原題 LION
製作国 オーストラリア
上映時間 119分
原作 サルー・ブライアリー『25年目の「ただいま」』(静山社刊)
脚本 ルーク・デイヴィス
監督 ガース・デイヴィス
出演 デヴ・パテル/サニー・パワール/ルーニー・マーラ/デヴィッド・ウェンハム/ニコール・キッドマン/アビシェーク・バラト/ディヴィアン・ラドワ/プリヤンカ・ボース/ディープティ・ナヴァル
迷った距離1万キロ、
探した時間25年、
道案内はGoogle Earth―
オーストラリアで幸せに暮らす青年サルー。しかし、彼には隠された驚愕の過去があった。インドで生まれた彼は5歳の時に迷子になり、以来、家族と生き別れたままオーストラリアへ養子にだされたのだ。成人し、自分が幸せな生活を送れば送るほど募る、インドの家族への想い。人生を取り戻し未来への一歩を踏み出すため、そして母と兄に、あの日言えなかった〝ただいま″を伝えるため、彼は遂に決意する。「家を探し出す―」と。
2012年のこのニュースを、恥ずかしながら私は知りませんでした。
なので、
ある意味、とても期待をもってサルーとともに25年目のただいま~の瞬間を待ちました。
わずか5歳で迷子になり、言葉も通じない異国を彷徨い、
オーストラリアで全く新しい、、餓えない生活をスタートさせる・・・
貧しいながら、大好きな兄の背中を追って、母の役に立ちたかったあの日のサルー。。。
無理とわかっていてもおねだりせずにいられなかった赤い焼き菓子、、
その弟を諦めさせる兄の心を映した一瞬…―
少年期のサルーとグドゥを演じた二人は、キャスティングスタッフが発掘したというけど
リアルで臨場感を伝えてくる、目の演技が素晴らしい。
この少年期のシーンで先ず心を掴まれました。
オーストラリアでサルーに安息の家庭を与える優しい両親。
しかし、それは、、物心ついた少年を迎えるという事によって、
子育ての幸せと、難しさも与えられることとなる。。。
この辺りは、成人して募る、
インドで貧しい生活を送っている兄や母に、申し訳ない想いのサルーと、
養子であっても自分の家族である息子二人が、離れてしまっている事を嘆く
スーとジョンに同情してしまうのだが、、サルーの心情にも共感。。。
今でも鮮明な5歳時の記憶と共に、Google Earthに導かれ、サルーの旅は続きます。
エンドロールのところで実際の画像が流れますが、それとともに
悲しい事実も知ることになる。。タイトルの、LION――
そしてまた、
インドでは、今でも年間8万人もの迷子がいるという現実に驚愕です。
しかしすごい現実でしたよね。
ラストに衝撃的で、8万人って本当にびっくりしました。
サルーも家族もみんな幸せになってほしいって思いました。
インドは映画製作世界一ということですが、
まだまだ私たちはインドが舞台だと、驚かされること多いデスよね~
前半の様々なシーンで、彼の本能というか、生きる力にも感心することしきりでした!
インド国内で、あんなに移動しちゃったら、そりゃあ迷子のままでしょう…。
自分の力と幸運、善意、みんなあわさって、こんなこともあるんだなと、気持ちがあったかくなります。
インドとか中国とか、、生き別れになると
ほぼ絶望的じゃないですか~!
生き延びただけでなく、運が彼の味方をしてくれていましたよね?
少年時代の彼の演技に心を掴まれて、ただひたすら再会の時を待っていたので
お兄さんの件は、、予感はありましたが残念でした