
YAMAHA EX5です。
1998年に発売された当時のヤマハハイエンドシンセで複数の音源システムを搭載したハイブリット音源を搭載してます。当時の希望小売価格が298,000円。
近所のハードオ◯にシルバーバージョンのEX5Sも見つけたのですが60,000円とちと高いので見送りまして、オークションにてノーマルバージョンを35,000円で。
しかし、このシンセ、20万クラスの価値は今でも十分あると思います。
周りや仕事先でもあまり使ってる人がいなかったのでほとんど触ったことがなかったのですが、ざっと音色をチェックしてみると後継のMOTIFシリーズにも受け継がれている音色がちらほらあるように思われます。
クラビ系などはMOTIF ESにも同名の音色がありますし、PCM波系はMOTIFの土台となっているのがよく解ります。
ブラス系などは寧ろこっちの方が良いかと思われるくらいだし、アコギ系も初代MOTIFよりはこっちの方がいい雰囲気だと思います。
さすがに波形容量ではMOTIFには敵わないので生ストリング系やドラム系、民族楽器系など所々足りない部分がありますが、それでもステレオのアコピ音色を搭載したのはたしかこのEXからだし、SYシリーズから比べれば生楽器系のリアルさはかなりMOTIFよりに進化しています。
このハイブリット音源てのはAWM(PCM音源)+VL(バーチャルアコ-スティック音源)+AN(アナログモデリング音源)+FDSP(AWMを変調するシステム)という4つの音源が複合しているのですがこの組み合わせが実に効果的で、互いのシステムの苦手な部分をうまく補強し合っており、またそれぞれの特徴を活かしているプリセットのプログラミングセンスがなんとも素晴らしい。
これにAWMなどに自分で取り込んだサンプリング波形も使えるときたもんだから恐れ入ります。
そして何といってもVL音源のソロ楽器はやはりダントツの表現力がありますね。(先日このブログにも書いたKORG Z1のMOSS音源も同様のバーチャル音源)
きれいなメロディを奏でるだけならAWM音源だけで十分なのですが、譜面では書けない様なちょっと攻撃的でアバンギャルドな表現方法ができるのが魅力です。


また、ホイールやリボンコントローラーなどのコントローラー系も素晴らしく、中でも各音色のバリエーションを設定して瞬時に呼び出せる「SCENE1&2」ボタンはかなり便利。
例えば音の雰囲気をソフト、ノーマル、ハードと切換えられる様に設定しておけば、別々にメモリーに保存しなくても一つの音色でバラードからアップテンポな曲まで使えて便利です。
エフェクトのかかり具合を変えたのを割り当ておいたり、ストリング等でアタック感の違うものを用意しておいたりといろいろ使えます。
鍵盤はSYやMOTIF等と同じく定番のFS鍵盤です。しかし同じFS鍵盤でもシリーズによって微妙に違うんですよね。
このEX5のFS鍵盤は他のシリーズよりカタカタ音が少ないせいか、しっとりとした感じで好印象です。
例えるならMOTIF XSから搭載されたFSX鍵盤に近い感じでしょうか。
個人的にはSY99よりも好きな感触です。

このEX5、中古で手に入れたものですからマニュアルや付属のディスク等は全く付属しておりませんでしたが、まあ今のこの時代ですからネット上であれこれと手に入れることができます。
付属の音色データもアップしているユーザーコミュニティがあったので早速手に入れたのですが、エクスクルーシブデータではなくEX独自のファイルのようなのでこれらを扱えるライブラリアンソフトも必要です。
しかしフリーで手に入れたライブラリアンソフトがうまく機能せず、致し方なくこの期に及んでフロッピーディスクにて移植することに…。
でフロッピーディスクを買いに行ったのですが、まあこれが容易には売ってないこと(笑)
やっと近くのPC◯ポに10枚入りの一種類だけ見つけまして、これが690円なり。
最後に買ったのがあまりに昔なのでこれが高いのか安いのかさっぱり分からなくなっておりますが、まあこれしかないので買いまして、とりあえず無事に読み込ませることはできました。
やっぱりKORGのZ1もそうですがバーチャルアコ-スティック音源は面白いですね。
ひとつは持っておきたい音源だと思います。