美術の先生は考える

中学美術の授業の実践を中心に、美術について考えたイロイロを紹介できればと思います。

今年もりんごの木の枝で考える

2015-04-26 20:52:08 | 日記

 

雪深い園地で雪の重さに耐え、ぐにゃりと曲がったりんごの木の枝。

強い生命力が表れた美しい形だと思います。

今年もこれらの枝を主材料にした題材を考えようと思います。

 

春です。
日当たりの悪い本校のりんご農園からもようやく雪が消え、その雪解け水でゲチョゲチョだった地面もだいぶ乾いてきました。
農園担当を中心に農園作業の準備も本格的に始まっています。

さて、今日(4/25土)は午前が出校日。とってもいい天気だったので、午後から数名の同僚と園地へ枝切りに行きました。



写真ではわかりにくいのですが、プロたちが剪定してくれた枝がびっしりと地面を覆うように散らかっています。
これらを生徒たちに運ばせる前に、細かく切っておくのが今日の仕事です。
…こんな仕事がある学校ってすごいですよね(^_^;) といってもボランティアですが、まー嫌いな仕事じゃないですね。とってもとっても春を感じるので気持ちがいいんです。

さて、この仕事において近年美術の先生は、ただ枝を短く切るのではなく、かっこよくなるように切ることに力を注いでおります。

前述のとおり、この枝を『美術の授業で使うから』です。

せっかく学校農園を所有している特殊な本校ですから、そこで廃材になる剪定済みの枝は使わない手はないですからね。

 

授業の中で園地に出向き、実際に生徒本人に枝を選ばせたいのですが、園地まではけっこうな距離があり、徒歩で往復30分くらいかかります。授業時間がもったいない。

だから今年も考えはしましたがやめました。

よって美術の先生が選び、適度なサイズに切っておくことにしました。

このサイズ感はけっこう大事です。

一昨年初めてこれを材料にしたときは、枝のフォルムの美しさを優先し、切断することを躊躇してしまいました。

その結果、その枝のパワーを取り込みつつ作品にするというのがかなり高いハードルになってしまったのです。枝の生命力になかなか勝てず苦しむ生徒が続出でした。

 

3年目の経験を生かして今年もたくさんの枝をゲットしました。

あとはしばらくこれらを自然乾燥させて、夏の終わりころからでも3年生の彫刻作品に使わせたいと思います。


ぐにゃっと曲がった枝。



複数に枝分かれした枝。

これらがどんな作品の一部として生まれ変わるのか?

今年も生徒たちの想像力、発想、工夫に期待です。

 

 


新年度 美術の授業スタート

2015-04-12 18:30:31 | 日記

平成27年度、新年度が始まりました。月曜日が入学式、水曜からは授業が始まったこの1週間。

長い長い1週間でした…。

学級担任として迎えていた新年度はある程度慣れていましたが、教務主任としてのそれはまだ2年目で慣れるわけもなく…。

教育事務委託事業スタートや、多数の職員の転出入も影響し、やることの多さと煩雑さにただただ苦しい思いをしました。

こんなに苦しかった新年度は何年振りだろう?…いや初めてかもしれません。

 

オリエンテーション(ガイダンス)の授業に色々工夫をし始めた昨年。

今年度は気づけば自分の授業の準備が一番最後の仕事になってしまい、まともに準備ができませんでした。

悔しいなー…もっともっとバッチリ準備して、インパクトのある美術の授業との出会いを演出したかったな。中途半端でちょっとつまらない1時間にしてしまいました。本当に残念…。

これは来年度からのオリエンテーションに向けて、早めにプランを練って美術メモ帳に記しておこうと思う。

 

さて、新入生はもちろん初めて受ける僕の授業となりますが、今年度に限っては、2,3年生にも転入生がごっそり混ざっている特殊な状況です。

今までの『当たり前』や『暗黙の了解』が通用しないケースが多く出てくることが予測されました。

よってこの学校に来てからは7年目にして初めて『美術の授業の約束』『美術の授業の目標』を美術室に掲げることにしました。

↑これが目標。約束の方はなんだかちょっと恥ずかしいのでここには載せません。

…しかしこれすら印刷(A1サイズ)まではしたものの、掲示物を整理して貼りだすには至らず…。

 

机の改装も終わらなかったしなー…。

学校全体としては、なんとか無事にスタートを切り、順調に進み始めたように思えます。昨年度よりうまく回っている箇所もあり、職員間も明るい感じ。

でもまだまだ軌道に乗るまでには色々ありますね…。なんとか泥縄で乗り切ってる部分もある感はぬぐえません。これは致し方ないと思います。

引き継ぎが上手くいっておらず、保護者の方々から「なんで今年は…?」との声が上がってしまっている箇所もあるようですので、その辺にも気を付けながら長老として色々伝えていかねばと思います。

 

明日からまた新たな1週間が始まります。

美術の授業はスタートからコケてしまいましたが、取り返していこうと思う。

新入生に「図工あんまり好きじゃなかった人ー?」と聞いてみたところ、大多数の生徒が挙手をしました…。よーし!これ全部変えてやる!」と思わず言っちゃいましたが、そこそこ自信はある。

掲げた目標を自らも意識して授業展開し、美術の楽しさや意味深さを伝えていきたいと思う。