to Heart

~その時がくるまでのひとりごと

道 ~白磁の人~

2012-06-12 23:53:51 | the cinema (マ・ヤ行)

製作年度 2012年
製作国・地域 日本
上映時間 119分
原作 江宮隆之
脚本 林民夫
監督 高橋伴明
音楽 安川午朗
出演 吉沢悠/ペ・スビン/酒井若菜/石垣佑磨/手塚理美/堀部圭亮/田中要次/大杉漣

日本に併合された約100年前の朝鮮半島で、荒廃した野山をよみがえらせるために生涯をささげ、40歳という若さで亡くなった実在の人物・浅川巧の半生に迫る壮大な人間ドラマ。
日韓併合から4年後の1914年、林業技術者の浅川巧(吉沢悠)は、朝鮮半島の山々を再生するという決意を胸に海を渡る。彼は生まれ故郷の山梨を離れ、京城(現ソウル)へと渡り、朝鮮総督府の林業試験所で働くことになる。何事にも偏見を持たない巧は、同僚のチョンリム(ペ・スビン)に朝鮮語を習うことにし、めきめき上達していく。

感想が遅れましたが、公開初日の夜の回、観てきました♪
時間が無いので簡単に感想、後ほど加筆します。
吉沢悠くんがこの作品に出なければ、おそらく知ることはなかったこの、浅川巧という人物。
原作も知らず、予告も1度観ただけで行って来ましたが、
淡々として地味ながら、日本統治下の朝鮮半島で、汚れない魂を持った一人の男の半生が描かれ
それを知る機会が与えられたことに感謝したい作品でした


何かの記事に、高橋監督も吉沢悠クンも、このような時代とテーマを扱った作品が、
日本と韓国のスタッフによって制作され、ほぼ同時期に両国で公開されると言う事に
「今の時代だからできること。日本映画が禁止されていた時代もあった日韓の関係のなかで、ほぼ同時に公開できるのは奇跡に近い」と仰っていましたが、
確かに、この浅川巧という人物を語るときに避けて通れない、当時の日本の植民地支配の描き方に
抵抗を覚える方もいるかもしれませんが、
そうであっても、
最後まで観て欲しいと思います。
憎みあっている民族の、「個」の想いは果たして通じないものなのか?


私も鑑賞後にちょっと調べたのですが、氏については
留学生のための月間情報誌の'05年9月号,淺川巧の記事が解りやすい。
《現代日本の源流》―『朝鮮の人々に済まない』薄給の中から奨学金を出す
コメント (4)
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マイ・ビッグ・ファット・ウェディング

2012-05-20 22:04:47 | the cinema (マ・ヤ行)

原題 MY BIG FAT GREEK WEDDING
製作年度 2002年
上映時間 96分
脚本 ニア・ヴァルダロス
監督 ジョエル・ズウィック
出演 ニア・ヴァルダロス/ジョン・コーベット/マイケル・コンスタンティン/レイニー・カザン/アンドレア・マーティン/ジョーイ・ファトーン
ギリシャ系アメリカ人のトゥーラは、内気な性格と地味な容姿のせいか、恋愛に縁のない冴えない毎日を過ごす独身30歳。“ギリシャ人の男性と結婚して子を授かり、死ぬまで家族の食事を作ること”がギリシャ女性のすべきこととされる世界にあってこれは一大事。ギリシャ料理レストラン“ダンシング・ゾルバ”を営む両親にとって娘トゥーラの結婚は今や最大の心配の種。ところがある日、父のレストランで働いていた彼女は、店にやって来たハンサムな男性に一目惚れしてしまう。これをきっかけに、トゥーラは一念発起、これまでの自分を変えようと決意するのだった…。

実は全く知らなかったこの作品。調べてみると、
超低予算無名のヒロイン、しかもそのヒロインを演じた無名女優の無名の実話、で宣伝費もほぼゼロ
当然超一部限定公開のスタートだったのに、数ヵ月後には全米ラブストーリー映画史上最高興行収入「タイタニック」に次ぐ作品に大化けしたという、異例の大ヒット&超ロングラン(8ヶ月)を記録したというから凄い!
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30歳を過ぎてもさえない日々を送っていたギリシャ系女性トゥーラ。
地味な容姿で、洒落っ気もなしで、父親にさえその姿を「バアさんだ」と言われるほどのイケてなさ
女は賢くなくても、同じギリシャ人の男性とギリシャ式の結婚をして、子を増やし、一族の中で死ぬまで一緒にいることが幸せの全てだという父親はそんなトゥーラを嘆いていたが、
ある日、父の店にやってきたハンサムなイアン・ミラーに出会い、撃ち抜かれる(笑)
内に籠っていた彼女は自分磨きを始めることにする。

パソコンの授業を受け、お洒落にも気を使い、お化粧もして、
人の輪に入ってランチも食べれるようになっていき、仕事も始めたある日、彼と再会する

イアンとトゥーラはお互いに惹かれあい、結婚を意識するようになるが、そこにはギリシャ人としての誇りで生きてきた父親と、その他大勢の親戚が大きな壁となり・・・
肝っ玉母さんの説教もあって、父親もイギリス系移民の子孫のアメリカ人・イアンを受け入れようとするが・・・

なにかというとわらわらと集まってくる賑々しい親戚たちの数もハンパない
事ある毎に集結し、呑んで喰って大騒ぎ。初めて目にするギリシャ家族の生態に驚く。
いくら自宅の庭だといっても、これが自分の隣人だとノイローゼになるかもだけど、
このような家族社会の結束を、煩わしく、逃れたいと思っていたトゥーラの心境の変化、
それを受けてある決断をするイアン・・・―

ラブストーリーとしては、原作者兼ヒロインの女性が、余りに強面で(爆)
最初全然ノレなかったけど、その分、恋人役のジョン・コーベットが
優しくて素敵な好青年だったので、救われました~

タイトルは“私の大層(大げさ?)なギリシャ式結婚”でしょうか。
文字通り2人はゴールインするわけですが、
悪気は無くただ当たり前に騒々しい登場人物たちと、どう折り合いをつけていくのか?
そこに至る騒動を楽しめるかどうかで感想が分かれるかも知れませんが、私は楽しめました。

実話がベースとは言っても、ラブ部分ではかなり違うのかも?と云うのも、
ヒロインの実際の夫イアン・ゴメスが、恋人の友人マイク役として出演しているのを鑑賞後に知ったからです(笑)
ジョン・コーベットとは似ても似つかない彼は、イアンに、相手の家族の言いなりで早くも尻に敷かれているじゃん、みたいなことを言っちゃうのです
2人のラブよりも、結婚式で花嫁側両親から花婿へのプレゼント、というのが仕来りだとか、
そんな濃厚なギリシャ家族社会の中で戸惑うイアンの典型的アメリカ人の両親とかが面白く、
私自身まるで知らないギリシャの家族文化が覗き見られて、それが楽しかったです。
いやぁ・・・異文化交流も、タフじゃないと勤まりませんねぇ~(笑)
コメント (2)
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マルタのやさしい刺繍

2012-04-18 23:45:57 | the cinema (マ・ヤ行)

原題 DIE HERBSTZEITLOSEN/LATE BLOOMERS
製作年度 2006年
上映時間 89分
製作国・地域 スイス
脚本 ザビーヌ・ポッホハンマー
監督 ベティナ・オベルリ
出演シュテファニー・グラーザー/ハイジ・マリア・グレスナー/アンネマリー・デューリンガー/モニカ・グブザー/ハンスペーター・ミュラー 

スイスの谷間の小さな村を舞台に、80歳のおばあちゃんたちがランジェリーショップを開くために奮闘する様を描いた人間ドラマ
夫の死により打ちひしがれたマルタ(シュテファニー・グラーザー)。そんな中、村の男声合唱団の新しい団旗を、仕立て屋だったマルタが作ることに。生地店の美しいレースを見ているうちに、マルタは“パリに自分で仕立てたランジェリーのお店を開くこと”が夢だったことを思い出す。昔の勘を取り戻しながら下着を仕立てあげたマルタだったが、厳格なプロテスタントの村では受け入れてもらえなかった。

夫の死後、何ヶ月も立ち直れないでいたマルタを3人の友人は心配するが、
そんな彼女たちにもそれぞれに厳しい現実が差し迫ってきていて・・・

マルタが商売に身が入らないのを良い事に、村の牧師であるマルタの息子は
マルタに店を明け渡してもらって「聖書の会」の集会に使うつもりだった。
息子のそんな思惑など知らないマルタは、合唱団の生地を買いに街に出た際に、昔よく行ったその生地の店で美しいレースなどに遭遇し、結婚前の自分の夢を思い出す。

昔作った自分のランジェリーを、片付けにきた親友のリージにみられて、その腕前を知っているリージは彼女の夢の唯一の応援者となり、
ランジェリーショップのオープンに向けて二人は秘かに、準備を進める。

保守的な村の人たちの手前もあってフリーダやハンニは応援できないという立場をとっていたものの、それぞれに老いから生じてくる問題もあって
ついに4人の仲良しお婆ちゃんは結束するのですが…―


保守的と、一言で片付けられないような男性たちの身勝手さ、横暴さ。
それを当然のように受け入れてきた女性たちの歴史も感じさせますが、そんな閉鎖的な村にもパソコンが普及してきて、
新しいものに取り組む人たちがマルタを救い、流れが変わっていくのが嬉しい。

緑いっぱいのスイスの村の、可愛らしい家並みや花が咲き乱れる窓辺、可愛いレースのカーテンなどに囲まれて
おばあちゃんが奮闘する楽しい作品でした

スイスと言えば昔から時計が有名ですが、刺繍も有名なんですよね。
昔、お土産に貰った刺繍のハンカチと小物入れは可愛らしくて豪華すぎて、とても実用的ではなかったですが、
この作品を観た次の日に、恭子ちゃんの「下妻物語」で、主人公の桃子がボンネットに施した刺繍、
BABYの社長に頼まれてドレスに可愛らしいリボン刺繍を刺す映像をみながら
やっぱり刺繍っていいなあ~と改めて思いました~
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マリリン 7日間の恋

2012-03-31 22:06:54 | the cinema (マ・ヤ行)

メイクを落として、
ヒールを脱いで、
それから――
秘密の恋におちた。

原題 MY WEEK WITH MARILYN
製作年度 2011年
製作国・地域 イギリス/アメリカ
上映時間 100分
原作 コリン・クラーク『マリリン・モンロー 7日間の恋』(新潮文庫刊)
監督 サイモン・カーティス
出演 ミシェル・ウィリアムズ/ケネス・ブラナー/エディ・レッドメイン/ジュリア・オーモンド/ エマ・ワトソン/ジュディ・デンチ/ドミニク・クーパー

永遠のハリウッド・アイコン、マリリン・モンローが『王子と踊子』出演のためにイギリスに赴いた際の知られざるエピソードを、同作のスタッフであったコリン・クラークの回想録を基に映画化したラブロマンス
名優ローレンス・オリヴィエ(ケネス・ブラナー)が監督と主演を務める『王子と踊子』の撮影で、ハリウッドからロンドンへと渡ったマリリン・モンロー(ミシェル・ウィリアムズ)。スタッフから大歓迎を受ける彼女だったが、初の海外撮影に対する重圧などから現場に遅刻するように。ローレンスたちに冷たくされて困惑するマリリンに、第3助監督のコリン(エディ・レッドメイン)は第三者からの視点でアドバイスを送る。それを機に、二人は心を許し合う仲になるが……。

マリリン没後50年ということで公開されたコリン・クラークが出版した自伝的日記と、後に発見された資料をもとに制作されたドラマ。

舞台は1956年のロンドン。
このドラマの主人公コリン・クラークは高名な学者一族の末っ子。映画が趣味の彼は、努力の末
ローレンス・オリヴィエが監督・主演を務める「王子と踊り子」の撮影現場の第3助監督という名のマリリンの見張り役となる。

演技派女優への飛躍を胸にアクターズ・スタジオに通ったマリリンは、張り切って現地入りをするが
オリヴィエとの演技観の違いから次第に自信をなくし、情緒不安となり…
遅刻を繰り返すマリリンの見張り役として張り付いたコリンは、「王子と踊り子」の関係者などを冷静な視点で見つめながら、
誰もが憧れる大スターでありながら孤独なマリリンを知り、誠実に尽くして、、寄り添う。。。

これは映画好きのラッキーな青年と、マリリンの、心の交流にプラス仄かな恋心を描いているが、
彼の目を通してその時代の大スターたちのバックヤードを描いているのが興味深い。


ローレンス・オリヴィエの演技者としての自信にみちた姿勢と、一方で移り変わる時流を感じ受け止めてもいる製作者としてのいらだちと寂しさ。
セックスアイコンとしての自分を卒業したい30になるマリリンの意欲はオリヴィエに否定され、すれ違う。

周囲にトラブルメーカーとして騒がれる中、自信を失うマリリンにコリン青年の
「あなたはいい女優になりたいスター。オリヴィエは大スターになりたい俳優」
と評するのが印象的。
このあたりは、盲目的に恋に溺れる青年という感じではなく、
幼い頃からの愛情の渇きを、新婚の夫にも満たされず、絶えず誰かに愛されたい女性への
優しく純粋な想いとして伝わってくるのが爽やかなコリン。

つかの間の恋人としてのデートも終わる時、、
車から走り去る景色を眺めるマリリンの表情がなんともいえずいい・・。
そしてナット・キング・コールの「枯葉」が味わい深いシーン。


このコリン・クラークは高名な学者一族で、イートン校出身の23歳という設定ですが、
演じたエディ・レッドメインも実際、イートン校からケンブリッジというエリートなんだとか!
爽やか知的な彼は、春からバーバリーのモデルも務めるそうですね。

マリリンを演じたミシェル・ウィリアムズは思った以上にマリリン似だったし、
無理なくなりきっていたと思います。
ただ、、、オリヴィエの妻のビビアンが!?
あの世紀の美女が、何故に地味なジュリア・オーモンド ??ちょっと納得できない

シビル・ソーンダイク役のジュディ・デンチがいちいち説得力ありました!
「デビルズ・ダブル~」とは別人のドミニク・クーパーもちょっと過去を引きずる青年を好演。

ただ、マリリンについてモンローウォークとシャネルN0.5以外、何も知らない人には
ただのラブストーリーとしては観れない、ちょっとキビシイかも知れないな~という気はしましたが、
逆に、この作品でマリリンに興味を持つ若い人が増えたらいいな~と思える作品だったです

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やさしい嘘と贈り物

2012-03-17 01:26:26 | the cinema (マ・ヤ行)

原題 LOVELY, STILL
製作年度 2008年
上映時間 92分
監督:脚本 ニコラス・ファクラー
出演 マーティン・ランドー/エレン・バースティン/アダム・スコット/エリザベス・バンクス

オスカー受賞の名優マーティン・ランドー、エレン・バースティンと弱冠24歳にしてこれが監督デビューの新鋭ニコラス・ファクラーの奇跡のコラボで贈るハートフル・ストーリー。
アメリカの小さな町で孤独な毎日を送る老人、ロバート。ある日、仕事先のスーパーから帰宅した彼は、ドアが開いていて心配だったからと勝手に上がり込んでいた見ず知らずの女性メアリーに面食らいながらも、思いがけず心惹かれてしまう。そして、そのメアリーからいきなり食事に誘われ、年甲斐もなく舞い上がるロバート。デートでどう振る舞えばいいか戸惑うロバートに対し、スーパーの若いオーナーや同僚たちが様々なアドバイスを伝授する。その甲斐もあってか、2人の交際は順調に進み、みるみる距離が縮まっていくのだが…。

公開時にチラシを読んだとは思うんだけど、すっかり綺麗に忘れていて、
録画したものを、たまたま帰ってきた子供と一緒に鑑賞。
子供も全く予備知識なく観ましたので、やはり途中までは気づかなかったそう・・
これこそ、原題のままの方が観る側の予断を誘わなくていいのになぁ~。
とにかく、
パッケージすら見ないでご覧になることをオススメ。

マンネリ化した静かな生活に耐えられなくなっていたロバートに、
ある日親切そうな老婦人がデートに誘ってくる。

慣れないデートのリサーチを、スーパーのオーナーに頼んで、アドバイスも受けた。
ほのぼのとした温かいデートを重ねていく二人・・・

このデートシーンの会話がカワイイ♪

途中、ロバートが目覚める時に挿入される映像と効果音が、
貴方をだんだん不安にさせるまで、
無邪気に恋の訪れに喜ぶ隣人となって、
この二人を見守っていきましょう。。。

やがて知ることになるそれは、リアルでは不可能といえるでしょう。
それでも、素敵な物語ではあります。
そして、観る者にとってこの物語自体が優しい嘘の、ステキな贈り物なのでしょう
コメント (2)
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ヤング≒アダルト

2012-02-28 23:17:20 | the cinema (マ・ヤ行)
あなたは、ワタシを、笑えない。
原題 YOUNG ADULT
製作年度 2011年
上映時間 94分
脚本 ディアブロ・コディ
監督 ジェイソン・ライトマン
出演 シャーリーズ・セロン/パットン・オズワルト/パトリック・ウィルソン/エリザベス・リーサー

仕事も恋愛もうまくいかない30代の女性が、妻子のいる元恋人と復縁しようと大騒動を繰り広げる人間ドラマ
37歳でバツイチ、恋人もいない、執筆中のヤングアダルトシリーズは終了間近で新作の予定も決まっていない自称作家のゴーストライター、メイビス (シャーリーズ・セロン)は、うかない日々を過ごしていた。そんな中、高校時代の恋人バディ(パトリック・ウィルソン)の妻から子どもが生まれたという内容のメールが届く。バディとヨリを戻し青春時代の輝きを取り戻そうと考えた彼女は、故郷の町へ舞い戻るが……。

一応映画サイトの紹介記事に「ドラマ/コメディ」とありましたので、
ここ数年のアチラのラブコメは私的には外れっぱなしだったので迷っていましたが、、
全く笑えない、ドラマでした。
シャーリーズ・セロンの勘違い女っぷりが"ホラーだったのかー"なくらいの勢いですから(笑)

なんだかなあ~。仕事も終了間近で次がないし、今の原稿だってちっとも進まないのよ。
あ~あ、この男もときめかない、ツマラナイ。・・・こんなハズじゃなかった。
だっておかしいじゃない?同級生の誰よりもきれいで、頭も良くて人気者だった私が、
人並みに幸せじゃないなんて?
私の書く小説の中のヒロインは昔の私で、みんな幸せなのに・・・。
あら、昔私にぞっこんだったバディから赤ちゃんの写真つきメール。
田舎には帰りたくないけど、この際だからガマンして帰るわ。
バディだって田舎娘のべスより、私に会えばきっとまた私を選んでくれるはず。
だってバディに似合うのは私なのよ

ミネアポリスの部屋は散らかり放題だけど仕事優先よ、気にしないわ。
パソコンとお酒とコーラがあればなんとかなるし、
愛犬だって大人しくてイイコだから可愛がってるし、
だけど、高校時代ずっと人気者だった私が幸せになれないなんて、世の中がおかしい!
さて~、こうしちゃいられないわ。彼と盛り上がったあの頃の曲を聴きながら出発よ。
ゴージャスにキメるのは、着いてからでいいわね、
だってめんどくさいし、バディ以外の人にどう思われたっていいんだもーん。

と、
バツイチ、恋人なし、アル中気味、仕事は崖っぷち、
でも容姿には絶対の自信があるメイビスは、バディ獲りに向けて出発したんですが・・・

パソコンに向かって書いている彼女のティーン向け小説が、
止まったままの彼女の精神年齢をそのまま現しているの。
誰が見ても奇行にしかみえないアタックも、その執念も、
可笑しいのだけどあまりにイタ過ぎて笑えないざんす。
ちょっと頑張りすぎなメイクも手伝って恐怖さえ覚えるくらい(笑)

最初ッから解っている勝負に、他人の忠告にも聴く耳を持たないので
恋する女ではなく、只のストーカー状態。ちょっとホラー入ってたかも(笑)

だけどね、故郷最後の一夜は理解できないしどうかと思ったけど、
もうね、アナタはそのまま頑張りなさいって、応援したくなったわ
過去の男も、昔のアナタも決して現在を変えてくれないけど、
ワインの染みを隠さず堂々歩いていけば、そんなアナタをカッコイイと言ってくれる
ステキな出会いがあるかも?いえ、きっと。
ヤングアダルト小説を卒業したら、あると思うわ~。

反面教師とするにしても好みが分かれる作品でしたが、
シャーリーズ・セロンの成りきりぶりが凄いです♪

書けない崖っぷち女流作家というところで、恭子ちゃんの「恋愛戯曲~私と恋におちてください。~」を思い出しました。
まるでティストは違いますが、リアルで恋をしていない恋愛作家というところは同じかな。
私はどちらも結構楽しめました。
コメント (10)
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ものすごくうるさくて、ありえないほど近い

2012-02-22 00:11:45 | the cinema (マ・ヤ行)

あの日父を失くした少年の、喪失と再生のものがたり
原題 EXTREMELY LOUD AND INCREDIBLY CLOSE
製作年度 2011年
上映時間 129分
原作 ジョナサン・サフラン・フォア『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』(NHK出版刊)
脚本 エリック・ロス
監督 スティーヴン・ダルドリー
出演 トム・ハンクス/サンドラ・ブロック/トーマス・ホーン/マックス・フォン・シドー/ヴァイオラ・デイヴィス/ジェフリー・ライト/ジョン・グッドマン/ゾー・コードウェル

911の同時多発テロで、大切な父(トム・ハンクス)を亡くした少年オスカー(トーマス・ホーン)。ある日、父の部屋に入ったオスカーは、見たことのない1本の鍵を見つける。その鍵に父からのメッセージが託されているかもしれないと考えたオスカーは、この広いニューヨークで鍵の謎を解くため旅に出る。

誰にとってもトラウマとなり得る9・11の惨劇を軸として展開する、父を亡くした一人の少年の再生の物語、観てきました。

主人公の少年はアスペルガー症候群に類似した兆候があり、人やモノに対して過剰に恐怖を感じたり
幾つもの不安症を抱えている。
冒頭からのその少年と生前の父親の一風変わったコミュニケーション(一種のリハビリ?)部分が
後になって意味を持つと解っていても、、長いし、正直退屈。

事件後、1年経って、オスカー少年は偶然壊した花瓶の中から見慣れぬ鍵を見つけ、
その鍵穴の中に、父のメッセージがあると信じて、
不安と闘いながら、唯一の手がかり“ブラックさん”を探してNYを尋ねまわる。―
そして、祖母の家の謎の間借り人が、途中から少年の旅に同行するようになるのだが…

作品中にも出てくるけど、あの事件で親を亡くしたオスカーのような少年は数多く存在する。
なので、その痛みもこれでもか、とばかりに少年の一風変わった気質を持ってきたのだと言う気がしたし、
母親の秘密の行為も、タイトルは思い出せないけど以前日本のドラマで観ていた展開だったし、
そこも感動しろな部分だったかもだけど、私には新鮮でもなかったし、
間借り人の正体もかなり早くに解る。

畳み掛けるような長台詞で心情を吐露するシーンはそれなりに迫るものがあり、
ここがクライマックス!なシーンでしたが、
それまでも、そこでも、だから(こんなに傷ついてるんだから)少年の行動や言動に、優しく見守ってやれよ的で
どうしても引いて観てしまい、その喪失感や悲しみは理解はできるものの心寄せられず。。。

「病めるアメリカ」と言われだして以降こういう系の作品が数多く制作されてきましたが、
どうにもやっぱり、感情的で自己中になりがちなそのキャラのためか、
セリフの羅列が、苦手なキンキンとした調子なのでそこでもう、かなり疲れました。

9.11と、父の遺した宿題と、ひとつのカギ。
その日、少年の胸に重く刻まれた後悔の瞬間―。


日本における3.11でも、同じような体験に以降もずっと苦しんでいる方もいらっしゃったと
テレビで報道されていましたよね。

でも、このラスト・・・私は感動には至りませんでした。

少年の障害設定がなければ成立しないような、再生の物語だったように思いましたし、
ラストも結構安易だという気がしましたが
ストーリー展開は平凡でも、見せ方は上手いし
キャスト陣は、これが初めての作品とはとても思えないトーマス・ホーン君を始め
彼とは対照的に一言も発しないマックス・フォン・シドー、
痛みに耐える母親のサンドラ・ブロック もよかったです。

そうそう、監督の好みなんでしょうか、トーマス・ホーン君は同監督作品の
愛を読むひと」のデヴィッド・クロスくんによく似ていたように思いました。

好きな父と息子ものでしたが、思った以上に作品に入っていけず、
ものすごくうるさくて、ありえないほど疲れました

コメント (16)
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ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル

2012-01-09 16:10:46 | the cinema (マ・ヤ行)

不可能を超えろ。
原題 MISSION: IMPOSSIBLE - GHOST PROTOCOL
上映時間 132分
脚本 ジョシュ・アッペルバウム/アンドレ・ネメック
監督 ブラッド・バード
音楽 マイケル・ジアッキノ
出演 トム・クルーズ/ジェレミー・レナー/サイモン・ペッグ/ポーラ・パットン/ミカエル・ニクヴィスト/ジョシュ・ホロウェイ/レア・セドゥー/トム・ウィルキンソン

トム・クルーズがすご腕スパイ、イーサン・ハントを演じる人気アクション・シリーズの第4弾
ロシア・クレムリン爆破事件の犯行容疑がかけられたイーサン・ハント(トム・クルーズ)。アメリカ大統領は政府の関与への疑いを避けるべく、ゴースト・プロトコルを発令。イーサンと仲間は組織から登録を消されるも、新たなミッションを言い渡される。真犯人への接近を図るイーサンは、世界一の高層ビル、ブルジュ・ハリファの高層階へ外部からの侵入にチャレンジするが……。

本当は昨年のうちに観たかった作品ですが、お正月中にやっと観てきました!
めっちゃ久々のトムちん作品でしたが(ワルキューレ(2008)以来だから約3年ぶり?)楽しめました

ジョシュ・ホロウェイとレア・セドゥーの導入部も、スパイものとして先の展開は読めても、その興味が失われることの無いテンポの良さ
そしてここから、トムちんの脱出→例による指令(笑)→潜入と続き、
スパイの必須アイテムも披露してくれますし、もちろんお約束のシーンも

クレムリン侵入に続くミッションでも、
ドバイの超高層ビル“ブルジュ・ハリファ”では、クルと解っていても、足がジンジンしてしまう画だったし、
トムの年齢を感じさせない、キレのいいイーサンに痺れましたが、
どのミッションでも、トムだけが目立っておらず、
仲間や敵さえも存在感をもって描かれていて、それがストーリーを華やかにもしている。
そこが結局は主人公を活かすことにもなり、作品の面白さになっているように思いました


いああ・・・ココは、今、画像をみてるだけでも足の先がチクチクです(笑)



それにしても、本家「ドラゴン・タトゥーの女」ではその頭脳でリスベットを護っていたミカエル・ニクヴィストが
激しいアクションを見せてくれるのに驚きでした!

以前ほどアクション映画も、そんなに観なくなってしまいましたが、
血なまぐささの無いスマートさがやっぱりいいですよね!
作品全体の雰囲気は、(舞台も込みで)もしかしたらシリーズで一番好きかも~
昨年のうちに観ていたら、きっとベスト入りは確実な1本でした

コメント (22)
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迷子の警察音楽隊

2011-11-06 23:51:14 | the cinema (マ・ヤ行)

原題 THE BAND'S VISIT
製作年 2007年
製作国 イスラエル/フランス
上映時間 87分
脚本:監督 エラン・コリリン
出演 サッソン・ガーベイ/ロニ・エルカベッツ/サーレフ・バクリ/カリファ・ナトゥール

アラブの国エジプトの警察音楽隊が、平和交流のために招かれたイスラエルで迷子になり、図らずも一般家庭で一晩を過ごす中で、地元の人々とぎこちなくも心温まる交流を繰り広げる姿をユーモラスに描いたイスラエル製ヒューマン・コメディ
ちょっと昔の話。イスラエルに新しくできたアラブ文化センターでの演奏を依頼されたエジプトの警察音楽隊。さっそく揃いのスーツに身を包み、イスラエルの空港に降り立つ一行。しかし何かの手違いか、空港に出迎えの姿はなく、誇り高き団長トゥフィークは自力で目的地を目指すことに。ところがたどり着いた先は、目的地と似た名前の全く別の場所。そこは、ホテルなんて一軒もない辺境の町。途方に暮れた一行は、食堂の美しい女主人ディナの計らいで、3組に分かれ、食堂、ディナの家、そして常連客イツィクの家に分宿して一夜を過ごすことになるのだったが…。

「かつて小さなエジプトの警察音楽隊がイスラエルに舞い降りた。もう憶えている人は少ないかもしれない。それはたいしたことではないのだから...」

舞台は1990年代のイスラエル。自力で辿りつこうとしたのがいけなかった。
似た様な名前で、何度発音を繰り返されてもその違いが判らないエジプト人。
目的地とはまったく別の、砂漠の真中の忘れられたような小さい町だった――。

お腹も空き、宿もない。―
途方にくれる堅物団長は、仕方なくエジプトのお金で食事をさせて欲しいと食堂に申し入れる。
彼らの窮地を察した女主人は、すぱすぱと頭割りで団員達の宿泊場所を決めていく。

無謀ともいえる処置ながら、異国でなす術もない団員達だったけれど、
死んだように静まり返った砂漠の町で、
どこにでもある悩みを抱えて生きているイスラエルの人たちの夜に合流することになり・・

ディナの誘いを断れず、生真面目で堅物の団長は夜の町に出かけ、
暇をもてあました若い団員は、店の若い男の初デートに強引についていき、
その不器用な若者にスケート場で恋愛の手ほどきをする。。。なんとも可笑しく、可愛らしい。

常連客イツィクの家で夕飯をよばれた団員たちは、礼儀正しく過ごしていたが、
その民族の慣習の違いからイツィクの妻に誤解されたりと居心地が悪い。
イツィクは生まれたばかりの子供がいながら、もう1年も失業しているのだった。
いかし、彼は協奏曲のラストが仕上がらない団員に、自分のイメージをリクエストする・・。



ここにはパレスチナ問題も宗教も出てこない。
普通に誰かと恋をしたい若者がいて、それを手ほどきする旅人がいて・・・
退屈な毎日に情熱の向けばのない女が居て、それを受け止める旅人が居て――
言葉や文化をものともしない、ちょっと控え目な優しい触れ合いが描かれる。

乾いた砂漠の町に、くっきりと場違いな楽団員の制服姿が
この、静かでスローな作品の持つのどかさと可笑しさに妙にマッチしていました。

以前、「たそがれ」連呼で私的にはだめだった某作品が、多くの方には癒されると評価されていたのを
唐突に思い出しました。
すべての方にとは言えないけれど、
こういうのが「癒され作品」という感じなんですよね~。
ひたすら戸惑う迷子の音楽団員たちの静かな異国の、たった一晩の物語。
穏やかな夜に読む、大人の童話のような作品でした。

コメント (8)
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ミッション:8ミニッツ

2011-11-03 13:19:28 | the cinema (マ・ヤ行)
警告:このラスト、映画通ほどダマされる。
原題 SOURCE CODE
製作年度 2011年
上映時間 93分
脚本 ベン・リプリー
監督 ダンカン・ジョーンズ
出演 ジェイク・ギレンホール/ミシェル・モナハン/ヴェラ・ファーミガ/ジェフリー・ライト/マイケル・アーデン

『月に囚われた男』のダンカン・ジョーンズ監督の長編第2作となるSFサスペンス。
シカゴで乗客が全員死亡する列車爆破事故が起こり、事件を解明すべく政府の極秘ミッションが始動。爆破犠牲者が死亡する8分前の意識に入り込み、犯人を見つけ出すという任務遂行のため、軍のエリート、スティーヴンス(ジェイク・ギレンホール)が選ばれる。事件の真相に迫るため何度も8分間の任務を繰り返すたび、彼の中である疑惑が膨らんでいく。

昨年の私的ベスト4に入れた「月に囚われた男」のダンカン・ジョーンズ作品、観てきました!
期待通り、私好みの作品でした~
コチラも、あまり情報を入れないでご覧になった方が楽しめると思いますが、
このキャッチコピーは、、忘れた方がいいです(笑)

そのミッションでスティーヴンスが転送されるのは、あらゆるデーターから適合したという
見知らぬ、教師だった男の生前の意識の中
初回の転送では、自意識が激しく抵抗し、タイムオーバーで収監されるスティーヴンス。

そのプロジェクトの責任者ラトレッジ博士の8分間の謎と意味を説明されるも、
その時はかなり解った風な思考になるので(笑)
その時点では問題なく2回目の転送はスティーヴンスと共に観客も転送(笑)

もともと、既に列車爆破テロが起きてしまったという前提があるので、
迫りくる時間との戦いはそれほど緊迫感はないです。
そして繰り返される列車内で覚醒するスティーヴンスは、全く同じ車内で、同じ人たちと行きかいながら
僅かに前進していき、それによって車内の人たちにも変化があり・・・と、
この辺りの見せ方がしつこさを感じさせず、実に上手い。

失敗し、回を重ねるたびに学習していくスティーヴンスのテンションも次第に変わって、
犯人探しと平行して滲ませる自分探し―。
そしてついに・・・・・・




人の記憶と無限ループ・・・ってことで
やっぱりダンカン・ジョーンズ監督作品の底に流れるものは同じテーマだなあと感じました。

どこに惹かれたのか解らないようなクリスティーナとのラブより、
ヴェラ・ファーミガ演じるコリーン・グッドウィン大尉との立場を超えた交わりが印象的で、
この関係も「月に囚われた男」のサムと人工知能コンピューター・ガーティの関係を彷彿とさせます。

で、、
コレは多分、スティーヴンスに関しては2回目の転送に入る頃には察しがつくでしょう。
犯人探しもそれほど重要ではない。なのに退屈させずに引っ張っていかれるのは、
きっと確認したいからなのかも知れません
前作の哀しいサムの生き方とはまたある意味ちがう生の答え、を。

終盤、軽く突っ込みどころもあるけれど、93分という時間に盛り込まれたエピソードもシンプルで
ずっと引き込まれっぱなしでした♪
なんだか久しぶりに素敵な短編SFを観たな~という印象

ダンカン・ジョーンズ監督、次の作品も絶対観るわ~


こうして並ぶと、やっぱりパーツはデビット・ボウイにそっくりなんだわ♪特に鼻と口

コメント (18)
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夜明けの街で

2011-10-11 23:15:30 | the cinema (マ・ヤ行)

「全部聞く覚悟、出来てるのね?」
製作年度 2011年
上映時間 129分
原作 東野圭吾「夜明けの街で」(角川文庫刊)
脚本 川場サいづみ
監督 若松節朗
音楽 住友紀人
主題歌 久保田利伸
出演 岸谷五朗/深田恭子 木村多江/石黒賢/萬田久子/黄川田将也/田中健/中村雅俊

大手建設会社に勤めるエリート社員の渡部和也(岸谷五朗)。妻(木村多江)は美しく、かわいい一人娘にも恵まれ、幸せな日々を送っていた。満ち足りた生活を送る彼は、不倫をする男のことなどまるで理解できなかった。ところが気づくと、派遣社員の仲西秋葉(深田恭子)と思いがけず急接近。ある日、ついに一線を越えてしまう。不倫の深みにはまっていく渡部に、秋葉は衝撃の告白をする……。

コチラも原作未読のまま、予告を観ただけで、試写会で1回目の鑑賞。
舞台挨拶の恭子ちゃんが余りに綺麗で可愛らしくて、主題歌の久保田利伸さんの生歌で始まったこの日の舞台挨拶の雰囲気がとってもヨカッタので、
もうその時点で頭の中は☆5つだったので(爆)
今日はちゃんと観てきました。・・・が、
「セカバ」は先に観た友人の「出演シーンがめっちゃ少ないから友情出演ぐらいの顔出しだよ~」という言葉で
ドラマも好きじゃなかったしパスしたので(恭子ちゃんは怪演だった)
コチラは愉しもうと思っていました少しネタバレ気味の感想です。

出会いはロマンチックでもなく、その日の印象は恋を予感させる何もない。
それどころか最悪の別れ方をしたあげく、
平凡な妻子もちの男と、たった一人でアフター5を過ごす女になぜ恋は訪れたのか?
男の生活は満ち足りて、なんの不足もない。普通に居るよき夫、良き父親で、不倫願望があった訳ではない。
そんな絵に描いたような善良な男が、初めて妻にウソをつく・・・。

これは、予告で感じた
重く暗い不倫モノ映画の幕開けにしては、拍子抜けするほどのコミカルな出だしに
些か戸惑いました。が、そうなんですよね・・・
普通のある日。
普通の妻帯者に訪れる「モテキ」に、ちょっとムフフと舞い上がる感じといったら、
こんなのもなのでしょう。

秋葉に翻弄されるというよりは、嵌っていくのですよね?わかります。(爆)

これは男性目線の不倫恋愛映画でした。

原作では秋葉が渡部を翻弄、渡部も彼女と会うために妻を裏切る工作を弄するらしいのですが
この作品ではただ、恋愛の挙句渡部が巻き込まれる姿を描いています。
秋葉の目的も明かされるのですが、それは余り重要ではないそれまでの描き方。
ここに若松監督の「原作の解釈」を見た気がします。
そう、、不倫による大きなツケ。




一度なら浮気?
でも、2度3度となると不倫と呼ばれるのか?
何度でも浮気で押し通す男性も多く存在するのはご存知の通りなんだけど、
本作の渡部にはどんな結末が待っているのか?

恭子ちゃんがPRをほぼ一人で頑張っているので、彼女が主人公のように勘違いされている方が多いのにびっくりしましたが
あくまでも本作の主人公は渡部であり、岸谷さんです。
そして、ヒロインの秋葉は、きっと不倫を忌み嫌っていた。
なので、「八日目の蝉」のヒロイン希和子のように、妻から奪いたいという激しい愛情をぶつけることはしないんですねぇ・・。それはナゼか?!
秋葉という女性の過去の経験が縛りになっているのですが、
そのシーンで胸打たれる彼女の思いやり。ここが秋葉のラストの真意の解釈にとっても重要でした。

不倫がもたらす、女への傷、男たちの喪失を描きたかったと思うのですが、
秋葉の15年をまるで描いていない為、サスペンスの味付けが効いていなく、どこかバランスの悪さは否めないです、が
不倫が大切な人を不幸にする――それを二人の男が身を持って知ることを通じて
世のチャンスを狙っている男たち(爆)への若松監督のメッセージと受け止めました。

恭子ちゃんの美しい秋葉、木村さんの良妻ぶりにやに下がってもいいけど、
キャッチコピーも「全部聞く覚悟、出来てるのね?」「全てを知っても私を愛せますか?」と目にしてきましたが 、
やっぱり終わってみれば
この恋は甘い地獄」コレでしょう~(笑)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ぴあ映画生活」調査による10月7日、8日公開の映画・満足度ランキング
<注目映画紹介>「夜明けの街で」 不倫で足元をすくわれる危険性のある恋愛映画
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モテキ

2011-09-29 23:14:04 | the cinema (マ・ヤ行)
                      
製作年度 2011年
上映時間 118分
原作 久保ミツロウ
監督:脚本 大根仁
出演 森山未來/長澤まさみ/麻生久美子/仲里依紗/真木よう子/新井浩文/金子ノブアキ/リリー・フランキー

原作を手掛ける漫画家、久保ミツロウが、テレビドラマのラストから1年後を舞台に映画用のオリジナルストーリーを書き下ろした、恋にエロスに翻弄(ほんろう)される不器用な主人公の行く末に期待の作品。
金もなく恋人もいない藤本幸世(森山未來)に、怒とうのように恋のチャンスが訪れた“モテキ”から1年後。4人の女の子たちとの関係は終わってしまったが、再び新たな女の子たちが幸世に接近し始め、“セカンド・モテキ”がやって来ようとしていた。

テレビドラマ界において独自のスタイルでひた走るテレビ東京のヒット作です
って、実は予告CMと、一度ドラマをちら観した程度なんですが
なぜか子供の周辺でも、その親も盛り上がっているらしく、ウチの子も原作マンガファンに誘われ、
私は私で、ドラマも面白かったというママ友に誘われて行ってきました~。
(久々平均年齢がめちゃ低い館内でした。

31歳で金ナシ夢ナシ女ナシの藤本幸世は、
ニュースサイトのライターとして新しい生活を始めるも、かなりのイジラレキャラ。
恋することも忘れ、ロンリーな日々を送っていた彼にキセキの出会いが訪れた!

ツイッターで知り合ったキュートな雑誌編集者の松尾みゆき(長澤まさみ)が、
可愛く明るい、チョイモテタイプの女の子なんだけど―、
彼氏いるくせに、草食系男子に触れなば落ちん風な振る舞いの小悪魔な娘
顔が見えないツイッターで意気投合し、会うことになっただけあって、
一緒に居れば楽しい相手。でも、
一目惚れな幸世に対し、みゆきは一体どう思っているのか??

友人を連れてくるのも、男子の部屋にお泊りもOKって??

そのみゆきの友人、桝元るみ子(麻生久美子)が幸世に一目惚れも、んなわけなかろうーだし、
麻生さんの重い女っぷりには笑いが抑えられなかったところでした

いかにもダサくて、小心そうで、もてなさ気な男子でも、意外にというか
そういう人に限ってヒジョーに面食いだったり、理想が高かったりするのかも・・?
幸世は未練にも、無謀にも、一途にみゆきに向かっていくのですが・・・・・・

好みのタイプのコとの出会いに舞い上がる幸世が、キレキレのダンスをするシーンは
『(500)日のサマー』や、『魔法にかけられて』を彷彿とさせ、これはダメンズの恋する心情を表現するのに定着化

そして高望みの、恋に悩み傷つく幸世の心の代弁者となっているのが数々のJ-POPなのだけれど・・
これが、まず9割がたワタシには解らなかったデス(爆)

ipod世代というか、Twitter世代の10代~30代には受け入れやすいストーリーであり
映画なのかな~という気がしましたが、
それでも原作やドラマのファンでない限り、オススメしにくい(笑)
とりあえず、おばさん2人で誘い合わせて観るものではなかったかな。(爆)
でも、森山未來くんはダンスが得意だし、器用な俳優だとは思っていたのですが、
一番の収穫は、清純派のイメージしかなかった長澤まさみちゃんの思い切りのいい演技だったかなー

おばかな映画ではあるけれど、手抜きのない女優陣がよかったです。

あ、幸世クン「モテキ」ってほどじゃあありませんでしたよ
これも、何も映画化しなくても、、、でしたが、期待値ゼロだったし、ポイント鑑賞だったので
結構楽しく観れちゃいました



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マイティ・ソー

2011-08-30 23:38:45 | the cinema (マ・ヤ行)
神失格の男《ヒーロー》
“二つの世界”の運命は彼の手に

原題 THOR
製作年度 2011年
映時間 115分
原案 J・マイケル・ストラジンスキー/マーク・プロトセヴィッチ
脚本 アシュリー・エドワード・ミラー/ザック・ステンツ/ドン・ペイン
監督 ケネス・ブラナー
音楽 パトリック・ドイル
出演 クリス・ヘムズワース/ナタリー・ポートマン/トム・ヒドルストン/ステラン・スカルスガルド/コルム・フィオール/レイ・スティーヴンソン/イドリス・エルバ/カット・デニングス/浅野忠信/アンソニー・ホプキンス

シェイクスピア劇の映画化に定評のあるケネス・ブラナー監督が放つアメコミ原作ヒーロー・アクション大作
神の世界アスガルドの王オーディン(アンソニー・ホプキンス)の息子ソー(クリス・ヘムズワース)は、選ばれた者しか持つことのできない伝説の武器“ムジョルニア”を手に、最強の戦士としてその力を誇っていた。しかし強すぎるあまりその傲慢さから、氷の巨人の世界へ身勝手に攻め込み、アスガルドを戦乱の危機に陥れる。その行為に怒ったオーディンはソーの力とムジョルニアを奪い、地球へと追放する。地球の荒野で目覚めたソーは、天文学者ジェーン(ナタリー・ポートマン)たちの乗った車に追突される――。

鑑賞してからもう大分経ちました
残業続きで疲労困憊だった頃、ようやく時間を見つけて飛び込んで観たのがこの作品で、
解りやすいヒーローもので、心地よく楽しめたのでした

虎の威を借る狐とか井の中の蛙大海を知らずとか傲岸不遜とか(笑)
そんな言葉が脳裏をテロップで流れる前半でしたが、面白かったです♪

物語は異次元世界アスガルドの王位継承の儀式の最中に、休戦状態のヨトゥンヘイムからの侵略があり
被害は無かったものの、儀式は中断される。
自分の晴れ舞台を汚され許せないソーは、弟のロキや幼馴染や友人を引き連れ強引にヨトゥンヘイムに攻め込むが、
寸での所にオーディンが現れその場は収まるが、アスガルドを危機に晒した事で
王としての資質に問題ありと、
オーディン王は、ソーからムジョルニアも力も奪い、ミッドガルド(地球)に飛ばしてしまう。

そして身ぐるみ剥ぎ取られたソーは・・・

ここからはかなりコミカルな異邦人・ソーと、ジェーンを中心とした天文学チームと
ムジョルニアに関心を持つS.H.I.E.L.Dとの心温まる(笑)人間との触れ合いが展開され・・・




強いヒーローの傲慢と挫折、
父と息子、恋と友情。
アメコミヒーロー好きのツボを外さない、王道の展開もテンポよく、
ストーリー自体は単純な為、肩も凝らず楽しめました♪

何度か登場する、アスガルド(神の世界)とその他の世界を繋ぐ虹の橋・ビフレストの景観と、
その橋の番人ヘイムダル(イドリス・エルバ)のキャラクターが凄く印象的!

主人公を演じたクリス・ヘムズワースは、初見かと思ったんですが、意外と観ていました。
スター・トレック」では主人公の若き父、、全く顔は覚えていないし、
パーフェクト・ゲッタウェイ」はあの怪しいカップルの男だったんですね~。顔は、、記憶に無いです
と、まあ、ハッキリ言ってそんなに超イケメンじゃない、記憶に残らないビジュアルだったわけですが、
この作品ではこれが観てるうちにカッコよく見えてくる不思議(笑)
なんたって、神族だし(笑)王子なワケで、そこが見え隠れするとこが結構爽やかでキュート♪

続編も決まっているようですが、今回あまり活躍がなかった浅野忠信さん、次回はどうなるのでしょうか?
屈折の王子、ロキはどうなるのか?楽しみです~

そうそう、いつものようにオマケ映像がありますよ、最後まで席を立たないでね~
コメント (6)
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八日目の蝉

2011-05-08 22:51:13 | the cinema (マ・ヤ行)
優しかったお母さんは、
私を誘拐した人でした。

上映時間 147分
原作 角田光代
脚本 奥寺佐渡子
監督 成島出
出演 井上真央/永作博美/小池栄子/森口瑤子/田中哲司/市川実和子/平田満/渡邉このみ/劇団ひとり/風吹ジュン

誘拐犯の女と誘拐された少女との逃亡劇と、その後の二人の運命を描いた、角田光代原作のベストセラー小説を映画化したヒューマン・サスペンス
会社の上司との不倫で妊娠し、中絶手術の後遺症で二度と子供を産めない体となったOL、野々宮希和子(永作博美)。相手の男はいずれ妻と別れると言いながら、その妻(森口瑤子)はいつの間にか子供を産んでいた。自らにケリをつけるべく、赤ん坊の顔を一目見ようと夫婦の留守宅に忍び込んだ希和子。ふと我に返ると、赤ん坊を抱えたまま家から飛び出していた。赤ん坊を薫と名づけた希和子は、そのまま逃亡生活の中で薫(渡邉このみ)を育てていくことに…。

この作品、『孤高のメス』の成島出監督だと知って、急遽行って参りました。
原作は未読、N○Kドラマもスポット予告ぐらいしか観ていませんでしたが、
昨年春に放送された日テレのMotherにテーマが酷似していることから関心が持てないでいました。

つまり、Motherの誘拐犯とされた小学校教師と、その動機もおかれた環境も異なる独身の本作女性が、
他人の子の母親になるという事で自分の生きる意味を見出し、法を犯し、
だけど、誰よりもその子に無償の愛を注ぎ、母親になる―・・・という.......。

Motherの主人公・小学校教師は法的にはどうあれ、実際事実は人命救助の、超法規的措置だと思えたので、逃亡する擬似親子を応援しつつ見守っていけたのに対し、
さて、同じく母性に焦点を当てたこちらの作品では・・・どうなのか。


冒頭いきなり二人の母の法廷での証言シーンで幕を開け、この物語の被害者と加害者の
事件後の心の明暗が観るものの胸に刻まれます。
出産し、何もかもこれから、という時に我が子を奪われた男の本妻のやり場のない怒り。
奪われた4年の時間は、それだけでは済まなかった!!
奪った犯人の希和子の陳述はというと・・・。
――それは許されるはずのない幸せだったことに間違いはない。のに、、、

成長した娘・恵理菜(井上真央)の胸が疼くような現在と、
不倫相手の妻の赤ん坊をさらった希和子との事件以降・・・厳しい環境の中にも安らぎのある幼少時代が、
交互に映し出されるストーリー展開は、2時間半という長さで効果的です。

家を出て独立して生活をする恵理菜に、ある日近づいてくるフリーライターの千草(小池栄子)が
ちょっと挙動不審にもみえるのだけど、そこにも秘密があり・・・、
この千草とのやり取りの中で、恵理菜は封印していた過去に向き合うきっかけを手にする。


「八日目の蝉」は哀しいのか?それとも、
「八日目の蝉」は幸せを観るのか・・・。二人の年頃の娘の会話・・・。

母と信じて過ごした4年の後の、恵理菜の不幸も全ては希和子の衝動から起こったこと。

母親の立場からみれば、とんでもない話で、
しかしまた、ヒトの幸福な人生を奪っておきながら、聖母のような愛情を持って薫を守る
希和子の母親としての姿にこそ、今の悩み多き女性へのメッセージが込められているのは間違いない。
けれど―・・・。

 

こういうテーマを扱う時に、被害者の母に問題があるかのような印象を与えて、
誘拐犯人の行動を擁護するような描き方に抵抗を覚えてしまった。
実際仮に私が産んだばかりの我が子を盗まれたら、
そして4歳になった子供に知らないおばちゃんとしてしか認知されなかったら――死んでしまいたくなるかも知れない。
こんな話で「大号泣した」とか「感動」とかあり得ない。どこに感動するの?しちゃいけないでしょう。と、正直思ってしまいました。。。

愛した男の本妻の子というのが、そもそも誘拐の動機ではないし、彼女の犯罪そのものになんら同情の余地はない。
一瞬の「天使の笑顔」を盗みとったその時から、少なくとも3人の人生をも奪い獲った。
しかしまた、その事を頑として謝らないところに、
世間を捨て、薫にのみ全てを捧げた彼女が、天晴れな紛れもない母の姿として心に残る。

誘拐犯の永作博美、盗まれた母の森口瑤子もそれぞれ素晴しかったけれど、
独身で、逃亡犯でありながら、野々宮希和子に肉親、またその親戚の影が微塵も描かれてないなど、
ストーリー展開・設定がウソっぽく思えて、女優陣の熱演も虚しく、ちょっと離れてみていた。

同じ角田光代サン原作の「空中庭園」も、壊れた家族とトラウマを抱えた母子の物語でインパクトがあったけど、シュールな世界だった。そしてラストはちゃんと着地した印象。
でも、コチラは犯罪絡みなので、どうしてもリアルを求めてしまう。

ただ一箇所、はらはらと涙がこぼれてしまったのは、
おどおど、せかせかとしたライターの千草の告白シーンでした。
今まで苦手系女子ばかりを目にしてきましたが、初めて小池さんに泣かされてびっくり(笑)
出演女優さんの演技はみんな素晴しかったですが、
やっぱり渡邉このみちゃんの時に不信感を、時に不安感を募らせる、あの表情と存在がとても良かったのでした。
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毎日かあさん

2011-02-10 01:04:18 | the cinema (マ・ヤ行)
泣いてるヒマがあったら、笑おう。
製作年度 2011年
上映時間 114分
原作 西原理恵子
脚本 真辺克彦
監督 小林聖太郎
音楽 周防義和
主題歌 木村充揮 『ケサラ~CHE SARA~』
出演 小泉今日子/永瀬正敏/矢部光祐/小西舞優/正司照枝/古田新太/大森南朋/田畑智子/鈴木砂羽/柴田理恵/北斗晶/安藤玉恵
二人の子育てに仕事にと忙しい日々を、持ち前のたくましさで乗り切る漫画家のサイバラ(小泉今日子)。元戦場カメラマンの夫(永瀬正敏)は戦場でのトラウマのせいでアルコールにおぼれ、二人は離婚することになる。大切な家族を失い、アルコール依存症と闘う夫だったが、今度はガンが見つかり……。

正直に言えば、こういう「アルコール依存症」とか「鬱病」とかを扱った作品は苦手です。
なぜなら、どうしたって、私には到底本当には理解できないから・・・

でも、これは良かったです。
これまでの小泉さんの出演作の中で、一番好きかも知れない


おかあさんの一番好きな色は2番目に遠い海の色。黒みたいな青。
「海の水はどこからくるの?」「この前遊んだ川の水も、この海に繋がってるんだよー」
そして久しぶりに会ったお父さんは、海の傍の病院にいたから。
「おとしゃんにあいたい」というフミを連れてブンジはビニールプールを川に浮かべる。――

そんな、ちょっと心配になるくらい、大らかでハチャメチャな家族の日常。
面白いこどもたちに、包容力のあるかあさんと過ごす、こどものままのアルコール依存症の父の物語。



どこから見つけてきたの~?といいたくなる子役の二人
その子供たちを本当に甘えさせ、ステキな演技を引き出す、キョンキョンと永瀬さん、更にはスタッフ陣。
もちろん、そのお二人も、明るい中にも苦しい胸のうちを覗かせる演技に、
暫らくはなんともいえない余韻が残り、胸の中でしくしくと泣きたいエンディングまで釘付けでした。

そのエンディング。劇中、夫・永瀬さんが撮ったと思われるモノクロの家族の写真と、
鴨志田さんが戦場で撮られた実際の写真をバックに流れる、
木村充揮さんの歌う「ケサラ~CHE SARA~」は最高でした!!
上手くは説明できないのですが、この作品の余韻と、
この、人生を噛締める歌声で、ちょっと涙が止りませんでした。

そして壮絶なまでの役作りをして見事になりきって演じられた永瀬さんのダメ夫っぷりも凄い。
このカモシダさんの人生をみて、唐突に"善人は若死にをする"という文句が浮かびました。
自身も、苦しみも幸せも、味わい、学び・・・
サイバラに子供というかけがえのないものを残し、ありがとうをいう為に彼は生きて、天国の門を開けてもらったのだとそんな気がしたのです。

なにか、、上手く言えないので、
先日初日舞台挨拶の時の小泉さんのコメントを紹介しておきます。
お母さんたち、子供たち、
そして人間みんなを応援する映画に出来たらいいなと思って頑張りました


コメント (13)
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