み始めるものです。
どんな苦しいときでも一度立ち止まって
自分に向き合い
「今やるべきこと、やりたいこと、やれること」を考えれば
やがて解決の糸口が見えてくるものです。
これが多くの癌患者から学んだことの一つです。
いつかはやって来る別離。
人生には満足する完結はない。
全てが道半ばだ。
鈍重、愚か、手際が悪く
何事も人より遅く馬鹿にされたが
我慢、耐える事、
屈辱は決して忘れず
必ず見返すこと。
執念で生きてきた。
辛く苦しく、ギリギリ追い詰められても
あの山行を思い浮かべて耐えた。
あの時代、十分な装備食料もなかった
縦走記録は 山岳雑誌
「岳人」に3度掲載された。
ヒマラヤより困難とされる。
人生を生き抜くということは
平地を青信号で横切るのとは違う。
目の前に、悪魔が絶えず機会を窺っている。
映画『ロング・トレイル!』予告編
ロングトレイル2
ロングトレイル3
私の机上には、黄泉の谷を渡った同期が微笑んでいる。
追憶 [日本語訳付き] バーブラ・ストライサンド