美術の先生は考える

中学美術の授業の実践を中心に、美術について考えたイロイロを紹介できればと思います。

続・短時間題材を考える2016

2016-03-18 21:52:58 | 日記
参考作品を作ります。


これを見本に題材を説明します。
もちろん他の画像もいくつか見せます。色んなパターンがあるので。

そして実践。
楽しんでどんどん制作を進める生徒たちが、あっという間にいくつかの作品を産み出しました。



しかし、良いアイディアが浮かばず、制作がはかどらない生徒たちから「この題材つまんない…。」の声が聞こえはじめる。
なるほど。
この手のユニークな発想勝負の題材を苦手とする美術が得意な生徒もいることを思い出す。

後日、"能登夫妻"の作品を参考に、参考作品を追加。

古くて渋くて重い美術室の戸にペタ。
そこでふとこの戸の人格を想像…
閉めようとする際、いつも必ず半分ほどの所で止まるのこの戸は、思いきったことができない臆病者。
慎重で痛いのが怖くて、ちょっと根暗でネガティヴで…。

…と想像したので、もうひと言追加。


そして制作最後日。
こんな作品も追加されました。


他にもスパイダーマンがぶら下がってたり、隙間から人が覗いてたり、動物たちが歩いてたり、いたるところに人が座ってたり、たくさんの魚たちが泳ぐ水槽のような窓があったり、スライムが現れてたり…

3~4時間の短時間題材でしたが、なかなか面白い作品たちが完成して、美術室がユニークな空間になったと思います。

スカイダイビングのステッカーを作ったのは、普段はあまり美術を得意としていない男子生徒。
しかしこの日、窓に自作のステッカーを張り終えた彼を待っていたのはクラスメートの「おーっ!」という声。
恥ずかしそうに喜びを隠す彼の嬉しそうな表情が印象的でした。
こっちも嬉しくなっちゃって、良いひと時に会えたなって思えました。


つまらなかった生徒もいたようですが、こちらの題材の提示の仕方もまずかったのでしょう。
次回実践することができたら、そこにひと工夫加えてみようと思います。