不確定要素は、次期トランプ大統領の和平調停がどうなるかです。
しかし政権移行が近くなって、大分その準備が進められていると思います。当然、トランプ氏やスタッフにアメリカ政府やアメリカ軍の重要機密も伝達が始まっていると思います。
トランプ氏の姿勢が急に変化しました。それまでは、すぐに和平調停を始めるつもりだったと思います。
ウクライナ特使が、1月10日前後にはウクライナを訪問する予定でした。突然、この予定がキャンセルされ大統領就任後に延期されました。
同時にトランプ氏は、和平成立の目途を変更しました。
これまでは、「出来るだけ早く」と言っていました。それが「6か月は時間が欲しい」と言う表現に変わりました。
そう簡単には話が纏まらないことに気が付いて、修正したのでしょうね。
短期的な解決は止めて、中期的な姿勢で問題解決に臨むと言うことであろうと思います。
何しろバイデンさんが、「飛ぶ鳥・あとを」思いっきり!かき乱しました。
ほんと!クセの悪い爺さんだと思います。(おまけに認知症の疑いもあります、最近一層ひどいですね・・)
止める前にやりたい放題・言いたい放題です。
しまいには、「自分が大統領候補ならトランプに勝てた!」と言い出しました。
ほとんど「病気の世界」です。本当にトランプが大統領に当選して世界のために良かったと思います。
ハリスだったら、もう一つ戦争が起きていたかもしれません。
と言う話は、止めにして
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最短でも、あと半年程度は戦争が継続すると思います。
ロシア軍には、それだけの時間があります。それ以上のケースも当然あり得ます。
現在の戦況は、ドネツク州中部と南部はやがてロシア軍が全域を制圧すると思います。
クラホベ陥落、ヴェリカ・ノボルシカ三方向包囲が完成して仕上げ段階。トレツクは、ほぼ陥落。
もう、このエリアで残っているのは、ポクロウシクとデイミトロフの要塞だけになりました。
ロシア軍が行く方向は、2つあります。ドネツク州北部方面。西のドニプロペトロウシク州方面。
単に進撃のしやすさを言えば、西のドニプロ州の方が遥かに簡単です。面積も広いですしね。こっちに行くのではないか・と言う予測も当然あります。
しかし、ロシアは4州併合を宣言しています。4州の中で一番占領地の少ないのはドネツク州です。やはり、ドネツク州の全域占領を優先すると思います。そうなるとロシア軍の進撃方向は、北になります。
もう一つ大きな要素は、この軍事作戦はロシアにとって安全の確保です。ロシア領の安全を第一に考えるならロシア国境から近い方を優先するでしょう。これを考えてもロシア軍の次の進撃方向は、北ではないかと思います。
更に言うなら、ロシアにとって危険なのは「ハルキウ州」と「スームイ州」です。
ハルキウ州の隣のロシアのベルゴロド州は、2022年から越境攻撃を受けてきました。ハルキウ州北部と東部は、優先的な制圧目標でしょうね。
現在、クルスク州で戦闘が行われています。ここもウクライナ領のスームイ州に緩衝地帯を確保したいと考えていると思います。
戦争が長引く場合に備えて首都キエフへの進撃路も確保したいでしょう。
チェルニヒウ州です。ロシア領から見て幹線道路のE-101が、真っすぐキエフまで通じています。ここも、ある程度確保したいでしょう。
ウクライナ軍が軽率にクルスク州を荒らしてしまったために、ロシア軍はスームイ州とチェルニヒウ州に緩衝地帯を確保しようとするかもしれません。特にスームイ州は、クルスクのウクライナ軍を追い出した後、半ば自動的に進撃すると思います。随分、ここからロシア領にミサイルやドローンを撃ち込みました。
このように北部のロシア領に近い州が、優先的な目標になると思います。
その次が、ザポリージャ州とヘルソン州でしょうね。ヘルソン州はザポリージャ州より優先度が低いと思います。ザポリージャ市を制圧した後でしょうね。ロシア軍の現在位置からザポリージャ市までは直線距離で最短20km少々です。
今、南ドネツク(ヴェリカ・ノボルシカ)を攻撃しているロシア軍の一部は、西に向かうと思います。
まずは、北部ドネツクのコンスタンチノフカ、クラマトルクス、スラビャンスク方面が、最優先目標ではないか・と思います。この要塞都市を制圧すれば、北部ドネツクはロシア軍が全域支配するでしょう。
一番北のリマンの方で、最近ロシア軍が怪しい動きを始めています。トレツクが陥落すれば、北に10kmほど進撃するとコンスタンチノフカの南の端に行きつきます。コンスタンチノフカを守るなら、トレツクは絶対に落としてはならない南の砦でしたが、キエフ政府は、ろくに援軍も送らず見殺しにしました。
どこまで、この政府はバカなのか!と思います。
★更にウクライナの継戦能力の問題があります。戦争を継続したい立場の人は、長引けばロシア経済が変調になる・と言う主張をします。だからウクライナを支援して戦争を継続するべきだ・と主張します。しかし、これは一部の希望的観測にすぎません。例えば仮に2026年も戦争が継続するとしてもロシアが経済的に破綻する可能性は少ないと思います。そう主張する学者もいます。西側の希望的観測が外れ続けてきたことを考えると戦争継続派の主張は、希望にすぎないでしょう。
ともあれウクライナの継戦能力です。今の風潮では、これを言うのは難しいと思います。反主流派の国際政治学者の見通しは、以前日記に書きました。それによると6~7か月。夏を過ぎると難しいのではないか・と言う見解でした。
今年に入ってからのキエフ政府のドタバタぶりを見ていると、相当ウクライナ軍の内部状況は悪化しているのではないか・と思えます。これまでロシア軍が突破できなかったり、進撃できなかったエリアでのロシア軍の進撃が目立つからです。これはウクライナ側の兵力や兵器の不足が一段と悪化している可能性を暗示しています。
だから夏場すぎては、どうか❓と言う見通しは、現状を見る限り根拠のないものではありません。
特に表面的に胡麻化しているのが、ウクライナ軍の死傷者数です。ここに大きな誤魔化しがあれば、ウクライナ軍の極端な兵力不足は説明が着きます。
常識的に考えてウクライナ軍の死傷者数がロシア軍より少ないのは考えられません。
そしてロシア国防省の発表しているウクライナ軍の死傷者数は、キエフ政府の主張より遥かに多いです。ロシアの主張の半分程度の消耗だと言っています。キエフ政府の自軍の死傷者数を2倍にすれば、ある程度実数に近くなると思います。
そして戦争が長引くほど、この死傷者数の差は拡大していきます。ウクライナ軍の方が加速度的に増えていくのは、過去の戦争の研究が示すところです。
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【ランチェスターの法則】
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%81%E3%82%A7%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%81%AE%E6%B3%95%E5%89%87
かなり専門的で難しいですが、ごく簡単に言うと・・・
「近代的な戦闘では古典的な戦闘と比べ、人数が多い方の軍隊が大幅に有利になる」
今、兵士と武器の数で圧倒的に劣っているウクライナ軍は、この状況に陥っている可能性があります。
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トランプ氏の「6か月は欲しい」と言うのは、その頃にはウクライナ軍の継戦能力が減少して、停戦に応じるほかなくなる事を見越して発言しているのかもしれません。その方が簡単です。交渉の必要はなく、ウクライナが事実上の降伏をするからです。
個人的な見解は、これが一番ありそうなケースだと思います。
※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑦
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27