2016年初めての更新となりました。
…いつものことながら、ずいぶんと間が開いてしまいました。
さて、早速ですが本題です。
第29回となる青森県中学校選抜美術展が、今年は八戸市のポータルミュージアムはっちで開催中です。
1/14(木)が作品搬入・展示・審査会・懇親会でした。
八戸市は弘前からはけっこうな遠隔地。なかなか簡単には行き来しづらいので、今年は搬出はお任せです。
この選抜美術展に県の事務局という立場で関わるようになり2年目。
昨年は弘前開催、自分が主担当だったということもあり、余裕がないまま過ぎてしまいましたが、今年は気持ちに余裕もでき、見えていなかったものが見えてきたり、改めて考えることもありました。
…ですが、1/14当日はとにかく慌ただしく、気づけばあまり写真を撮れていませんでした。後で思い返してみたら、各フロアに分かれた展示室を全て見れていなかったことも判明…。
というわけで、作品展全体の紹介はあまりできませんが、自分の取り組みを中心に一部を紹介させていただきます。
今年の展示で最も工夫したのはこの『日本の花』の展示。
ひとつひとつは小ぶりの作品なので、ただ作品だけ置いて展示しても駄目だろうと。
せっかくの機会なのですから、見た人たちに「上手だな」以外の何かを感じてもらいたいわけです。
もともとこの題材は”集合体で展示することを前提にした”ものでしたから、展示のイメージはずっと前からある程度もっていました。しかし今回は初めて行く会場でしたし、搬出には出向けませんので、自分ではない誰か他の先生方が片づけをして搬出することまで考えて展示しなければならなかったので、なかなか難しいものとなりました。
本当は高低差のある立体的な土台を設置して、そこに花たちを置きたかったのですが今回は断念です。搬出まで責任をもつことができる地区の美術展で試みようと思います。
しかし、『題材のコンセプトを伝えること』・『作者の思い』を伝えることだけはしっかりやらねば!と思い、写真のようになりました。
他、僕が出品した絵画はこんな感じに。
今年度は絵画の題材の進行状況がよろしくない…。美術展に間に合って出品できる作品が少なかったため、思い切ってこれらのみ!
他の学校さんの上手で立派な、いかにも”絵画”という作品に混じって、ちょっと異色な空間に。(*他の展示室を見ていないので、確信はありません…)
一枚の黒い台紙の中で題材への取り組み・流れがいくらか伝わるような作品になったと思います。
さて、こちらは他地区の知り合いの先生の展示。
2年前の美術展で彼からこの題材を紹介してもらい、面白い題材だなーと印象に残っていたのですが、今年は生徒ひとりひとりの構想段階を知ることができる冊子付きでの展示に進化。
…これまた冊子をめくったところの写真を撮って来るのを忘れてしまいまして、その辺りはここでは紹介できないのが残念。
冊子の中には、ここに出品された各作品の構想をまとめる際に用いたワークシートの原版が綴じられていました。
ひとつの作品がどんな発想から生まれたのか? この題材がどのように展開していったのか?
そういったことが一目でわかる展示になっていました。
他のパッケージデザインの題材についても同様の展示方法をとっていました。
やっぱりこういった作品展において、
・どんな題材なのか?
・どんなことを育てたいと思って取り組んだ題材なのか?
・作者がどんな思いを表現したのか?
…などがわかる展示の仕方というのは大事だと改めて考えました。
せめて作品名だけでも工夫させてもらえれば、作者の思いが垣間見えるんですけどね。作品名すら「〇〇ポスター」とか「オブジェ」だったりすると、見る側としては何を表現したのかすらさっぱりわからなくてモヤモヤしますよね…。
観に来た一般の人たちにとっても『わかる展示』を今後も心がけたいと強く感じました。
わかりやすい展示といえば…
他都道府県の作品展を見たことがある先生から聞いた話では、学校ごとに展示ブースを与え、その中にその学校の作品を好きなように展示するところもあるとのことでした。
そういった仕組みの作品展であれば、特色のある取り組みなんかをバンバン発表できて、見る側としても面白いと感じてもらえるのでは!と考えはしましたがしかし、免許外で美術の授業を受け持ち、どうにかこうにか作品を制作させている先生方が多い現状を考えると、作品展そのものをそういった方向に変えていくことはなかなか難しいのかもしれません。
出品作品をどう展示するのかを考え、準備するだけでもひと苦労ですからね。現状の学校教育現場では、そいうった時間や気持ちの余裕がある免許外の先生はなかなかいないのではないでしょうか…。
少子化を受け教員も増えないので、免許外の先生が今後も頑張り続けるしかない現状。
であれば、せめて僕らと同じような意識をもって頑張っている美術教師が、できる限りの工夫をして『わかる展示』が当たり前の風潮を全体的にふわっと広げていくしかないのかなと思います。
後輩美術教師が周囲にいるのであれば、どんどん後輩を巻き込んで発展させていけそうです。
しかし現在青森県の美術教師はベテラン揃いの若手不足。僕の後輩も数えるほどしかしないので、やっぱりなかなか難しいですな。
暗い話になりました…。
さて!1月も半ばを過ぎました。
3年生にとっては高校受験一色となりますが、残り少ない中学校美術の授業を有意義に過ごしてもらえるように、またこちらも頑張って工夫して授業準備をせねばと思います!
本年もよろしくお願いします。