軍事訓練のために予備役招集、大統領令に署名 プーチン氏
2023.05.11 Thu posted at 12:37 JST
https://www.cnn.co.jp/world/35203637.html
危険なと言う意味は、ロシアにとってもウクライナにとってもです。
「ロシア軍の予備役は、最大200万人の特別戦闘部隊の予備役と、さらに人数の多い適格者の予備役からなり、ショイグ国防相によれば推計2500万人規模。」
去年の部分動員令では、足りず更に追加の兵力を集めようと言うことだと思います。
ウクライナの方は、それほど困りません。仮に50万人集めてもそれに訓練を施し武器や装備を与えるのは、今のロシアには、困難だからです。送り込めば、単に人員だけを送り込むことになります。そうしたところで出来る戦術は、人海戦術の歩兵の突撃しかありません。今年の冬に見た通りで、ほぼウクライナ軍を後退させることは、出来ませんでした。人的犠牲は、冬の戦闘だけでかなり甚大であったと推測されます。
日露戦争の時代ですら、歩兵による人海戦術の突撃は、ほぼ効果がありませんでした。火砲による援護がなければ甚大な人的損失を重ねるだけです。
一方、ロシア側はどうか?
これまでロシア国民は、戦争を「ひとごと」と思っていたと思います。ロシア政府が、どこか遠いところで勝手にやっていることであり自分たちに無関係であれば、それで良いと言う傍観者の立場です。
しかし、部分動員令で約30万人強のロシア人が戦場に送り込まれました。このままなら新たに数十万人規模のロシア人が戦場に送り込まれるでしょう。
もう、ロシア人にとっても戦争は「ひとごと」ではなくなりました。現実に戦死者は、棺桶に入って故郷に送り返されます。ロシア各地で数万の葬式が行われたでしょう。戦場で負傷して故郷に送り返されたロシア人は、10万人を超えると思います。
そして部分動員令や国外に逃亡したロシア人の数を合計したなら100万人は、いると思います。ここに更に同じくらいの人数が、もし動員されるとするならば?
ロシア経済における労働者が、その分減ることになります。ただでさえ乏しいロシア経済の生産力は、その分大きく減少することになります。行政サービス、医療、様々な分野に及びます。
ロシア政府は、侵略戦争を独ソ戦と同じ祖国防衛戦争にすり替えてロシア国民を侵略戦争に動員しています。
そして西側からは強力な経済制裁が科せられて、更にそれを強められます。北朝鮮とイラン以外にロシアを支援する国は、ないでしょう。
ロシア経済は統制経済になりロシア国民に対する締め付けは、更に厳しくなると思います。行きつく先は、ロシアの北朝鮮化です。
曲がりなりにも多少の自由主義と民主主義のあったロシア国民は、それに耐えられるのかどうか?
ロシアと北朝鮮の大きな違いは、2022年の前までロシアが西側とかなり密接な関係にあったことです。ほとんどのロシア国民が西側社会を知っています。
ロシア国民がロシアの北朝鮮化を受け入れるのかどうか?の問題でしょう。それが嫌なら、もう行動を起こすしかありません。ロシア国民は、どうするのか?