美術の先生は考える

中学美術の授業の実践を中心に、美術について考えたイロイロを紹介できればと思います。

夏休みの宿題

2016-08-16 21:37:12 | 日記
夏休みの自由課題。
今年もうちの娘は図画がいいんだそうな。

父親に似て絵が得意…というわけでは全然ない子なのですが、きっと色々新しいことを教えてもらいながら二人でじっくり仕上げる工程が楽しいのだろう。
とっても意欲的に、何時間も描き続けてようやく完成。

作品全体像はあえて公開しませんが、今回はスパッタリングがお気に入りの様子でした。
スパッタリングは水分調節が命だと思うのですが、娘にはその調節はまだちょっと早いかなと…。よってそこは父親が調合して、娘はシャカシャカするのみだったので、かなり上出来…。

仕上げでほっぺたにチーク入れたいんだそうな。
そこでパステルを教えることに。

娘は大満足の仕上がりになったようです。

さてと…。
小学生の我が子にどこまで自力で挑戦させ、どこまでを助けてあげるか試行錯誤の取り組みとなりました。

今年はアイディアスケッチから取り組ませることに挑戦。
「どんなことを描きたいのか?」
「どんな思いを表したいのか?」
「どんな表現方法を使いたいのか?」

…考えさせたのですが、なかなか小学生に教えるのは難しかったです。
色々と描いているうちに、結局はパパがアイディアスケッチとは?の意味で参考に描いていた図案が気に入り、それを描きたいとなってしまうのでした。

この際だからと水彩絵の具の使い方も色々と伝授。
ぼかしたり、にじませたり、ムラをあえて生かすようなタッチで描かせてみたり。
水を上手に生かすことは身に付いた気がします。
今後の作品制作に生きるといいな。

とにかく、親が描いちゃった絵にならないいうに、学びながら達成感を味わわせることができるように、制作過程での経験が今後に繋がるように、と意識して頑張った1日でした。


さて、2学期制の本校。もう既に夏休みが明けました。
昨年度考えたことをもとに年間計画を修正し、夏休みの宿題を軽減しました。
昨年度まで「例年通り今年も…」感から無理に取り組ませていた文化祭のポスター制作ですが、今年度はしっかりと授業時間に指導ができる2学年のみの題材としました。
3年生にも描きたい!って子がいるような雰囲気だったので、3年生には事前アンケートをとることに。
アンケートで「制作したい」と答えた数名のみを、授業時間以外の放課後や夏休み中に指導して…という形で参戦してもらいました。
作品数は減ったので、文化祭の作品展示会場は少し寂しくなるかもしれません。それに不満を感じる来場者もいるかもしれません。
しかし昨年度感じた教科経営へのしわ寄せの課題はこれでクリア。これで良かったと思います。
学校事情、周囲からの要望にも耳を傾けはしますが、少ない授業時数を有効に使い、美術の授業で学んでほしいこと、経験してほしいことを優先せねばと思います。

来週末はいよいよ文化祭。
まずは週明け早々に急ぎ代表作品を拡大印刷して、それらを生徒たちに託して近所に配りに出てもらわねば。

美術館を活用した鑑賞教育の充実のための指導者研修[2日目]

2016-08-02 18:01:35 | 日記
2日目は六本木の国立新美術館。

不安定な天気の中、無事雨に当たることなく到着。

2日目は実践発表からスタートです。
何と言っても今回は中学校代表の高安 弘大氏頑張れ!の気持ちに尽きました。
同じ青森県選手。青森県の美術教育のトップランナーですから。
僕は以前から見聞きしていた内容が多かったのですが、卒業生からの手紙や作家から頂いた作品のその後などは初めて知りましたし、何より皆さんから好評を博していたようで良かった良かった。
他は北海道の小学校教諭 森實 祐里先生の発表も、たくさんの実践を元にされた充実の内容でしたし、千葉市美術館学芸員の山根 佳奈さんの発表も、学芸員の立場で、学校と連携した様々な鑑賞教育の取り組みを紹介していただき、勉強になりました。

お昼休みは、1階ロビーで「アートカードワークショップ(自由参加)」。
…僕は参加しませんでしたが。

休館日なので、僕ら以外に人気がない贅沢な空間を満喫して歩き回ってましたね。



午後からは「ワールドカフェ」でした。
お題は以下の画像参照。

昨晩の懇親会で交流を広げられなかったので、ここで挽回する気持ちも内心持ちながら、積極的に活動できました。



動いたしたくさん意見もしたし、自分なりに考えもまとまったし、自己紹介がてら残りの名刺も配りまくったし、楽しかったー♪


最後は千葉大学教育学部の神野 真吾准教授による講演。
「社会の中の鑑賞教育」という演題でした。
…正直、もうこの過密スケジュールの研修において、ここまで来ると疲れと眠気が邪魔をしてしまう…しかも内容が難しい…。

印象に残ったのは“様々ユニークな題材はあるが、その題材が社会とどう接続するのかがはっきりとしていないものが多い”といった内容のお言葉。
育てたい力を考えて、題材設定に取り組んできたつもりではあるが、「接続」と言われると…あれ?どうだろう?と感じました。
脳みその疲れがとれたら、ちょっと考えてみたいです。



といったわけで、2日目の研修が終了し青森に帰ります。
現在はまだ新幹線の中。

有意義だったー。充実したー。
Webアンケートも済ませたー。

二度と受講できないのでしょうか?
また機会を与えていただきたいものです。

とにかく僕の勤めている青森県弘前市においては、歳の近い美術教師が少ないし、刺激を与えて下さる仲間も少ない。
このblogを始めたきっかけが、こういった現状を打破して、全国の様々な美術教育関係者の方々と交流をもちたいと強く切に願ったことからでした。

今回の研修では、そういった願いが少し叶ったような側面もありましたから非常に有意義でした。

また、美術館学芸員の方々とお話しできたこと、お話を聞けたことも大きかったです。
敷居が高く感じられていた美術館ですが、美術館側も学校からのアプローチを待ってるんだなと感じました。
研修の名のとおり「美術館を活用した鑑賞教育」に是非とも取り組んでみたい!と思ったので、学校に帰って一段落したら、さっそく青森県立美術館のスクールプログラムを再確認後こちらからアプローチして、何かできないかを探ってみたいと思います。


やっぱりこういった研修会に参加することにより、本来の美術教師の血が熱く循環し始めますね!
学校現場だけに籠ってちゃ駄目だな。

よし!次は11月の全造連宮城大会。
美術教育関係者との再会や初めましての出会いも含めて、楽しみになってきました。
また色んな刺激を受けながら、自分自身の美術教育も進化・深化させることができるよう頑張ろうと思います。

美術館を活用した鑑賞教育の充実のための指導者研修[1日目]

2016-08-01 22:31:13 | 日記
この夏休み一番楽しみにしていた2日間の研修会の1日目。東京国立近代美術館。

東良雅人調査官による講演からスタート。
平成33年度から完全実施予定の、新学習指導要領の方向性を中心に、これからの美術教育に必要なことをお話ししていただきました。
主体的、対話的、深い学び…。確かに課題だなー。
アクティブラーニングの雰囲気・表面だけ捉えてグループで対話すりゃいいってもんじゃない。
鑑賞・表現の両活動にて、自分や自分の考えを見つめ、自分とも対話して考えを深める機会を設定してみたいと思った。
長期間の作品制作の中で、見通しをもって取り組んだり、他者の価値観に触れさせる機会を設定してみたりして、制作活動に主体性が生まれるよう工夫してみようと思った。


昼前からグループワーク開始。
僕は濱脇みどり先生のグループ。全国の中学校教員、学芸員の方々と活動させていただきました。
アートカードを使った自己紹介から始まり、近代美術館内の海老原喜之助さんの作品エリアで、濱脇先生による対話形式の作品鑑賞を体験した後、更に少人数のグループにワーク分かれて、美術館を活用した鑑賞授業の案を話し合い、発表し合いました。

更にその後は、他のグループと合流し、各グループの活動場所を巡りながらの発表会。

グループワークはあっという間でした。長時間でしたが、それでも時間が足りなく感じ、グループや場所を変えてもう1回やってみたい!そう感じました。


さて、夜の懇親会。
これがまた楽しみのひとつ。
普段絶対会うことができない全国の美術教師の皆さん、美術教育に関わる方々と交流できる!…とワクワクしてましたが、なんだか拍子抜け…。
日中のグループや知り合い同士で固まっちゃてる感じで、新規加入しづらく…交流広がりませんでした。
でも数名の方々と名刺交換してご挨拶できたのは良かったです。
また、日中から一緒に行動してくださった、栃木と宮崎の先生方には感謝です!心細い思いをせずに済みました。

明日は早くも最終日。
またとない機会ですので、しっかり勉強してきます!