NHK 毎週火曜 22:00~22:50 全7話(2011/9/13~)
脚本 武田有起/渡辺啓
演出 塚原あゆ子/竹村謙太郎
主題歌 ひこうき雲 / My Little Lover
出演 伊藤英明/中丸雄一/松重豊/田畑智子/田中哲司/夏八木勲/高島礼子
実際にあった連続保険金殺人事件をモチーフに、「愛」、「金」といったテーマを盛り込みつつ、さまざまな人間模様が渦巻く保険金支払いの現場に光を当てるサスペンス。
最終回(第7回)【命の金】
この火曜夜10時のNHKドラマ10、昨年の恭子ちゃんの出演をきっかけに見始め、
この作品で何作になるだろう?「下流の宴」も面白かったし、
次いでなかなか面白かったこの保険金受け取りを巡るサスペンス、今夜が最終回~。
第1回【最期のプレゼント】向島朔太郎(伊藤英明)は(清和生命の保険金査定部に勤める査定人)
事故で同時に亡くなった夫婦のどちらが先に亡くなったかで、その保険の受取人が、夫側の両親か、
妻側の両親だけなのかという案件を調べるが、その事故の関係者の
亜希子(高島礼子)はまた
向島の先輩の営業部の横村(田中哲司)に、保険をかけてくれとせがんでいた。
第2回【残された母子】山岡真一(野間口徹)が車に轢かれて死亡した。リストラ後、処分した家のローンを抱え、ホームセンターに再就職しながらも契約社員であることを妻・早苗(須藤理彩)にも明かしていなかった。自殺か、事故か?保険金は支払われるのか?
横村は自分の保険金の受取人を美咲から亜希子に書き換え、その書類を持って亜希子のもとへ。
第3回【外れない宝くじ】車の修理工場で保険をかけられていたオーナーが焼死し、受取人が元妻から愛人に書き換えられていた案件を担当。自殺なら1億、事故なら1億5千万、また万一受取人による殺人となれば支払いは無しとなる・・。
横村は亜希子に自分が横領で会社をくびになるかもしれないと告げる。それを聞いた亜希子は、横村に一緒に死のうと心中を誘う。
第4回【保険が見つけた愛】スイカ農家の山之内信夫(金田明夫)は清和生命の保険に加入したわずか1週間後に入院、末期のすい臓ガンと診断された。告知義務違反を疑った向島(伊藤英明)と大野(中丸雄一)は調査を始めるが、信夫はガンの告知を受けておらず、ドバイへの投資話を同室の入院患者達に元気に話している。果たして本当にガンの告知を受けていなかったのか?
向島の携帯電話に横村から電話がかかってきた。「最期に本当の愛を見つけた」と言って電話を切った横村は練炭を焚いた車に亜希子とともに乗り込むが、翌朝車から発見された遺体は横村一人だけ。亜希子は転職し、弁当工場で働き始める・・・。
第5回【愛なのか、金なのか】5年前、夫と長男を亡くした女に向島は同情し、すぐに保険金を支払った。すると今度は次男の敦史が腹痛を訴え入院、向島は入院給付金をせがまれる。ところが調べで、腹痛の原因は女が飲ませていたスープに洗剤が混入されていたことだとわかる。女は悪い男に金を貢いでいて、結局警察に逮捕され請求された金は払わないことになるが、次男に障害が残ってしまった。「自分がきちんと調べていればこんなことにはならなかった。」そんな過去を抱えた向島は、自分宛てに来た一通の
手紙が、横村からのものであることに気付く。腐れ縁で一緒に良き日々を過ごしたことに感謝する内容に向島は涙するが、手紙には「最期に一緒に逝ってくれる人を見つけた」と書かれていた。
「欲しいのは愛なのか、それとも金なのか」亜希子につめよる。
第6回【保険が殺した愛】亜希子は、一緒に心中しようとした時、横村が「お前だけは生きろ」と突き放したからそうなったのだと説明する。
向島が完全に亜希子にろう絡されてしまったと判断した如月(松重豊)は、亜希子を廃工場に呼び出し保険金請求を取り下げるよう迫る。ところが、
一瞬の隙を見て亜希子は近くにあった鉄パイプで衝動的に如月を殴ってしまう。息子と二人、夜行バスで故郷の新潟に逃げる亜希子。病院に運ばれた如月から「新潟」の言葉を聞いた向島も、亜希子を追って―。
ここまでが、各話の案件と平行して描かれる、謎の女。亜希子役の高島礼子さんがスゴイです!
殆どノーメイク、時には乾いた老けメイクでめちゃくちゃ怖いです!
弱さと狡さ、儚さと凶暴さを見事に出して、観る者を翻弄してきました。
先週には向島さえも取り込まれてしまい、如月が瀕死の状態に
果たして彼女は殺ったのか?殺ってないのか?!
----------------------------------------------------------今夜10時、いよいよ最終回。
最終回(第7回)【命の金】
子供をつれて故郷に逃げる佐々倉亜希子(高島礼子)。あとを追う向島(伊藤英明)は、新潟で彼女の悲しい過去を知ることに。一方、向島を心配する大野(中丸雄一)の意をくんで、一ノ瀬(田畑智子)はマスコミに内部情報をリーク。向島は亜希子にとって因縁の場所である佐渡に渡り、そこで再び亜希子と対峙する・・・。
1週遅れで(再放送)観ている私の友人のようなケースもあるかと思い、
ネタバレ最小限で
佐渡で向島が掴んだ事実は、悲惨な生い立ちと、保険金にまつわる裏切られた過去。
つまり、彼女が仕組んだ3つの保険金の名義書き換えは復讐だったのではないか、と向島は考える。
如月が警察に、一ノ瀬がマスコミにリークしたおかげで亜希子は逮捕されるが―
拘置所に面会に行った
向島に、亜希子は最後のお題を投げかける・・・。
これは第1回から、現実に記憶にある保険金の犯罪。大金を前にすると、本来の人間性とは
全く違う行為に走ってしまう普通の人々や、
企業のあるべき姿を踏み外し、糊塗し続けるモラル度外視の上層部とか、
肉親や配偶者が亡くなったというだけで、ある日突然大金(生命保険金)を手にすることが
果たしてその後、本当に「幸せ」に繋がるのか?とか、
様々な受取人を前に
悩める向島・伊藤英明クンの姿を通して、考えさせられるドラマで、
高島さんの鬼気迫る演技にも翻弄され(笑)とっても楽しめました
視聴率はまあまあと言う程度だったようですが、キッチリした隙のない脚本、
良質なドラマだったと思います