
先日、ザッと内部掃除まで済ませたP200
今日は時間があるのでいよいよ鍵盤の分解清掃です。
確か98年頃の製品だけにさすがに経年劣化による鍵盤のグリス切れやクッションのへたりが感じられ、離鍵時の騒音はカンカン鳴りまくるし、弾いててもガチャガチャした感じが否めません
前回内部掃除した感じからして、ゴミやらなんやらも酷い事でしょう。
このままでも動作に問題はありませんが、どうせなら気持ち良く使いたいですからね。
基本的には同社のMotifシリーズなどに使われているBH(バランスドハンマー)鍵盤と構造は同じです。
なのでカッターや定規など、鍵盤の隙間に差し込める物で中のベラを押してやればスコンと手前に外れます。

そしてハンマーが落ちるクッションを鍵盤ユニットの黒いフレームからベリベリっと剥いでやればハンマーを取り出せます。
ベリベリっと剥いだこのクッションがへたって潰れてるせいで離鍵ノイズが酷いので、新しいウレタンのスポンジと交換。
この材質がキモで、あまり硬い物にするとバウンドしちゃいますし、沈み過ぎてストロークが長くなってもいけません。
良い材質が見つからなければ位置をズラすだけでも良いかもしれませんね。

そして、この状態でハンマーは外れますが不用意に取り出してはマズイです。
BH鍵盤と違って各鍵盤毎にハンマーの種類が違うのがGH鍵盤。
よく見るとハンマーの折り返し部分の長さが違っており、それぞれ重さが異なるのです。
ごちゃまぜにしてどこのハンマーか分からなくならないように注意しましょう
まあ分かんなくなったら低い方から重いのを置いていけば概ね合うとは思いますが、順番に並べとけば間違い無し。


バラした鍵盤とハンマーをひとつずつ古いグリスを取り除いたり磨いたりしていきますが、なんせそれぞれが88個ずつあるのですから大変。
ホコリやゴミは水洗いでそこそこ落ちますが、古いグリスはそうはいきません。
グリス拭き取るだけでティッシュ1~2箱消費してしまいます。

キレイになったら後は新しいグリスを塗りながら組み立てです。
グリスはシリコン系のプラスチックオッケーな物を選ばないと、5-56とか適当なの使うとプラスチックが劣化して割れやすくなってしまいます。



画像 : 奥の方までぴっかピカのテラっテラです。
ついでに軽量化を図り、あまり使わないスピーカーユニットを外してみました。
ユニット自体は中は空洞でそれほど重いものでは無いのですが、本体重量30Kgとかですから気持ちでも軽くしたいところ。

やっぱりここまでやると半日以上掛かりますねえ。
誰かに仕事として依頼されるなら2~3万のギャラは欲しいとこですw
しかしおかげで新品同様のぬるんぬるんなマイルドな弾きごごちで、離鍵騒音もかなり静かに!
作業前は鍵盤弾くとカンカンカン!と響き渡っていたのが、今ではストトトン…て感じです。
古い機材も手を入れればまだまだ使えますね。
