美術の先生は考える

中学美術の授業の実践を中心に、美術について考えたイロイロを紹介できればと思います。

5年間の勤務を振り返る

2022-03-31 11:28:00 | 日記


新採用で24歳の時に赴任して3年間この学校に勤務しました。
その時は学校も「荒れ」の真っ最中。
大学を出たてで経験も少なく、授業経営や学級経営、生徒指導に追われ続け、ただただしんどくて、不登校になりそうな気持ちも経験しながら、なんとかヘトヘトで駆け抜けた3年間でした。
それに比べて今回の5年間は、勉強し、刺激されながら、これまでの経験も生かしつつ、追われるのではなく先を考えて生活・勤務することがでた実感があります。

前任校は学年1クラスの小規模校。
そこでは美術科教育に力を入れることに集中でき、自分史上最もよく考えて数々の実践を重ねることができました。
ある程度の自信も付けて赴任した大規模校。
正直、美術科教育においては、思うようにできないことがたくさんありました。
美術教師は2人、美術室も全く環境が違うものが2つ、生徒が多いから作品も多いし個性も様々。
じっくり美術科教育を考えている余裕もないたくさんの慣れない校務。
苦しいと感じる時期もありました。

それでもたくさんいる同僚と刺激し合ったり、励まし合ったり、ちょっとしたことも議論し合って、モチベーションを高く保ちながら、美術科教育だけではなく、学校経営について深く考える機会を得ることができました。
たくさんの生徒たちと接することで、多様な考え方に触れ、多様な対処を経験し、教師としてひとまわり大きく成長できたと思います。
保護者の方々もたくさん。その関わりの中で、自分の長・短所を再認識し、長所の生かし方や短所の補い方を学び成長できました。

大規模校だけあって、何でも本当に「たくさん」でした。

そんな中で、思い通りにいかないと感じていた美術科教育も、この規模・環境に合った実践の方法に辿り着けた実感を得ることができました。
自分本位になってはいけないなと。
「こうやらなきゃ駄目!」「こうあるべき!」「自分はこうじゃなきゃできない!」ではなく、その学校、環境、年、状況に合わせて柔軟に題材や年間計画、指導方法を改善しながら実践できる力が必要だと感じました。
中学校には9つの教科があるわけで、その教科にそれぞれの指導者が複数名ずついらして、それぞれの考えや主義、こだわりをもって勤務されています。
当然美術はその中の一つでしかないので、学校や生徒のことを考え、バランスよく美術を学ばせなければなりません。
そんなことを意識しながら、学校・生徒・教育活動全体のバランスや影響を考え、計画・指導することの必要性をよく考えて勤務することができたかなと思います。

前任校に比べて、熱く濃い美術科教育はできなかったかもしれません。
それでも満足感をもって離任できたことは、しっかりとした信念や考えの元に指導できた感覚があるからです。
前任校で熱く濃く頑張っておいたものが、しっかり核となって生きてくれました。
そういう意味で、この5年間の意義を強く感じます。

これをまた自信に変えて明日からの新任校でまたしっかり勤務します。
また思い通りにいかないことは当然あるでしょう。
それでも自分の核を信じて生かし、更に成長できるように頑張ろうと思います。

弘前一中。
5年間ありがとうございました!


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