to Heart

~その時がくるまでのひとりごと

ベンジャミン・バトン 数奇な人生

2009-02-10 23:55:50 | the cinema (ハ行)
一瞬、一瞬を、大切に生きていますか――?
全ての出逢いを、胸に刻んでいますか――?

原題 THE CURIOUS CASE OF BENJAMIN BUTTON
製作年度 2008年
上映時間 167分
原作 F・スコット・フィッツジェラルド
脚本 エリック・ロス
監督 デヴィッド・フィンチャー
音楽 アレクサンドル・デスプラ
出演 ブラッド・ピット/ケイト・ブランシェット/ティルダ・スウィントン/ジェイソン・フレミング/イライアス・コティーズ/ジュリア・オーモンド

『グレート・ギャツビー』で知られる小説家F・スコット・フィッツジェラルドが1920年代に著わした短編を基に、80歳の老体で生まれ、年を取るごとに若返っていく男の波瀾に富んだ人生の旅路が、激動のアメリカ現代史を背景に、最新のCG技術を駆使した驚異の映像で描かれてゆく。

80代の男性として誕生し、そこから徐々に若返っていく運命のもとに生まれた男ベンジャミン・バトン(ブラッド・ピット)。時間の流れを止められず、誰とも違う数奇な人生を歩まなくてはならない彼は、愛する人との出会いと別れを経験し、人生の喜びや死の悲しみを知りながら、時間を刻んでいくが……。(シネマトゥデイ)

第一次世界大戦末期の1918年、ニューオーリンズ。ある一組の夫婦の間に男の子が産まれる。
母親の命と引き換えに生まれたその赤ん坊は80歳の老人と見まがうほど奇異な容貌をしていた。
男はパニック状態に陥り、老人養護施設に置き去りにしてしまう。

神は時に残酷であり、
時に粋な計らいをする。

施設を営んでいた黒人女性クイニーは子供が産めない身体だった。そこに捨てられた赤ちゃん。
彼女は神からのプレゼントだと喜び、ベンジャミンと名付け愛情を注ぐ・・奇跡の出逢い。
そして、見た目は70代の、少年の日、5歳の少女デイジーと出会う。
それは彼の数奇な人生のなかで、かけがえのない存在となる人との運命の出逢い

身体は衰弱のため車椅子でも、こころはまだホンの子供だった時から、
徐々に体力が付き、行動半径が広がり、見た目は老人ながら大人の世界に入っていき
様々な出逢いをする中で、ただ一人、養母クイニーだけは彼を子供として扱う。

彼を驚愕に任せて捨てた実の父、しかしその場所が老人の介護施設であったことが、
何よりも幸運だったと思う。
そこで彼の人生の素晴らしい出逢いが展開され、スタートするのだから。

彼に働くことの意味を教えてくれた船長との出逢いがあり、
やがて数度にわたって彼を訪ねるバトン氏、
初めて、彼に愛し愛される事を教えてくれたエリザベス・アボットとの出逢いも船乗りなればこそ。
行き交う人々との繋がりを心に刻みながら、
しかし時を翔けながら、彼は若返っていき、人々は老いる―。

          

人生の折り返し地点でホームに帰ってきた2人・・・、
そして時がすれ違っていくのを知っているふたり―。
精神年齢は変わらないのにここを過ぎれば、次第に遠くなっていくのが解っている。
切なく残酷な、未来。
しかし、泣きそうでも、笑って迎えなくちゃいけない・・・



淡々とした中に、従順に、人との出逢いと別れを受け入れるベンジャミンと、
子供の時から"特別"な彼に、直感で運命を感じたデイジーの純粋な愛が描かれて、
素敵な作品でした。

脚本が「フォレスト・ガンプ」のエリック・ロスということで、
旅立ってから主人公が出会う人々の関わりやエピソードの見せ方などに類似点があるし、
観賞後の印象も似ているけど、(しかも確かあれも2時間越えだったし)
「生きる」という事、そのシンプルなテーマが心に迫る作品でした

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26 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ボーさん♪ (kira)
2009-02-28 20:07:56
そうそう、昔のレッドフョードは美しかったですよね~。
どことなくブラピは似ている気がしますが、
こうして同じ作家の作品というのも不思議な気がしますね。

リンクして下さったのですね、恐縮です~コチラは完了しています。
これからも宜しくお願いします♪
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こんばんはっ (ボー)
2009-02-28 01:51:29
そうですか、「ギャツビー」の原作者なんですね。
あの映画はロバート・レッドフォード、今作はブラピ。偶然か、似たような感じの俳優になりましたね。
船乗りなのも、人生は航海だ、を地で行ったかのような…?
いい映画でした。
ところで、我が家でリンクさせていただいて、いいですか?(しちゃってますけど。だめなら消します…)
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Anyさん~* (kira)
2009-02-22 10:52:14
こんにちは!
お返事が遅くなってごめんなさい

>私も『フォレストガンプ』は好きな映画だし
>本作と脳内リンクしちゃった部分も。
やっぱりそうですか~?
私はそう思うたびに少し冷めた部分があったのですが
やはり、ホームで再会した時は待った甲斐があったと思いましたよ

もうね、あの家・ホームの存在はベンジャミンにとって
最大のラッキー、あそこがあったからいつも大切なものに出逢えた、
そう思いますね
ブラピも素敵でしたが、ケイトにいつもやられてしまうわ
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zooeyさん* (kira)
2009-02-21 01:33:27
こんばんは!
zooeyさん、かなり満足されたのですね♪

>一人の男の人生にアメリカの近代史を織り交ぜるという手法は「フォレストガンプ」と共通していました
そうですよね。
これは別にリメイクという訳ではないのに、途中の1時間あまりが
余りにも「ガンプ」を彷彿とさせる展開でしたので、
先に観た作品の印象が強い分、コチラはリメイクを見た時のように感じてしまったのでした。

とはいえ、すれ違う人生の輝く一瞬が切ない
素敵な純愛が胸を打つ作品でした。良かったです♪
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kiraさ~ん! (Any)
2009-02-20 10:02:38
kiraさん、こんにちは~♪
ベンジャミンにとって、クイニーとデイジーは
まさに、奇跡と運命の出会いでしたね。
1人の男の生涯が淡々と丁寧に描かれていたと思います。
私も『フォレストガンプ』は好きな映画だし
本作と脳内リンクしちゃった部分も。
でもどちらが好きかと訊かれたら・・・
優柔不断なので答えられません!(笑)
ブラッドファンには、若返りシーンがたまらなかったわぁ
中年までが長かったーー
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こんにちは (zooey)
2009-02-19 16:42:51
私は結構感動しました。
3時間があっという間でした。

一人の男の人生にアメリカの近代史を織り交ぜるという手法は「フォレストガンプ」と共通していましたが、あちらが「陽」だとすると、こちらは「陰」という感じを受けました。

原作が気になって読んでみましたが
あまりの違いに驚きました。
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あんさん♪ (kira)
2009-02-18 12:43:25
そうですよね~。
だって周りが子供ばかりの孤児院とかだったら
もっと悲しい子供時代だったかも。
あそこで出逢った母と呼べる人と、初恋が、
彼の人生を豊かにしたのだという気がします~
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こんばんは♪ (あん)
2009-02-16 23:48:14
確かに!捨てられた場所が老人の介護施設であったことが、何よりも幸運だったですね。

>悲しいハッピーエンドってあるのよね~
本当にそうですね~。
過酷な人生だったけど、ベンジャミンは幸せだったと思います。
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オリーブリーさん* (kira)
2009-02-16 15:22:07
時は誰に対しても残酷で容赦ないけど、
やはりその時々を愛しみ、記憶に刻む、
その積み重ねの中に素晴らしい日々があったのですよね~。
悲しいハッピーエンドってあるのよね~
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こんばんは (オリーブリー)
2009-02-16 01:34:52
時の流れと人との出会いって、人生で大切なものですね。
ずっと(逆行)平行線の二人が、40代でクロスした時はほんの短い間でも幸せそうだったわ~純粋で素敵な恋でした。

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姫さん♪ (kira)
2009-02-15 21:08:26
こんばんは!
お越しくださり有難うございます♪
そうですよね。明日は必ず来ると思っている。
でも、同じ時間はホントは2度と来ない。
当たり前のことなのに忘れて、昨日の続きを生きてるかも、、
時々こうして喝を入れられますね~
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Unknown ()
2009-02-14 02:39:09
こんばんわ。
昨日観てきました。
一瞬一瞬を大切に生きなくては.+゜*。:゜+.+゜*。:゜+と思いました。
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由香さん* (kira)
2009-02-14 00:49:37
この2人は本当に
別々の長~い旅路をお互いに照らしあって
交わったのはホンの短い時間。。
悲しいけれど、あの幼い日の出逢いが
あの場所であったこと、が幸せなことでしたよね。

>一緒に暮らしている時なんか美しくて溜息が出ました
私はもう先走って泣いていました~
アカデミー賞・・・どぅなんでしょうかね~日本未公開作品が気になりますね。
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こんばんは~♪ (由香)
2009-02-13 23:58:01
お邪魔します♪
いい映画でしたよね~
それ程盛り上がりはありませんでしたが、最初から最後まで惹きこまれて、ずっと胸にジンワリと迫るものがありました。
ブラピとケイトはお似合いでしたね~
一緒に暮らしている時なんか美しくて溜息が出ました。

もうすぐアカデミー賞ですが、沢山受賞してもらいたいです!
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こべにさん* (kira)
2009-02-12 15:10:36
実は冒頭からのデイジーがケイトだとは、終盤まで解らなかったんです
凄いですよね~!
十代を演じた時のCGも見事でしたが、ケイトはその表情も秀逸です~
ベンジャミンが子供の親になるのを諦める辺りからポロポロでした
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たいむさん* (kira)
2009-02-12 15:03:49
時代をなぞったエピソードがちょっとドラマしてましたが、
精神と肉体の成長が逆行する―これが最大のサスペンスで、ドラマティックな生涯でしたね。
3時間近い間、ずっと引き込まれていました
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SOARさん* (kira)
2009-02-12 14:58:41
そうですね、、。
若返りを喜べる時期は短く、
身体的には小児化していき、幼児化することへの恐怖が
観てる側の悲しみになりますよね。
あの日記の存在は大きかったですね。
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にゃむばななさん* (kira)
2009-02-12 14:52:24
>『フォレスト・ガンプ一期一会』より大人向けな感じで、好きです
おお、そうですか~?
大人向けといわれれば、主人公のタイプ・キャラ的なものが
印象を左右すると思いますね。
ラブに視点を当てると、コチラは切ない終わり方でした
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こんばんはー☆ (こべに)
2009-02-11 21:46:43
kiraさん!こんばんはー☆
時間の長さもカンジさせないし退屈に思うこともなかったですね!
特殊メイクやCGはすごいですね。
ケイトの美しさには驚きでした☆
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淡々と (たいむ)
2009-02-11 19:35:06
数奇なのだけど、一生はシンプル。
波乱万丈に飛んでいるわけじゃないけれど、ひきこまれてしまうベンジャミンにお話でしたね。

いろいろな意味で素敵でした♪
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miyuさん♪ (kira)
2009-02-11 19:11:03
>本当に出会いが大事なんだなぁ
そうですね、そして、その出逢いを紡いでいくことでしょうね♪
あの船長は、ガンプのあの船長~とか、
心通わせた女性が後に成功したニュースを見るとかも、、
そうそう、羽の代わりにハチドリ
やっぱ、アカデミー好み風??
アチラの方が子供が小さかった分、泣けたのよね~
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migさん♪ (kira)
2009-02-11 18:47:45
>人生って長いようで短い、「フォレストガンプ」に通じるテーマ
うん。
もう、チョットね、「焼き直しかいっ」って感じないでもなかった
原作の奇抜なアイディアと、
巧みなCG技術と、
メインキャストに随分助けられた内容だったですね~。

これでブラピがアカデミー賞だったら、やっぱアレだよね?
殆どCGによる合成だし、、ねぇ。

とはいえ、ブラピもケイトも特殊メイクは大変だったでしょうね!
もう、ケイトってば、素敵過ぎ~
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TBありがとうございました♪ (SOAR)
2009-02-11 16:00:38
常識に逆らい若返っていく男と当たり前に老いていく女。それぞれの生きる時間が近付き、重なり、そして離れていくというニュアンスがとても新鮮に感じました。
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人生 (にゃむばなな)
2009-02-11 15:21:26
人生の素晴らしさ。
幸せなことも少しビターなことも丁寧に描かれた映画だったと思います。
個人的には『フォレスト・ガンプ一期一会』より大人向けな感じで、好きです。
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人生って (miyu)
2009-02-11 14:28:17
本当に出会いが大事なんだなぁ~と
改めて思いましたね。
自分だってたくさんのかけがえのない出会いを
しているんだろうけど、
それを見逃してしまってるのはもったいないんだよな
と改めて思わせてくれる映画でしたね。
やっぱりそんな感じもガンプを思い出しましたけどね~。
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kiraさん★ (mig)
2009-02-11 09:48:36
おはよ~

デイジーとはまさに運命の出会い、運命の女性でしたね!

人生って長いようで短い、「フォレストガンプ」に通じるテーマもあって
なかなか素敵な映画でした
アカデミー賞とるくらいか??と考えたらどうかなー?って思うケド。

>その場所が老人の介護施設であったことが、
何よりも幸運だったと思う。

ほんと私もそう思いました~、だってそうじゃなかったらイジメとかにあっちゃいそう。
設定がうまかった
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