6月11日は、大阪府寝屋川市香里園にある"八木邸"の見学会に参加させて頂きました。
八木邸は昭和5年(1930)に建築家・藤井甲ニ、大工の酒徳金之助の協働により建てられた木造二階建て住宅です。
藤井厚二は平成25年(2013)に天皇・皇后両陛下が訪問された大山崎町にある"聴竹居(2019年に重文指定)"の設計者でもあります。
毎月第二日曜日に、事前予約制で見学する事が出来ます。(ほとんどの月が抽選になりますが、、)
八木邸倶楽部の方が熱心に説明して下さいます。
施主は大阪で棉花や綿糸、絹織物業の商売をしていた八木市造。
多くの客人を招待できるように、行き届いた設計がなされ藤井が設計した調度品が多く残っています。
撮影は事前の申請で許可されますが、現在も八木家の所有で内部の写真の投稿はNGです。
掲載の写真は"八木邸倶楽部HP"から転載させて頂きました。
食堂。
大家族だった八木家に合わせて食卓の両端が延長される工夫がなされています。
調理場で作られた料理は食堂との間にある小窓越しに提供されます。
今で言う"オープンキッチン"のはしりです。
応接室の中央に置かれた麻雀台。
客人をもてなす部屋だけに最も凝った部屋になっています。
麻雀台兼テーブルも藤井の設計で、四隅には"点棒"を収納すれ引き出しが外観からはわからないように備えられています。
応接室の隅に置かれた"謎"の電気製品。
ガイドの方の説明で暖房器具兼湯沸かし、加湿器だそうです。
外観にも日本家屋の古き良き時代を感じますが、部屋には"通気口"や"小上がり"など日本の蒸し暑い夏を如何に快適に過ごすかを考えられた住宅です。
主屋の裏には馬小屋が残されています。


主屋の裏にタオル掛けも残されています。
至る所に藤井厚ニのデザインへのこだわりを感じる事が出来きます。
よくぞ、85年以上も維持されて来たものです。
八木家の皆さまに感謝しかないですね。
平成25年(2013)には天皇・皇后両陛下(当時)が同じ藤井厚ニ設計の「聴竹居」を視察されました。
美智子皇后陛下の強いご希望だったそうです。