to Heart

~その時がくるまでのひとりごと

すずめの戸締まり

2023-03-09 22:23:57 | the cinema (サ行)

製作 2022年
製作国:日本
上映時間:121分
監督/脚本 新海誠
原作/新海誠
主題歌/挿入歌 十明
出演 原菜乃華/松村北斗/深津絵里/染谷将太/伊藤沙莉/花瀬琴音/花澤香菜/神木隆之介/松本白鸚(松本幸四郎)
九州の静かな町で暮らす17歳の少女・鈴芽(すずめ)は、「扉を探してるんだ」という旅の青年に出会う。彼の後を追うすずめが山中の廃墟で見つけたのは、まるで、そこだけが崩壊から取り残されたようにぽつんとたたずむ、古ぼけた扉。なにかに引き寄せられるように、すずめは扉に手を伸ばすが...やがて、日本各地で次々に開き始める扉。その向こう側からは災いが訪れてしまうため、開いた扉は閉めなければいけないのだという。――星と、夕陽と、朝の空と。迷い込んだその場所には、すべての時間が溶けあったような、空があった――不思議な扉に導かれ、すずめの“戸締まりの旅”がはじまる。

アニメはここ何年も映画館で観る事は無かった私ですが、
この日は職場の同僚と別の作品を観ようと銀座で降りたのですが、
その後の予定を考えると一番待ち時間の無いこの作品がベストで滑り込みで観てきました!

新海誠監督作品は3作目ですが、、、個人的には「君の名は。」の方が好きかも。
満足度は🌟3つというところです。(5点満点中)

抗えない自然の力と、それに迷いなく立ち向かう犠牲的精神を描いていて、
攻めているなあ~という感じは流石でした。
ファンタジーとはいえ、空恐ろしさも感じたし、
強弱ありのテンポもいいし、映像は美しい!でも――、
やっぱり一番は声優陣の嵌り具合だった気がしました!何気に豪華でしたね👌

ジョジョ・ラビット 2019

2020-02-06 21:00:27 | the cinema (サ行)

英題 JOJO RABBIT
製作国 アメリカ
原作 クリスティーン・ルーネンズ
監督・脚本・製作 タイカ・ワイティティ
音楽 マイケル・ジアッチーノ
アルフィー・アレン/トーマシン・マッケンジー/タイカ・ワイティティ/アルフィー・アレン/スカーレット・ヨハンソン/サム・ロックウェル

第二次世界大戦下のドイツ。母のロージーと2人暮らしの10歳の少年ジョジョは、憧れのヒトラーユーゲントの合宿に参加する。想像上の友だちであるアドルフの叱咤激励を受けながら、クレンツェンドルフ大尉の厳しい訓練を懸命にこなしていくジョジョだったが、心優しい彼は臆病者とバカにされ、“ジョジョ・ラビット”という不名誉なあだ名をつけられてしまう。そんな中、ジョジョは自宅でロージーによって匿われていたユダヤ人少女エルサの存在に気づいてしまう。忌み嫌うユダヤ人を前にしてパニックになるも、やがてアドルフやヒトラーユーゲントの教えに反してエルサに心惹かれていくジョジョだったが…。

コチラは、先月鑑賞しましたが、、、先日9割方書いてた記事が消失・・・超脱力😿
なので、簡単に。

可愛くて可笑しくて、、やがて哀しい反戦コメディでした。


舞台は第二次世界大戦末期のドイツ、ですが、英語です。

戦争は、大人が始めます。
そして、緑は失われ、当然子供たちの運命も巻き込まれます。

大人は、社会人、地球人としてのこれまでと、これからを考える時間として、
子どもや、若い世代は、佳き大人になるために、
観て欲しい1本でした。


それにしても、子供が大人になる初めての一歩は、
大人の嘘を知った瞬間なのかも知れない
と感じたものでした……。

そして――!
ポール・マッカートニーが「抱きしめたい」を使用許可!したんですね~👌
ビートルズ👏そして!!デヴィッド・ボウイ💗小躍りしたくなる名曲の数々がっ🎵
音楽もとても良かったです!

ジョーカー

2019-12-01 09:29:19 | the cinema (サ行)

本当の悪は笑顔の中にある

JOKER
アメリカ 122分
監督トッド・フィリップス
出演 ホアキン・フェニックス/ロバート・デ・ニーロ/ザジー・ビーツ/ブレット・カレン/フランセス・コンロイ/シャロン・ワシントン

DCコミックスのバットマンに登場する最強最悪の悪役“ジョーカー”に焦点を当て、コメディアンを夢みる心優しい男アーサー・フレックが、いかにして社会から切り捨てられ、狂気の怪物へと変貌を遂げていったのか、その哀しくも恐ろしい心の軌跡を重厚な筆致で描き出す。
大都会の片隅で、体の弱い母と2人でつつましく暮らしている心優しいアーサー・フレック。コメディアンとしての成功を夢みながら、ピエロのメイクで大道芸人をして日銭を稼ぐ彼だったが、行政の支援を打ち切られたり、メンタルの病が原因でたびたびトラブルを招いてしまうなど、どん底の生活から抜け出せずに辛い日々を送っていた。そんな中、同じアパートに住むシングルマザーのソフィーに心惹かれていくアーサーだったが…。


鑑賞からだいぶ経ってしまいましたが、
コチラは、バットマンの宿敵“ジョーカー”はなぜ生まれたのか?に焦点を当て、
バットマン(ブルース)との因縁も描かれている。

このゴッサムシティは、ゴミと鼠に住民は悩みTVでも取り上げるが
富裕層はそこには居ない。どこかの街に似ている。

しょっぱなから描かれる貧困、暴力、差別、無関心、ネグレクト――
追いつめられ、救いのない日々の果てに生まれた止められない、、笑い

終わってみても、アーサーの“ジョーカー”にヴィランの強さは印象にない。
むしろ痛々しい。
笑う事を止められないアーサーの現実に、コチラまで目が、心が、切り刻まれる……
ホアキンが凄い・・・・


本当は泣きたい現実を紛らわす時に、ナゼ唐突に笑いという発作が起きるのか?
それはアーサーの幼少期を語る母の、何気ない言葉で知ることが出来る。
そして、出生の真実も終盤の写真に記されているが、、、

最初と最後のカウンセリングの間に起きた、
どこからどこまでが妄想で、どれが現実の行動だったのか?
そして、解き放たれたアノ赤い👣―……

彼が求めたのは、正義ではなく、優しさ・・愛だったのに…

帰り道、どういうわけか私の頭の中で“やさしくなりたい”のアノフレーズがルーティーン。

   🎵 やさしくなりたい やさしくなりたい
   自分ばかりじゃ 虚しさばかりじゃ
  愛なき時代に 生まれたわけじゃない
   強くなりたい やさしくなりたい.....🎵




しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス

2018-03-18 14:13:10 | the cinema (サ行)

人生は、
美しい色で
あふれている。

MAUDIE
上映時間 116分
製作国 アイルランド/カナダ
脚本 シェリー・ホワイト
監督 アシュリング・ウォルシュ
サリー・ホーキンス/イーサン・ホーク/カリ・マチェット/ガブリエル・ローズ

カナダでもっとも愛された画家モード・ルイスの伝記ドラマ。
カナダ東部のノバスコシア州。小さな町で叔母と暮らしていたモードだったが、幼い頃からリウマチを患い、手足が不自由なために両親が他界した後は、一族から厄介者扱いされ、孤独な日々を送っていた。束縛の厳しい叔母との生活に辟易し、早く自立したいと考えていた。そんなある日、買い物先で家政婦募集のビラを目にしたモードは、住み込みで働くことを決意する。募集を出した男は、町外れの小さな家でひとり暮らしをしているエベレット。孤児院育ちの無骨な彼は、いきなり押しかけてきたモードに戸惑いつつも、彼女の熱意に押されて雇うことに。しかし理不尽で暴力的なエベレットとの同居生活は案の定トラブル続き。それでも自由を手にした喜びを噛みしめ、大好きな絵を家のあちこちに描き始めるモードだったが…。


身体が不自由ではあるけれど、素直で頭がいいモードと、
孤児で学も無く粗暴なエベレットが暮らし始める序盤は、、
ココロの狭い私などは胸が痛み、且つ、腹立つシーンが多々ありました。

無骨だけど孤独に生きてきたエベレットよりも、自由を手にしたモードの方が強かった。
エベレットの領域を可愛い絵で少しずつ侵食していく辺りからは微笑ましく、
彼もモードの画を気に入っているのが伝わってきて、なんだか嬉しい。

エベレットの顧客のサンドラ(カリ・マチェット)が表れて、二人の関係も目に見えて変化する♪

このサンドラとの出会いは大きい。
寄る辺ないモードの為に、彼女の親に成り代わって神に感謝したいくらい。。。

身内に恵まれず、愛に渇望していたモードだったけど、今、彼女の好きな
窓から覗く人生は、明るく命の息吹に満ちていて、、
彼女の描くちいさな世界は、幸せそのもの!

胸がつぶれそうなエピソードもあったけれど、
何が大事か。一番大切なものを知っている事。
それが、
ささやかに、でも、満ち足りたモードの人生の礎だったのだと感じました。

サリー・ホーキンス、劇中のモードの画は自身で描いているそうですが、
エンディングロールでは、モード・ルイスのあの可愛いイラストが差し挿まれていて嬉しい!!
結構濃い、2時間弱、素敵な作品でした👌

スリー・ビルボード

2018-03-08 21:36:10 | the cinema (サ行)

原題 Three Billboards Outside Ebbing, Missouri
上映時間 116分
製作国 イギリス
脚本:監督マーティン・マクドナー
フランシス・マクドーマンド/ウッディ・ハレルソン/サム・ロックウェル/アビー・コーニッシュ/ジョン・ホークス/ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ/ ルーカス・ヘッジズ

アメリカ、ミズーリ州の田舎町エビング。ある日、道路脇に立つ3枚の立て看板に、地元警察への辛辣な抗議メッセージが出現する。それは、娘を殺されたミルドレッド・ヘイズが、7ヵ月たっても一向に進展しない捜査に業を煮やして掲げたものだった。名指しされた署長のウィロビーは困惑しながらも冷静に理解を得ようとする一方、部下のディクソン巡査はミルドレッドへの怒りを露わにする。さらに署長を敬愛する町の人々も広告に憤慨し、掲載を取り止めるようミルドレッドに忠告するのだったが…。

ベネチア国際映画祭 脚本賞(2017年)トロント国際映画祭 観客賞、第75回ゴールデングローブ賞で最多となる4冠に輝き、本年度アカデミー賞6部門ノミネートされた話題作。
因みにアカデミー主演女優賞(フランシス・マクドーマンド)と助演男優賞(サム・ロックウェル)を受賞した。


娘アンジェラはレイプされ惨たらしい姿となって発見された。
が、7ヶ月経っても犯人は捕まらず・・・警察からは何の音沙汰もない―。
一体警察は本当に事件を捜査しているのか?!

警察を挑発して捜査を進展させたいとTVのインタビューにも応じたミルドレッド。
しかし、住民の人望厚いウィロビー署長を名指ししたこと、
「町中の人が知っている彼の病気」により、被害者家族であるはずの彼女はまるで立場が一転。
町の住民はミルドレッドを、騒動を起こす厄介者という扱い。
それどころか、ミルドレッドの周辺にも被害が及び、、、

ミルドレッドのここに至る(名指し広告)怒りの原因―。
それは誰にもある日常の「あの日、もしこうしていたら」
でも、誰にもそれは予想できない――ミルドレッドは後悔の涙を怒りに変える.......

彼女の最大の敵となる差別主義者のディクソン巡査は、
肌の色の違い、体型の違い、性的対象の違い等の理由を付け、ことごとく排除の対象をみつけ攻撃。
久しぶりの苦手サム・ロックウェルがスバラシイ!!

人格者署長のウィロビーの、
ミルドレッドへのセリフ(差別主義者を辞めさせると警官がいなくなる)が印象に残るが
その昔南部からの移住者や移民も多いこの片田舎で、署を纏めるのはさぞかし大変だったとは思う。
が、彼は思いがけない幕引きをする。。。

数少ないミルドレッドの味方・エビング広告社のレッド役はケイレブ・ランドリー・ジョーンズ。
ビザンチウムほどではないけど(笑)いかにも弱そうなのに権力に屈しないところが痛々しくもアッパレ👌

ニュースでもよく流れる、警官の黒人への暴力....。
アメリカ社会の根深い闇を正面から映し出しているので、私的にはホンモノだと思えた作品。
ラストに関しては、途中からもしかしたら・・?という予想通りだった。

怒りは怒りを呼び、憎しみは安らぎを奪い、
誰かの愛は、、人生を変える。。。

コチラも公開劇場が少なく、私が鑑賞した夜の回も混んでいた。
脚本も良かったけど、フランシス・マクドーマンド始め、濃いキャストが嵌っていて面白かった!
前評判通り、あっという間に引き込まれた2時間。

スパイダーマン:ホームカミング

2017-09-18 23:44:54 | the cinema (サ行)

上映時間 133分
原作 スタン・リー/スティーヴ・ディッコ
原案 ジョナサン・ゴールドスタイン/ジョン・フランシス・デイリー
監督 ジョン・ワッツ
出演 トム・ホランド/マイケル・キートン/ジョン・ファヴロー/ゼンデイヤ/トニー・レヴォロリ/ドナルド・グローヴァー/ジェイコブ・バタロン/ローラ・ハリアー/マリサ・トメイ/クリス・エヴァンス/ロバート・ダウニー・Jr/ジェニファー・コネリー

アイアンマンやキャプテン・アメリカなど“アベンジャーズ”を中心にマーベル・ヒーローが同一世界観の中で活躍する“マーベル・シネマティック・ユニバース”作品群の一つとして描かれる新シリーズの第1弾。
ニューヨークに暮らす15歳の高校生、ピーター・パーカー。憧れのトニー・スターク=アイアンマンに見込まれ、彼が開発した特製スーツに身を包み、スパイダーマンとして街のパトロールに精を出しながら、早くアベンジャーズの一員になりたいと夢見ていた。そんな中、スタークに仕事を奪われ復讐に燃える男エイドリアン・トゥームス=バルチャーが、地球外の物質から強力な武器を作り出し、ニューヨークを危機に陥れようとしていた。アベンジャーズに任せろとのスタークの忠告にもかかわらず、一人前のヒーローとして認められたいと焦るピーターは、たった一人で敵に立ち向かおうとするのだったが…。

鑑賞から1か月余り・・・💦簡単に

監督は長編3作目(「クラウン」「COP CAR/コップ・カー」)の本作でいきなりブロックバスター作品に大抜擢となった新鋭ジョン・ワッツ。私はお初です。が、

トビー・マグワイア版のスパイダーマン3作品も、
アンドリュー・ガーフィールド版アメイジング・スパイダーマン2作品も好きだったし、
本作のトム・ホランドスパイディも良かったです


新シリーズということで、ピーター・パーカーも若返って、15歳の高校生だし
おばさんもマリサ・トメイで、まだ若々しい。
まだまだお子ちゃまなピーターが、憧れのスタークに会いに行くところから物語は始まるので、
新シリーズ1作目にしては、いきなり感がある。
アメイジング・スパイダーマンみたいにクモとの出会い、その後の変化には触れられず、
かなり経ってから「噛まれた」という一言で進行(笑)

それでも、いじめられても爽やか、知性もあって純情な今回のピーターもなかなかイイ(^^♪
けど・・今回のヒロイン、ちょっと違うな…~と、思っていたら!!
終盤、ちょっとあの子がフォーカスじゃない?って、
そう
なんとなく宿敵&MJが~

今回はスパイダーマンのスーツが3種類出てきて、うち1着は高機能&喋るスーツ
次回はもう喋らないのかしら?
あのスーツレディ(カレン)との掛け合い、けっこう面白かったので
次回もアレでお願いしたい(笑)




世界にひとつの金メダル

2017-06-24 10:13:07 | the cinema (サ行)

JAPPELOUP
製作国 フランス/カナダ
上映時間 130分
原作 カリーヌ・ドゥヴィルデ
脚本 ギヨーム・カネ
監督 クリスチャン・デュゲイ
出演 ギヨーム・カネ/マリナ・ハンズ/ダニエル・オートゥイユ/ルー・ドゥ・ラージュ/チェッキー・カリョ/ドナルド・サザーランド

オリンピックで唯一、人と動物がパートナーを組んで出場する馬術競技で、フランス代表として2度オリンピックに出場し、ソウル大会ではみごと金メダルを獲得したピエール・デュランとその愛馬ジャップルーの実話を映画化した伝記ドラマ。
1980年代初頭のフランス、ドルドーニュ地方。父セルジュの厳しい指導の下、馬術の障害飛越競技に打ち込んできたピエール・デュランだったが、大人になると父の期待に背を向け、都会に出て弁護士となり、エリート街道を歩み始める。ところが、満たされることのない日々に、自分の夢はやはり障害飛越競技の選手〈ライダー〉になることだと改めて気づく。そして弁護士のキャリアを捨てると、気性は荒いが素晴らしい才能を秘めた若馬ジャップルーとともにオリンピック目指して厳しいトレーニング漬けの日々を送るピエールだったが…。

コチラは、フランスの伝記モノ。
好きなテーマだったし、ギヨーム・カネだったし(笑)行ってきました(^^♪
観る前は、コレは父と息子の葛藤がメインに描かれているものだと勝手に推測していましたが、、
少し違っていました。。。


裕福な家に生まれ、両親の愛情もたっぷり受けて育ったピエール。
父と二人三脚で馬術の障害飛越競技づけの青春を送るが、
大学や恋、そして仕事と、、
それまでの馬術生活は、全て父の夢の為であったかのように語り、都会に出るが...

という、、才能というより、好きで人一倍努力もしてきた一人のライダーが、
荒々しくも秘めた跳躍力を持つ若馬と出会い、
その馬が名馬であるために結果を出せない自分を悔やみ、自信を無くし、
それでも周囲の人に支えられ、馬に育てられて、遂にはという・・

彼の夢は自分の夢だけれども、
幾度もの挫折を味わいながら、あきらめずに続ける、
その先にしか栄光はなかった…―
一人と、一頭の名馬の成長の物語でした。

クリスチャン・デュゲイ監督は、馬術競技の元カナダ代表という経歴を持つ方だったんですね~。
その所為か、ピエールが転戦する世界大会のバックヤードの描き方など、
素人には分からない部分も、ソレに直面する選手(ライダー)の姿がリアルでした。

コレは実話ですので、結末は解っているのですが、
馬術競技に限った事ではないのだけれど、勝者のウィニングランはいつも感動。
本作でも、ゴールを走り抜けてからのウィニングランはカッコイイ!!美しい!!
そのシーンの為の2時間でした





ザ・コンサルタント

2017-01-28 10:05:09 | the cinema (サ行)

THE ACCOUNTANT
上映時間 128分
脚本 ビル・ドゥビューク
監督 ギャヴィン・オコナー
出演 ベン・アフレック/アナ・ケンドリック/J・K・シモンズ/ジョン・バーンサル/ジェフリー・タンバー/シンシア・アダイ=ロビンソン/ジーン・スマート/ジョン・リスゴー

ベン・アフレックが天才的な会計士にして凄腕の殺し屋という異色のアンチ・ヒーローを演じるクライム・サスペンス。
田舎町で小さな会計事務所を構える物静かな男、クリスチャン・ウルフ。他人とのコミュニケーションに問題を抱える一方、数字に対して超人的な能力を発揮する彼は、裏社会と繋がりを持ち、彼らの仕事を請け負っていた。アメリカ政府当局もその存在には気づいていたが、なかなか正体を掴めずにいた。そんな中、ウルフのもとに大手メーカー、リビング・ロボ社の財務調査という依頼が舞い込む。しかし、同社の経理担当デイナとともに使途不明金の解明に乗り出した矢先、調査は一方的に打ち切られてしまう。そしてその日から、何者かに命を狙われるウルフだったが…。

当初スルー予定だったこの作品、ツイッターの「面白かった!」の一言で観に行って正解♪
ベンが殺し屋~?!でしたが、
主人公がナゼ表の顔「会計士」で、裏の顔を持たねばならなかったのかも説得力があり
一度も退屈することもなく楽しめました

「ベンが会計士で殺し屋」私はコレだけの前知識しかなかったのですが、
これからご覧になる方も、余り情報を入れずに行かれた方がきっと楽しめると思います。


冒頭、一つの事件現場に忍び寄るある人影――
ターゲットの命乞いをする音声と銃声、、目撃する人影―…

繰り返し“ソロモン・グランディ”を歌い暴れる高機能自閉症の男の子と、
その彼を取り巻く家族と医師―。
やがて彼は、妹の差し出す、パズルの最後の1ピースで落ち着きを取り戻す…。

そんな出だしのシーンは、このストーリーに登場する人物たちの情報が詰まっていて
結構重要なんですが、
それさえ押さえていれば、後は解りやすい流れ。

財務省捜査官のキングは、闇組織の資金洗浄という危険な仕事をしながら
裏社会で生き延びている“会計士”の正体を知りたいが、
その仕事を分析官のデイナ・カミングスを脅してまで後を継がせようとする。
それはナゼか??

市民の安全を脅かしながら資金を増やしていく闇組織から
カタギの企業の仕事を引き受けたはずのクリスチャン・ウルフと“相棒”の敵は?!

これは、高機能自閉症の男の人生を描いているようで、
実は異質な者を抱えた家族の物語でもある。

元軍人らしい父親の、兄弟二人の将来を見据えた子育て…。
逃げずに厳しくやり遂げさせるそれは、、女親では出来なかった選択だったと思う。

ずっとポーカーフェイスだったベンでしたが、
仕事以外で、相手と目を合わせられない二つのシーンが可愛いい

幸せなひとりぼっち

2017-01-07 10:16:10 | the cinema (サ行)

上映時間 116分
製作国 スウェーデン
原作 フレドリック・バックマン『幸せなひとりぼっち』(早川書房刊)
脚本:監督 ハンネス・ホルム
出演 ロルフ・ラッスゴード/イーダ・エングヴォル/バハール・パルス

本国スウェーデンでは公開時、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(15)を抑え
5週連続1位の記録的大ヒットを樹立。
同国で、実に約5人に1人が観たという国民的映画になった作品。
最愛の妻ソーニャを病で亡くし、長年勤めてきた仕事も突然のクビを宣告されてしまった59歳の孤独な男オーヴェ。すっかり絶望し、首を吊って自殺を図ろうとした矢先、向いに大騒ぎをしながらパルヴァネ一家が引っ越してきた。自殺を邪魔されておかんむりのオーヴェだったが、陽気な主婦パルヴァネは、そんなことお構いなしにオーヴェを積極的に頼るようになっていく。何度も自殺を邪魔された上、遠慮のないパルヴァネに最初は苛立ちを隠せないオーヴェだったが…。

一つの商品に2つの値段(一束だと〇〇、でも2束だと△〇)
敷地内にマーキングしまくる犬と飼い主
白シャツの男と車とタバコのポイ捨て
そんなものに腹立ちを抑えられないオーヴェの毎日・・・

近所の評判も「規律に厳しい人間」なんてものではなくなって、
年齢を重ねてからは気難しさに拍車がかかり、「厄介なおじさん」と化す。

誰からも望まれていない共同住宅地の監視、そして妻の墓に花を手向け、
亡くなった妻以外は「バカばっかりだ」と嘆き、、、
イザ恋しい妻の許へ――と、その時、騒々しく向かいに越してきたパルヴァネ一家の車が!!


頑なで怒りっぽい、孤独なオーヴェ・・・。

幼い時に母を亡くし、学生時代に父を亡くし、しかし
そのことで父の会社に就職できたが、
隣家の火事で家を失い焼け出され・・・でも、そのおかげで最愛の人と出会い。。。
幾度となく困難に見舞われ、
それでも、闘って生きてきた――
でも、この世はバカな奴らばかり、、。早くソーニャに会いたい・・・のに!!

パルヴァネ一家はそうたやすくオーヴェを死なせてくれない。
しかも、何故かいつも家の前に来る猫とか、
ソーニャの教え子の面倒にもかかわってしまい、と
退屈だった不機嫌ジィの生活は激変し…―

孤独で偏屈な爺と異民族との交流、というとグラン・トリノを思い出しますが、
ここでもオーヴェの国産車・サーブ愛が描かれて、父との思い出に繋がっていたり
友との可笑しな意地の張り合いにも一役買ったりと、いい具合に使われていました。

「他人に左右されてばかりの人生だった」と、オーヴェが回顧するのですが、
多かれ少なかれ、誰の一生も出会った人によって左右されているのじゃないかと思います。

最愛の人と出会い、そして失い、人生最悪な時に押し寄せる「他人からの頼み事」
彼にとっては何でもないことが、「他人」にとってその時必要なこと。
今生きる事で積極的なパルヴァネと、死ぬ事が目下の課題のオーヴェが出会い(笑)
この二人が動く度に「他人」との繋がりが増えていくのが面白い。

波乱に満ちたオーヴェの人生に胸をアツクし、
そして、スウェーデンの福祉の実態に少し驚き、
いつか来るかもしれない、一人になって生きる時間を、ちょっと想像してみたりしながらも
甘くも悲しくもある「人生」を感じて、いい作品でした。

聖の青春

2016-12-03 21:39:10 | the cinema (サ行)

生きること。

羽生善治を追い詰めた棋士――村山聖(さとし)。
病と闘いながら全力で駆け抜けた、わずか29年の生涯。

上映時間 124分
原作 大崎善生
脚本 向井康介
監督 森義隆
主題歌 秦基博『終わりのない空』
出演 松山ケンイチ/東出昌大/染谷将太/安田顕/柄本時生/鶴見辰吾/北見敏之/筒井道隆/竹下景子/リリー・フランキー

29歳にして亡くなった実在の天才棋士・村山聖。難病と闘いながら将棋に全人生を賭けた壮絶な生き様を描くノンフィクション小説「聖の青春」を映画化したもの。
幼い頃に難病のネフローゼ症候群を患い、入退院を繰り返した村山聖。入院中に父から勧められた将棋に心奪われ、将棋の最高位・名人の獲得を夢見るようになる。やがて、後に親子同然の強い絆で結ばれていくことになる師匠・森信雄に弟子入りすると、すぐに頭角を現わし、異例のスピードでプロデビューを果たす。
その後、同世代の天才・羽生善治に強烈なライバル心を燃やす聖は、彼の体調を心配する家族や仲間の反対を押し切り、拠点を大阪から東京へ移し、“打倒、羽生”と“名人獲得”という目標に向かってなりふり構わず突き進むのだったが…。


コチラは、公開初日鑑賞したのに、感想が遅くなりましたが、
静かに勝負に生きる男の世界を描いていて、なにか、、満たされました。良かったです。


一度転んだら、自力で起き上がることが出来ない状態でも青年は戦いの場に鎮座する。
羽生に勝つことは20勝分の価値があると言い切り、師匠や先輩にも遠慮のないもの言い
でも、、周りは理解する―。彼の将棋にかける情熱と純粋さを…。
そしてまた、彼には時間がないことも…―。

ボクには夢が二つあるんです・・・
一つは名人になって将棋をやめてのんびりと暮らすこと。もう一つは素敵な恋をして結婚することです。

“名人”になることと、“恋”・・・
実際にはどんなシチュエーションで言葉にしたのか、、胸が苦しくなる、彼の夢。――

暇を見つけて通った馴染みの書店での可愛らしい一コマ。
憧れの羽生との幸せな時間。
そして時は刻み続ける。

この作品のPRで出た番組で、ケンイチくんが、「今年はこの作品に懸けてきた」と言っていました。
役作りのため26キロ増量し、(症状によってはもっとだったかも)
それがこの作品のリアリティを増し、村山聖の苦境に説得力を持たせていました。
本当に、役作りとは言え、命がけですよね~


羽生役の東出昌大さんは確か180センチ以上もある長身で、小柄な羽生役はどうかと思いましたが
ケンイチ君も180㎝だし、座っての対局なので、あまり関係なかったですね(笑)
しかも東出さん、羽生さんの所作をホントによく寄せてきて、ニヤリとしました

母親に竹下景子さん....。息子の病気が発覚した時と、、もう一度。
同じ母親として、胸に刺さって抜けないこぼれ刃のような痛みを感じ、苦しかった‥

聖のよき理解者であり、温かく彼をを支えた師匠・森信雄役にはリリー・フランキー。はまり役。
弟弟子・江川貢役に染谷将太。
先輩棋士の安田顕、柄本時生。
将棋会館の記者で、聖の面倒を見る筒井道隆もそれらしくてヨカッタ

将棋の世界なので、ほぼ女っ気なし。男のドラマですが、
作品全体に漂う神聖な空気が爽やかでもあり、、、終わってからも静かに哀しい。

ジュリエッタ JULIETA

2016-11-20 19:41:41 | the cinema (サ行)

上映時間 99分
製作国 スペイン
原作 アリス・マンロー『チャンス』『すぐに』『沈黙』(新潮社刊『ジュリエット』所収)
脚本:監督 ペドロ・アルモドバル
出演 エマ・スアレス/アドリアーナ・ウガルテ/ダニエル・グラオ/インマ・クエスタ/ダリオ・グランディネッティ/ミシェル・ジェネール/ブランカ・パレス

スペインのマドリードでひとりで暮らしているジュリエッタは、自分を心から愛してくれている恋人ロレンソにも打ち明けていない苦悩を内に秘めていた。ある日、ジュリエッタは偶然再会した知人から「あなたの娘を見かけたわ」と告げられ、めまいを覚えるほどの衝撃を受ける。12年前、ひとり娘のアンティアは理由も語らずに、突然姿を消してしまったのだ。ジュリエッタはそれ以来、娘には一度も会っていない。忘れかけていた娘への想いがよみがえる。ジュリエッタは、心の奥底に封印していた過去と向き合い、今どこにいるのかもわからない娘に宛てた手紙を書き始めるのだった……。

カナダのノーベル賞作家アリス・マンローが2004年に発表した『ジュリエット(Runaway)』。 同一主人公でありながら独立した短篇「チャンス」「すぐに」「沈黙」の3編をアルモドバル自身がひと続きの物語として脚本化したもの。
『アウェイ・フロム・ハー 君を想う』と同じアリス・マンローの原作なので結構期待してましたが、
観る方の年代・経験値にもよるかも知れないけれど、私的にはちょっと肩透かしだったかなぁ。


冒頭から「ボルベール」「私が、生きる肌」を彷彿とさせるアルモドバル調の色彩、構図に
期待は膨らみましたが、
この物語の核である「母の秘密」が、え??であったことに少なからず落胆.....

先に観た邦画「湯を沸かすほどの熱い愛」では、母に去られた母娘の怒涛の数か月でしたが、
コチラは、娘に捨てられた母の孤独と苦悩が描かれています。。。

が、――
12年後のジュリエッタは、同じ母親としてある程度理解できるものの、
若き日のジュリエッタ・・・って
特にアンティアが思春期に入っても立ち直れないのに、
居なくなった途端活動できるなど、、ちょっと理解できないキャラだったし、
母親ではなく、ずっと女だった。
なんだかアンティアの方が、ずっと母親に青春を奪われていたから、
新しい友人に、依存していったのではないかと、、そんな気がしました。。。

母の秘密に関しては・・・
娘にしてみれば、だからどうなの?となるか、
ホントのコト打ち明けてくれてありがとう、となるのか…
ま、私なら前者ですね

ジャック・リーチャー NEVER GO BACK

2016-11-18 19:33:55 | the cinema (サ行)

上映時間 118分
脚本 エドワード・ズウィック /マーシャル・ハースコヴィッツ
監督 エドワード・ズウィック
出演 トム・クルーズ/コビー・スマルダーズ/ダニカ・ヤロシュ/ロバート・ネッパー/オルディス・ホッジ/パトリック・ヒューシンガー/ロバート・ネッパー 

リー・チャイルドのベストセラー・シリーズをトム・クルーズ主演で映画化した大ヒット・アクション「アウトロー」の続編。原作シリーズの18作目『ネバー・ゴー・バック』を基に、スパイ容疑で逮捕されたかつての同僚ターナー少佐の潔白を証明すべく、巨大な陰謀に立ち向かうジャック・リーチャーの活躍を描く。
元陸軍内部調査部のエリート軍人で、今は放浪の旅を続ける一匹狼の流れ者、ジャック・リーチャー。ある日、かつての同僚スーザン・ターナー少佐を訪ねることになったリーチャーだったが、彼女がスパイ容疑で逮捕されたことを知る。何らかの陰謀に巻き込まれたに違いないと直感し、すぐさま拘禁されているターナー少佐を脱出させ、2人で逃亡を図る。そして執拗に迫る追手をかわしつつ、ターナー少佐の汚名をそそぎ、軍内部に蠢く陰謀の正体を明らかにすべく奔走するリーチャーだったが…。

コチラも公開初日鑑賞。
前作「アウトロー」は観ていませんが、ストーリーも解りやすく十分楽しめました。

ストーリーや追い求める謎も概視感は否めませんが、
予想できる展開であっても、テンポがいいので退屈なし
アクションもド派手ではなくても、やっぱりスタントなしのトムの生アクションは
重量感もあって、リアルですよねー痛さが響いてきます!


ターナー少佐の救出に始まって、脱出!逃走!
そして娘と名乗るサマンサを救出し、また逃走!と、
とにかく作品の60%ほどは、メインの3人は走ってるのですが、それがまた凄いスピード感で
でも、トムちんがいるから、なんか安心(笑)

執拗に彼らを追い詰める敵が、これまた元軍人で半端なく強いのも面白かった
そしてその敵の中に、どこから見ても悪人の(笑)プリズン・ブレイクのティーバッグがっ(笑)

サマンサの登場は、無理やり感があったのですが、
(金髪のまま髪をなびかせて走るのは目立つやろーー!)とツッコみたくなりましたが、
おかげでハラハラできたので(笑)やっぱソコを狙ってのコトなんだなあ~と納得
そして、孤独な流れ者に思いがけず芽生える家族的キズナ
初めてなのに、どこかで見たような印象のダニカ・ヤロシュちゃん、可愛かったです

世界一キライなあなたに

2016-10-08 20:51:42 | the cinema (サ行)

愛するひとが、
半年後に永遠の旅立ちを
選ぼうとしていたら――

原作:脚本 ジョジョ・モイーズ『ミー・ビフォア・ユー きみと選んだ明日』(集英社文庫刊)
監督 テア・シャーロック
エミリア・クラーク/サム・クラフリン/ジャネット・マクティア/チャールズ・ダンス/ブレンダン・コイル/マシュー・ルイス/ジェナ・コールマン
イギリスの田舎町に暮らす天真爛漫でおしゃれが大好きな26歳の女性、ルー。ある日、働いていたカフェの閉店で失業してしまう。ようやく見つけた仕事は、交通事故で車椅子生活を余儀なくされたイケメン大富豪ウィル・トレイナーのお世話係というもの。それは6ヵ月の期間限定という条件付きだった。生きる意欲を失い、すっかり心を閉ざしていたウィルだったが、ルーは持ち前の明るさで少しずつ彼との距離を縮めていく。そしていつしか恋に落ちるルーとウィルだったが…。

平凡な女の子が、車椅子生活で心を閉ざしてるイケメン大富豪と出会い惹かれあう、
王道のラブストーリーだと思って観に行ったら、、、!!
違うじゃん!!
邦題!何してくれちゃってんのよ=


原題はME BEFORE YOU
コレは原作本の日本語タイトルをそのまま取るほうが合ってるとは思いますが、
――キミと会う前のボク――
恋よりもその想いから離れられなかったウィル、、の印象が強いです。。。

ポップで豪邸には似合わないルーの衣装と笑顔、
貧乏だけど仲良し(もたれあってる?)家族のやり取り、
どうでもよさそうな恋人(笑)
そして、、大富豪の側では、息子の心に添う両親…

コミカルなシーンも多く、時々笑いが起きてましたが
半年の期間限定のバイトの意味にルーが気付くところから、この邦題に腹が立ってきました
まあ、、単純な私はそれでも信じたかったんですよ、ハッピーエンド。

コレは『四体麻痺になったら人間として価値がないのか?』という批判を浴びているそうで、
このウィルの選択とそれを認めた周辺の人たちにも当然、観客も
え?!それでいいの?!です。。。
そして、一見ラブストーリーですが、
重いものを突き付けているドラマでもあり、
数年前に観たアル・パチーノ主演の米ドラマを思い出しました。


観る方の年齢にもよってこの作品の評価や印象は違うと思いますが、私が刺さったのは、
ウィルの決断を知った両親が争うシーンの、父親のセリフです。
母親はみんな彼の母親みたいになると思うのですが、、、
考えても当事者にしか答える権利がない、みたいな思いになりました。
それにしても、この邦題はナイ。
随分観客を逃がしてると思います
観た後に語り合いたくなる作品です


信さん・炭坑町のセレナーデ

2016-05-25 21:36:49 | the cinema (サ行)

あの頃、だれもが一生懸命でまっすぐだった
製作年 2010年
上映時間 1時間48分
原作 辻内智貴 『信さん』小学館刊
脚本 鄭 義信
監督 平山秀幸
出演 小雪/池松壮亮/石田卓也/柄本時生/小林廉/中村大地/金澤美穂/村上淳/岸部一徳/大竹しのぶ

もう6年前の作品になるのですね・・。
当時観たいリストに入れながら、地元公開がなく観そびれていましたが、
先日TOKYO MXキネマ麹町でやってくれました♪

「必死剣 鳥刺し」「太平洋の奇跡-フォックスと呼ばれた男」-「エヴェレスト 神々の山嶺」の平山秀幸監督作品

昭和38年。福岡県の炭坑町に小学生の守(中村大地~池松壮亮)と共に帰って来た美智代(小雪)は、ある日、悪ガキたちに囲まれた息子を“信さん”と呼ばれる少年(小林 廉~石田卓也)に助けてもらう。
親を早くに亡くして、街では厄介者のように扱われている信さんは孤独だったが、事件を機に優しく接してくれる美智代にだけは心を開くようになる。


都会からこの小さな炭坑町に越してきた、大人しい少年・守が、
ひとつの出会いによって町に馴染み、逞しく成長していく一方で、
その出会いはまた、信さんにとっても生涯をかけた大切な出会いになり、、、
けれど、信さんにもこの炭坑町の大人たちにも、
高度成長の時代の波は、確実に直ぐ傍まで押し寄せてきており、
厳しい現実は容赦なく、子供時代を奪っていく…―

優しさに餓えた日々の中で、信さんにとって美智代は特別な存在になる。
それは母親への愛のようであり、淡い恋心のようでもあり…大切に一途に想って成長する過程が
妹や守の目線で捉えられたりしながら描かれていくのが楽しく、

美智代も嫉妬や羨望の中でひとり子育てをしながらも、息子とは違う、
自分を慕う信さんを、特別な愛情をもって関わり続けるが…
それは、最初の出会いから、
痛みを包み込む彼女の優しさと、誰からも愛を受けられなかった少年の
自然でピュアな心の結びつきだと、、自然に受け入れられる。。。

池松壮亮くん目当てで観たかった作品でしたが、
聖女のようなバツイチの美智代@小雪も、
“信さん”の想いを知る守@池松くんの九州男児っぽさも、
虐めに遭いながらも家族で支え合う李親子の岸部一徳、柄本時生も、
なりふり構わず生きて、貧しさと闘う“信さん”の育ての親の大竹しのぶさんも凄くよかった。


ひとの心の純粋さと、強さに触れて
何度かたらたらと涙が流れてしまうシーンがありますが、
後味は優しい、素敵な作品でした

さざなみ

2016-04-18 22:47:48 | the cinema (サ行)

上映時間 95分
製作国 イギリス
原作 デヴィッド・コンスタンティン
脚本: 監督 アンドリュー・ヘイ
出演 シャーロット・ランプリング/トム・コートネイ/ジェラルディン・ジェームズ/ドリー・ウェルズ/デヴィッド・シブリー

イギリスの片田舎で穏やかな毎日を送る老夫婦のジェフとケイト。5日後に結婚45周年の記念パーティを控える中、スイスの警察から1通の手紙が届く。それは、50年前にジェフと登山中にクレパスに転落して亡くなった当時の恋人カチャの遺体が、昔のままの状態で発見されたことを知らせるものだった。以来、ジェフはカチャへの愛の記憶に浸っていく。最初は自分と出会う前の話と平静を装っていたケイトも、“彼女と結婚するつもりだった”と悪びれることなく口にする夫に次第に不信感を募らせ、いつしかそれはこれまで積み重ねてきた45年間の結婚生活にも向けられていくのだったが…。

スイスの警察から手紙が届いてから6日間で崩壊していく夫婦の45年。
しかもその週末には、夫婦の一大イベントが予定されており、
その準備に忙しいケイトを尻目に、ジェフの態度が急変する――

50年前の恋人――自分と知り合う前の・・・。
そうはいっても、妻に対して今更正直になるところと、
嘘でも、いややっぱり君を選んだというべきところが違うだろ・・の、ジェフ。

そしてケイトは屋根裏部屋でジェフが隠し持っていた思い出の品を盗み見る―…。


これは、男性と女性で、大きく感想が分かれそうな作品でした。

45年も一緒に過ごしてきたら、50年前の小さなウソは許されるだろう。とか、
だから今正直に話したんだ、なんていうのも、、、ちょっと違う。
ジェフの正直さはケイトの妻としての45年をバカにしてる。。。と感じてしまった。
老いはデリカシーをも忘れてしまうのか・・・カナシイ。。。


最後の名スピーチも、甘えの延長だと感じて、、
・・・でも、このまま目を逸らして46年目を迎えるのかしら?
気になる終わり方でした(笑)