9月25日の午後は京都府宇治市にある中村藤吉本店での「茶臼での挽き茶と薄茶で気軽に楽しむ四季折々の茶道体験」に参加しました。























JR宇治駅前にある郵便ポストも茶壺になっています。




茶の種を栄西禅師から伝えられた栂ノ尾高山寺の僧、明恵上人(みょうえしょうにん)が、より良い産地を探すうち、ここ宇治に辿り着いたのだといいます。
宇治は文字通り、宇治茶のふるさとです。




室町時代には宇治川から立ち上る朝霧が茶の栽培にふさわしいと、足利義満が茶園を作るように命じて以来、宇治は最高級日本茶の産地として現在に至っています。
(かっては七名園が存在しましたが都市化が進み現在では"奥ノ山茶園"のみが残っています。
そんな宇治の地で茶道体験が出来るとあってOtonamiの企画に参加した次第です。
募集は4名で1席ですが、参加者は私ひとり、、、申し訳ない気持ちを少し感じながら参加させて頂きました。




先ずは、通常非公開の部屋で「挽き茶体験」です。

茶臼の芯木には"梅の木"が、挽き手には"松の木"が使われ、さらに"竹筒"が持ち手になっています。
松竹梅の縁起がいい素材が使われているのですね。
昔から、松は長寿、竹は忍耐、梅は繁栄を象徴していると言われています。
この三つが茶臼に取り入れられているのは、道具としての実用性だけでなく、 使う人の心にも響く深い意味があり、茶臼を手に取り、茶葉を挽く間は、精神的な豊かさと充実感とが流れ込んでいると感じる瞬間でもあります。

以前に別の茶舗で体験した事はありますが、今回はひとり参加と言う事もあり長い時間体験する事が出来ました。
結構重たいです。
1分間に1回転くらいが丁度いいスピードだそうです。
抹茶に轢かれる前の碾茶(てんちゃ)も食べさせて頂きましたが、口の中いっぱいに芳醇な香りと旨みとが広がります。


その後、場所を移動し約150年前に三室戸から移築された歴史ある茶室「瑞松庵」で自分で挽いた抹茶で薄茶を頂きました。
瑞松庵は台目三畳丸畳の元禄時代の茶室で、解体修復時に裏千家の鵬雲斎(ほううんさい)大宗匠より贈られた扁額が掛けられています。


老舗茶商の中庭に佇む茶室と京都府指定名勝の庭園を望む和室で、非日常に身を置くひととき、、、
自身で茶臼を使って茶葉を挽き、挽きたての抹茶で点てた薄茶を味わえる贅沢な体験をさせて頂きました。

順序が逆になってしまいましたが、ここでは“汲み出し”と呼ばれる白湯をいただきます。
汲み出しには、喉を潤すだけではなく、その日のお茶にどのような水が使われるかを示す意味もあるそうです。


瑞松庵の中では写真は撮れないので、上二枚の写真は中村藤吉本店HPからお借りしました。
しかし、ここの茶房は大人気です。
日曜日の来店客が多い時にはなんと4時間待ちだそうです。
NHK大河ドライ「光る君へ」の舞台が宇治になって来ると更に多くの観光客が訪れる事でしょう!