美術の先生は考える

中学美術の授業の実践を中心に、美術について考えたイロイロを紹介できればと思います。

ブログの画像を考えて…

2013-12-28 00:47:19 | 日記
またちょっと考えてます。
今度はこのブログについてです。

ブログの中で生徒の作品を紹介するのはどの程度まで配慮すべきなのでしょうか?
誰かに何かを言われたわけではありませんが、最近ちょっと考えて躊躇しています。

たくさんの作品を紹介したい気持ちもありますが、後で「勝手に自分の作品をネットに載せないで!」との声があがることもあり得ますよね。
美術作品ですから、いかに中学生のものであっても、勝手に世界中に大公開しちうのはよろしくないように思えるのです。

私は今現在、生徒にブログの件は話したことがありません。
だから作品に関しても、完成した作品の全体像がはっきりわかるようにはupしないように気をつけています。
あえて部分だけとか、未完成の状態のものだけとか、画像処理したりとか。
【部分だけ】 【未完成】 【画像処理】


皆さんはどのようにしてるのでしょう?
生徒に事前にブログの件を話して許可を取っているものですか?
それともその他?

やや悩んでいる状態です。できればご意見いただけると嬉しいです。
よろしくお願いします。

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県選抜美術展 地区審査会で考える

2013-12-23 23:56:49 | 日記

この前、青森県中学校選抜美術展の地区審査会が行われた。
写真は審査の様子。

ちょっと加工することに。作品に対しても審査している先生方に対しても、こういう配慮が必要なのかな…と思いまして。スマホのアプリ「Picsart」で加工しました。

 

さて、審査会は例年通りの雰囲気でした。
各学校から選ばれし作品が一堂に会すのですから、なかなか見応えがあります。

規模が小さい本校は、出品割り当て数がかなり少ないのが現状です。平面作品は2点、立体作品が2~3点とされています。

う~む…仕方ないのですが、限られた枠の中に誰のどの作品を出品してあげればいいのか毎年悩むのです。制作者にとってはこの県の美術展に出品してあげるのと、市の美術展に出品してあげるのとでは、どちらがいいものか?

県展だと美術館に展示。 でも急がなきゃ審査会の時期が早い。 市の方だと急がなくてもいいけど、展示は市の文化センター。いつもの場所といった感じ。 入賞を狙ってるような子には考えさせました。

この写真の作品制作者は、県展を狙いました。もともと美術が得意な子。ちょっと高みを狙いたかったんですね。 幸い審査会前日に完成させることができ、見事地区No.1作品に!頑張った甲斐があったなー、よかったなーと努力を称えてあげたい。

 

さて、いつも審査会が近くなると考えます。

これでいいのかな?と。

作品展で入賞すれば、表彰されて周囲から称えられるし、個人の記録にも残る。展示されてたくさんの方々に自分の表現したものを鑑賞してもらえる。自分の経験上言えるのですが、とても名誉なこととして、自分の記憶にずっと残ります。

しかし、こういった作品展の審査会に出して、ある程度上の賞をもらうような作品は、大きく迫力があったり、すごく時間や手がかかっていたり…。純粋に美術の授業だけで完成させるには無理があるような作品が多いと思います。

自分は、作品展など気にしなければ、きっと面白いだろうなーという題材案はいくつか持っています。「美術って面白い!」って生徒たちにも、見る人たちにも思ってもらえそうな気はするのです。しかしそれは、入賞したり作品展で展示されて驚きや感動を与えるほどのものにはなり得ないと思うのです。

それでもいいじゃないか!入賞のために美術やってるんじゃないし!

…でも、入賞したい!って子もいるし、小学校で入賞経験がある子なんかは、本人及び保護者が期待してるってこともあるし…。

 

んー………。

この問題はずーっと前から考えています。

今現在はそういった「面白さ」とか「感動」に、「制作時間」や「入賞の可能性」を加えてバランスをとりながら題材を開発し、実践しているつもりです。基本姿勢はバランス重視。

しかしこのバランスを保つのも難しい…。感動にこだわれば制作時間が長引く。面白さを重視したら入賞の可能性が低くなる。全てのバランスが見事にとれたら、何も際だたない…………。

題材開発は難しいのです。

でも面白い。

だからまた考えよう。

たくさん考えて実践していれば、いつか自分の理想に近いものができるかもしれない!その頃には!…学習指導要領も変わってるかもしれないけど。

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青森県中学校選抜美術展のポスターを考える

2013-12-16 22:19:45 | 日記

初めてポスターできました。今まで見たことがなかった「青森県中学校選抜美術展」のポスターです。

毎年「なんでないのかな?」って思ってました。…なんでって、予算の都合でしょうけど。

やっとできたか~!という感覚で、本日市内の各中学校に配布。

さて来年以降はどうしましょう?今年の反応次第でしょうか?今年せっかく初のポスターができて、来年違う市が担当になったとき、「やっぱり予算の都合でできませんでした-。」だと…うーん………なんかですね…。また考えねばなりませんよ。

で、今日考えて出た結論。

もし来年「やっぱりできません。」だとしたら、自分で適当にでもちゃちゃっと制作して、自分の勤務先の校内だけでも張り出せばいいんじゃないかな?今はそう考えています。

『美術展』ですもの。生徒のポスターいっぱい展示してるんですもの。視覚に訴えるデザインとしてのポスターは何とかして続けたいなー。

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光を感じて描く

2013-12-13 22:57:12 | 日記
今日から1年生の授業でタイトル名の題材をスタート。
昨年度から始めた題材です。
この辺の学校では「写生大会」を実施している学校が多く、本校でも私が赴任した一年目までは似たような行事がありました。
しかし今はもう行事の精選でなくなったため、絵画作品について色々考えながら題材開発をしていたのですが、昨年実践したこの題材はけっこういい感じでした。だから今年もまたやってみようと思ったわけです。
今日はまだ題材についての説明と、昨年度の作品を鑑賞してイメージをつかむことに時間を割き、その先には少ししか進めませんでした。まあ予定通りですが。
その先というのは「光の美しさを感じる景色を切り取ること」です。
簡単に言うと写真を撮るってだけのことですが。

この写真の子たちは廊下や階段、体育館などを巡って数枚の写真を撮り、寒そうに美術室に戻ってきました。まだ満足したような表情ではなかったので「水道の水も光を反射させるよね。去年も写真撮ってみてた子いたよ。」と教えてみたら、こんなことをやり始めました。
ボウルに水をため、そこに蛇口から水をぽたりぽたりと落として波紋が広がるところを切り取っていました。

そこから更に試行錯誤。落差が欲しかったんでしょうね。
友達に協力してもらい、筆から水滴を落としてもらってその瞬間を狙う作業を地道にやっていました。
こういう工夫が素晴らしいなって思います。
「どうやったら思っているとおり上手くいくか?」
「もっときれいにするためにはどうしたら良いのか?」
そんなふうに工夫するとうプロセスがこの美術という教科の大事な大事なところですからね。

ちなみに他の子たちは、
廊下の鏡に反射するユニークな光を感じていたり。
体育館フロアにボールを一個置いてみたり。
廊下に反射する窓の光を切り取っていたり。
なかなか積極的に工夫して取り組んでいました。

次の時間もこの続き。
・撮影を数十分。その後に写真をPCで拡大して見て→選んで→印刷。
・次に小さな画用紙に鉛筆で描かせます。白と黒だけで光と影を表現するトレーニングということです。
・最後は八つ切りの画用紙に「無彩色+有彩色1色のみ」を使って水彩絵の具で表現させます。
これが昨年はいいトレーニングになったんですよ!
小学校で習ってきた画法を脱ぎ捨て、数時間で大人びた表現に着替えさせることができた…言い過ぎかたかな。
しかしそう感じるような、上手な水の使い方を身につけていたので、手応えはありましたね。
使える色を制限したことと、表現テーマが光と影を主にしたものであったことでうまくいったのだと思います。
写真を撮る時に感じたきれいな光をどうやったらうまく表現できるか?色には頼れない…となると、水を上手に工夫して用いるしかない。自然にそう流れたんですね。

色々な道具や材料、表現方法を用意して「好きなように選べ!」という方法もよくとります。しかしそういうのは主に上級生でいいと思う。
1年生にはこんな制限つきで工夫が必要な題材がなかなか面白い。

昨年度の同題材は、来月10日(金)~12日(日)の青森県選抜美術展にちょっとだけ出品することが今日決まりました。近くにお住まいの方はそこでご覧いただければ作品の全体像が伝わるかと思います。
今日はその美術展の地区審査会だったので、なんだかバタバタでした…。しかし本校生徒の作品も入賞!パチパチパチ!
その辺で考えたことも色々あったので、それはまた近日中に。

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弘前のイルミネーション

2013-12-08 18:55:45 | 日記
今年も弘前のイルミネーションが始まりました。
昨年は弘前市役所と観光館付近のイルミネーションを見てきましたが、今年もうちの子が行きたいと言うので、昨晩行ってきてみました。

昨晩行った場所は吉井酒造煉瓦倉庫前の緑地公園。
奈良美智さんの展覧会で使用されたあの倉庫です。倉庫前の『AtoZメモリアルドッグ』で有名ですね。
都会のイルミネーションに比べれば大したことない規模ですが、子どもは喜んでました。何もやらないよりはいい試みですね。街の魅力の一つとなって欲しいな。と思います。
せっかく奈良さんの作品があるんですから、街の魅力にしない手はないでしょ。もったいない!

しかしこの倉庫、あれ以来何も活用されることなくただの古い倉庫としてあるだけ…。
かつてライトアップしてたこともあった?…その程度で観光客が増えるほど美しい建物でもないし…。
あの展覧会の後、奈良さんの美術館になるという噂や、吉井酒造が建物を提供してくれなかったからその構想が実現しなかったという噂を聞いたことがある。
ほんとかどうかはわかりませんが、そんなことが実現してたら大きな街の魅力になっていたでしょうね。

美術にはそのくらいの力がありますから。

…倉庫の写真一切撮ってなかった。ライトアップしてなかったからなー。