明日は、市の小中学校合同の美術展の作品搬入日。
私立高校の入試間近ですが、こちらも手を抜く訳にはいきません。
今年で33回目となる同展。
自分でも小学生や中学生の時に入賞したことあったっけなーって思い出します。…ただし、入選や特選程度だったと思います。
さて、今年は本校に私が赴任した翌年から毎年制作させている、『生徒会テーマ板』を共同作品のブースに出品することになりました。本校校長の直々の希望によるものです。
縦1.5m×横3.5mくらいあるかな?アクリル塗料を用い、刷毛やエアブラシなどで制作していますが、今年のテーマ板は美術作品としてなかなかの仕上がりだったので、自校のステージに飾って終わりというのは確かにもったいないものでした。
今年は美術部の男ども3人と共に制作。んー…こうしてパネルからはがして出品準備をしていると、暑い中苦労して制作させていた日々を思い出します。
しかし、こりゃ搬入大変だな…(^_^;)
他の一般の作品はというと、本校生徒の作品は絵画と彫刻・工芸の部で特別賞をいただきました。名誉なことです。
そういった作品をはじめ、生徒が頑張って制作した作品がたくさんの作品群に埋もれてしまわずしっかりと輝くように、美術の先生として展示方法はまた工夫させていただこうと思っております。
先月、県美術展で彫刻作品の横に置いた段ボールのパネルは、今回は本来の目的通り展示台として使ってみようと思っています。
…となると、作品の紹介パネルは新たに作らねば…と、県展の際に某T教諭が言っていたスチレンボードで制作するのが一番しっくりくるかな。
とっとと、ちゃっちゃと作っちゃいました。
こんな感じ。
カッターと定規、接着は今回は両面テープのみで簡単に作っちゃいました。
これに(制作者からの)作品の説明、名札、講評用紙をくっつけちゃって作品横に並べるつもりです。
他にもちょっと展示方法は工夫しています。それはいずれ機会があればご紹介ということにしておきます。…写真撮ってなかったので。
「よくこんなもの作るな…」と思うかもしれませんが、一回作ればずっと使えるものばかり考えて作っていますよ。じゃなきゃ労力とお金、特に時間がもったいないですからね。
それに展示の方法を色々と工夫するようになったのにはちゃんと訳があります。
毎年同展で会場当番が割り当たります。2時間ずーっと会場を見渡しながら、受付に座っているのですが、そこでの発見がきっかけです。
見に来られたお客さんの「生の声」。
「すごいね」「上手いね」はどうでもいいのです。
「何これ?」
「これって何を作ったの?鳥?怪獣?」
「これどうやって作ったんだろう?」
「すごいけど、何だかよくわかんねーな…」
…などなど、見る人たちの様々な声が聞こえてきます。
よく見渡してみると、確かに展示会場に飾られた作品の多くには学校名、作品名と学年、氏名が書かれた名札がついているのみ。
美術教師が見れば、どんなことをねらって授業をしたのか見えてきたり、「あのカタログに載っていた○○使ったんだな」とかがわかったりするのですが、見に来られるお客さんは美術教師ではありません。
そしてそもそもこういった美術展は、そんな一般のお客さんを対象に開催しているものです。
では、我々がどうすべきかということは言うまでもありません。
また、その一般のお客さんの多くは「入賞した生徒及びその家族」です。
自分の作品がどんな風に飾られているのかを見に来るのです。
では、その子の担当の美術教師がどうすべきかということも言うまでもないのではないでしょうか。
ただ名札つけて、ずらっと数多く並べたって……ね。
風景画やポスターは、作品の性質や展示方法から考えてもしょうがないとして、彫刻・工芸なんかはできれば見る側に立って展示すべきかと思います。
そんなわけで、時間がなかろうが忙しかろうが準備を進めてきました。明日はきれいに、そして親切に飾ってあげよう。
『中学校の美術って今はこういうことやってるんだ。』
『うちの学校と違って、この学校ってこういう授業してるんだ。』
『中学校の美術って面白いんだね。』
…と、親子や兄弟、友達同士で会話しながら作品を鑑賞する姿を想像しながら。
…あ、そういえば今日(前述の)某T教諭が、夕方のニュースに紹介されていました。
『学校(校舎)を美術館にするアート体験』。
県立美術館の企画だそうです。そういえば美術館に足繁く通って、色々打ち合わせてるって言ってたな。面白いじゃないですか!
現代美術作家の作品を使って、生徒たちが自ら校内に展示??そういうことか?
今度詳しく聞いてみたいと思います。
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