「生きろ」と、君が言った。
製作年度 2011年
上映時間 129分 映倫 PG12
原作 古谷実
脚本/監督 園子温
音楽 原田智英
出演 染谷将太/二階堂ふみ/渡辺哲/光石研/吹越満/渡辺真起子/神楽坂恵/でんでん/村上淳/窪塚洋介
15歳の孤独な少年、住田祐一の夢は、誰にも迷惑をかけずに生きる平凡な大人になること。そんな住田にクラスメイトの茶沢景子は好意を抱き、住田の実家である貸しボート屋を手伝うなど積極的にアプローチする。それを疎ましく思いながらも、少しずつ心を解きほぐしていく住田。ところが、借金をつくって蒸発していた父親が戻ってきたことで、住田の運命は大きく狂い始める。
数少ない、今月の観たい作品の1本だったので、主演の二人がヴェネチア国際映画祭のマルチェロ・マストロヤンニ賞(最優秀新人賞)を受賞したニュース記事を見たぐらいで、
これは予告も観ずに殆ど情報を持たずに観てきました。
まずこのタイトルのヒミズって何?ですが、これは結構早い段階で明かされます。
観終わってみればナルホドのタイトルなんですね。
園子温監督が古谷実の同名コミックスを、舞台背景を東日本大震災後に設定して映画化した衝撃と感動の思春期ドラマ―
という事で、3.11の震災があり、大幅に設定が変えられたというのも帰ってきて知りました。
家庭を顧みない好色な母親と、酒びたりでヤバイところから借金をして逃げているばかりか、我が子に
保険金の為に死んでくれとまで言うクソな父親。
そんな家庭に育ちながらも平凡な幸せ、平凡な人生を夢見ていたのに、
そんなささやかな夢も許されなかったまだ中学生の住田―。
そんな住田にストーカーのように付きまとう茶沢の一方的な愛情は、
自身も経済的に破綻をきたした家庭にあり、母親から精神的DVを受けていたことから逃れるためだったようにもみえる。
それは少女らしい憧れを一気に純愛に変えていったのではないかと感じたのだけれど、
この茶沢の家庭での演出はちょっと過剰というか、あり得ない。
被災して全てを失ったという夜野(渡辺哲)の喪失感の象徴も被災地の映像が使用されていたり
住田が地獄の現実に打ちのめされる時、実際の被災地の映像が使われ、
瓦礫の中を彷徨う姿は、彼の心が壊れた様を印象付けるものでしょうが、
彼を取り巻く、被災してテント暮らしの人たちがリアルじゃない為成功しているとはいい難く、
むしろこの「震災」を中途半端にリンクさせているとしかみえないところが残念です。
普通の家庭環境で生きていければ「普通」に大人になれ「平凡」な人生を送れたハズ・・・
という、その「普通」や「平凡な人生」が、
思いもよらない「震災」で、多くの人が「普通」に暮らせなくなってしまった。
予告なく・・―あっけなく崩れ去る「普通」―
決して多くを望んだわけではないヒトの、普通で居られない日々。
「普通でなくなっても、りっぱなオトナになりたい」住田の青春は、痛みに満ちていて――
そんな住田のそばに居て、彼の人生の伴走をする、したい、茶沢はうざく温かい。。
演出や設定に違和感アリアリなのに、気づくと泪が出ていたり・・・
そんな激しい世界でしたが、安易なラストでないところはよかったです。
染谷くんと二階堂ふみさんに拍手を送りたいですね
おまけ
・オマケって、メインより楽しみが詰まってたりするよ、住田くん
・壁いっぱいの住田語録は、おばさんの中にもあったよ!茶沢はエライ
>むしろこの「震災」を中途半端にリンクさせているとしかみえないところが残念
そうそう、もともと原作あるなかに
なんか感動と感情移入盛り込ませるために
挿入したって後付け感がちょっと嫌です。
とにかく主演の住田くん演じた彼が良くて、
今後も注目したいです♪
弟の作品「Sirokuma」主演の芹澤さんと次回作で共演なので楽しみです~。
監督の意図するところも上手く伝わってるとは言い難い挿入の仕方だったよね。
主演の染谷将太クン、以前SPドラマ「塀の中の中学校」でも
切れ味のいい演技で、注目してました。いいよね!
弟さんの作品関係者と共演?
それは楽しみですね興味あるわ