美術の先生は考える

中学美術の授業の実践を中心に、美術について考えたイロイロを紹介できればと思います。

美術室の環境を考える

2018-12-28 18:58:18 | 日記
昨日部活の遠征で、秋田の真二朗先生が偶然本校体育館に来ていました。
前の晩ご一緒してたのに、うちに来るとは話してなかったぞ…。
というわけで、もちろん美術室見せて下さいの話になりまして、見てもらったわけです。いや…恥ずかしい。

本校は2つの美術室があり、ひとつはただの一般教室。水道もない狭い部屋です。
彼はわざわざ両方見てくれました。
いやーーー…恥ずかしい。

彼は多くを語らず去って行きましたが、まぁ仕方ないです。とても褒められた環境ではありませんので。

そこで、美術室の在り方を考えてしまいました。
ウェブ上でも光村図書出版さんのページから、お三方の先生の美術室が360度で見ることができるので、見たことはあります。
それぞれ素敵だなー!と思いつつも、自分には同じようにはできません。
それは以下の理由から。
❶複数の美術教師で運営している。
❷整備すべき美術室が2つある。
❸片付け・廃棄・補修だけでかなりの労力。
❹まず間違いなく長くは居られない。
❺誰が引き継いでも困らない環境へ。という観点。

たまに気持ちや時間に余裕がある時に少しずつ改装し、今ではたまに来た生徒に「すごい!メチャメチャ変わってる!」「綺麗になってる!」と言われるまでになった第一美術室。とにかく色んなものを捨てまくりましたから。間違いなくスッキリはしてきました。
理想にはまだまだ遠い環境ですが、もうひと方の先生に気遣いつつ、転勤時に私物だらけで苦しまず、捨てちゃってから「自分のモノがなくなってる!」と騒がれず…などなどに気をつけながら改装を続けていこうと思います。
整理整頓にカゴとか箱とか100均で買いたいのですが、長年居ることできる気がしないので二の足を踏んでます。

…しかし問題は第2美術室だな。
来年度入る新3年生は、環境の悪さに間違いなく愕然とします。こちらも工夫を続け、少しでもよい環境を目指したいと思います。
春休みの大仕事になりそうです。
来年度で本校3年目。まだ居ることができれば…ですが。

2学期の振り返り2018

2018-12-27 19:11:25 | 日記
久しぶりの投稿です。
長かった2学期がようやく終了しました。文化祭、職場体験学習、合唱コンクールなど多くの行事、予期できない生徒指導問題の対応、美術展準備…1ヶ月間違ってない?って思うほど長く感じました。
大規模校に来て2年目。良かったと思えるのは、良き同僚が増えたことで、他教科でも刺激し合い研鑽し合ったり、適度に息抜きができたこと。
ハードスケジュールも何とか乗り越えられました。

さて今学期の美術の授業の取り組みを、自分のまとめのためにも記しておきます。
今年度は3年生6クラス、2年生6クラス、1年生2クラスを担当。学年副主任として学級担任も担当したので、そこそこの授業数。
よって1年生は授業計画全般は今年から来た講師の先生にお願い。他者が計画した題材にあーだこーだ意見しながら、自分なりにその題材を再研究して実践するのは良い経験でした。自分的には新鮮。
印象派の画家の作品写真を見ながら、作風を真似てりんごの絵を描く題材は、再研究のしがいがありました。
自分で描いてみたらどうなるか?何に気づくか?どこで躓くか?初めて取り組む題材は参考作品制作が大事だなと今回も改めて気づきました。

ちなみにこんな感じ。誰の何の名画を見て、色・タッチを真似たか気づいてもらえるでしょうか?…わかりづらいですね。モネの睡蓮の池の前でりんごを食すイメージでした。
生徒たちは影の色に黒以外の色を使うことを新鮮に感じたり、りんごの色合いやヘタのつき方の表し方に苦戦したりしていました。

2年生。
以前から何度か実践してきた「日本を花で表す」題材。少しやり方を変え、自国の良さや特徴を見つめ直して表現するだけではなく、他者に“伝える”ことに重きを置く題材に。
オリンピックが近づき注目を集める日本。
外国人観光客が増加している日本。
今後は外国人の雇用も増加?
そんな訳で外国の人に日本をアピールしてみよう!と始めました。



最終的にはまとめてどこかに咲かせたいと考えてます。
生徒にも題材提示の際に話した通り、知り合いの市の職員に相談して場所と機会を探りたいと思います。

3年生。
…全然授業が巡って来ず。まったく計画通りに捗らず、過去最大の遅れが発生。冬の作品展に作品がほとんど出品できないのは初めてです。
これだけ計画通りにいかないことがあるなら、来年度は大幅に年間計画を見直そうと思います。…昨年度も慌ただしかったので、今年度も実は見直してスリム化したつもりだったのですが、年間35時間が満たされる気配はゼロ。
思い切った改善を考えねば。
さて、実践中の題材は、これまで身につけた技法や、知ってる材料、初めて使う材料の組み合わせを工夫しながら、卒業制作的に取り組ませている「これが私の歩く道」という題材。
まだまだ途中の段階ですが、生徒たちは新しい材料に興味津々。例年通りですが…。


パウダー、スポンジ、モスなどジオラマ系材料は土台に活用する子が多いです。綿もすごい人気。

ゲルメディウムも安定の人気ですね。



今年は家から材料を持参する子が多いのが特徴的。アルミホイル、布、プラモの部品、ビーズなどなど。

せっかく面白い発想を練ってまとめ、地道に制作してきた生徒が多いので、作品展の方は出品意欲をもって朝、昼休み、放課後を使って制作していた子たちの作品数点のみ出品し、他は3学期に引き続き制作させて、「卒業制作」「生涯最後になるかもしれない美術作品制作」としてやり切らせたいと思います。
…しかし残念。

さて年の瀬ですが、新年早々県の美術展、市の美術展が続けてやってきますので、そちらへの出品準備を進めつつ、3学期の授業準備も着々と進めておきたいと思います。
来年も頑張ります。

皆様もよいお年を。