今年度の青森県中学校選抜美術展の主担当をしております。
…大変です。
要項作成に始まり、いろんな文書作って送ったかと思えば、また別の文書作って送って作って送って…
市の美術展は何年か担当したことがありますが、県のやつは初めてなのでわからないことも多く、ちょっとしんどいです…。
授業の準備をはじめ、普段の仕事が疎かになりそうになりながら、なんとか日々乗り切っています。
そんな中、ポスター制作も担当することになりました。
美術の授業において生徒にポスターを制作させることがよくあります。
だから教える側の自分もこういった機会に、実際にポスターデザインをすることができるというのは勉強になります。
今回はクライアントから「弘前城の石垣を使ったデザインにしてほしい」とありました。
弘前城の石垣が崩落の可能性ありとのことで、その上に乗る天守閣も含めて先日世紀の大修復工事に入りました。10年ほど見られなくなるんですね。
そのこともあってデザインに使ってほしいということでした。
さて、ポスターですからその要求だけを満たせばよいというわけではありません。
まずやはり『情報を伝える』ことがポスターのメインの役割。
ただカッコイイもの作ればいいってわけではない。作り手の好きな作品に仕上げればいいってわけでもない。
ー それが何のポスターなのか ー
をわかりやすく伝える工夫が大事ですね。
今回このポスターを制作していて、「中学校」の「美術展」なんだということを特にアピールしたいと思いました。
次は「会期はいつなのか?」「会場はどこなのか?」も大事かなと。
それらをパッと見でわかりやすく伝えよう。
それ以外にも載せなきゃならない字も多くあるので、それらをどう載せるか?
…そんなに目立たなくてもいい情報ですね。どこに、どのくらいの大きさで、どんな大きさで…それらを考えます。
あとは、『石垣』をどう使うか?
全体としてどんな感じに仕上げたいか?
美術らしさを出すためには?
…いろいろ考えました。
ポスター制作は教える要素が多いとよく言われますが、本当にそうですね。
色の使い方にずいぶんと悩み、行間をミリ単位で調整したり、背景と字の関係性を微調整したり、結局何日かかったんだろう?
「いいかな?」と思った時に名前を付けて保存することを繰り返し、納得して「完成!」と言えた時にはバージョン6でした。
たくさんの要素が詰まっていることを改めて実感しました。
自分でも試行錯誤しながら制作する経験をしていればこそ、教えられることはたくさんあると思います。
知識だけで教えるより、経験をもとに教えることができるというのは説得力も自然に生まれるでしょうから。
そこまで見越してこの役割を引き受けたので、大変でしたが良い経験になりました。
時にはクリエイターになることは大事だなって思います。
何よりやっぱり美術している時は楽しいんですよね。
気づけば夜中まで制作していることもよくあったので、眠かったり、うまくいかなくて苦しんだりということももちろんありましたが、それらを含めてやっぱり美術は楽しいなと身をもって実感できました。
今週中には印刷も上がる予定。来週には県内の中学校に張り出されることになるだろう。
ちゃんと人の目に留まり、この美術展をアピールできる役割を果たしてくれますように…!