美術の先生は考える

中学美術の授業の実践を中心に、美術について考えたイロイロを紹介できればと思います。

りんごにデザインしてみたら…

2013-11-29 22:11:08 | 日記
毎年恒例絵入りのりんごが見参!
福祉体験学習でお世話になった方々へ。
職場体験でお世話になった方々へ。
東日本大震災の際に被災地応援プロジェクトで交流のあった岩手県の中学校へ。

それぞれ学年ごとにメッセージをデザインしてシールでりんごに転写。

今日は転写シールをはがして、専用のネットで包んで、あとは送る場所に合わせて箱詰めしたり、かごに詰めてラッピングしたり、メッセージカードを添えたり…と。


…とはいえ、これは美術の授業でデザインしたわけではなく、時間の都合上わずかな期間の宿題で書かせたデザインを使用したので、あまりオシャレーという感じではないかな。農園指導担当の先生指揮の下に作られました。

まーこれに関しては気持ちの問題です。美術的ではないかもしれませんが、自分のクラスの子に関しては、いくらか美術的にアドバイスしました。

ついでに美術の先生も挑戦!

どうだ!
3年生の担任なので「合格祈願りんご」にしてみました。
ちょっと女の子っぽいかな…。
でも、これも気持ちの問題です。

教室のあまり暑くならない窓際に飾って、今日も放課後美術へ。
定期テストが終わった今日の美術室はなかなかの盛況ぶりでした。

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完成のタイミングを考える

2013-11-27 07:53:00 | 日記
作品制作が進んでくると、どこでストップさせるべきか考えます。
「先生できました。」って生徒が言ったら完成なのか?そうとは言えないですね。
美術の先生の感覚で『やめ時』を指導してあげることは大事です。

黙って任せていると、面倒くさがる子はもっと良くなりそうな可能性があるのに「できました。もういいです。」ってやめちゃいます。
逆に『そこでやめた方がいい』ってタイミングを逸して、やり過ぎてしまう子もいます。

クラス全員の完成のタイミングを見極めるのは難しいのですが、それでも出来る限り日頃から『もう少しこの部分がこんな風になったら完成かもね。』とか具体的なアドバイスをしておく。意外と生徒はその言葉を覚えています。
「ゴールがどこにあるか知らないけど走りなさい」だと、そのうちやる気の喪失にもつながりかねませんよね。
そういう指導を意識しておくと、妥協もやる気喪失もさせにくいと思うのです。

人と場合によっては任せることもありますが、今後も作品及び制作者と向き合い会話もしながら、それぞれの完成形のビジョンを描いて指導にあたりたいです。

この不思議な果実の完成形はどのタイミングかな??
制作者と話している感じだと、果実部分は完成かなと思います。
これ以上何かを求めるとやる気を失いそうな気配が漂ってきているので。

壁にぶつかって考える

2013-11-24 21:19:45 | 日記
東北造形研の授業発表の際に三年生に制作させていた作品も、完成がようやく見え始めてきている。
しかし、ここに来て何か作品が良い感じに近づかない。
生徒も美術の先生も壁にぶつかったのだ。

しかしこういうことはよくあるもの。
特に初めて題材でありがちなこと。

そんな現状を打破すべく、今回とった手段は「自分も同じ題材の作品を作ってみること」。
そりゃゆっくり作っている時間はありません。
今年は3年生担任として、進路業務もありますし、生徒会担当として生徒総会の準備や、生徒会誌の計画も…。
でも、生徒たちは美術の先生の呼びかけに答えて、日々「放課後美術」に顔を出します。学習会終了後にわざわざ感心に。
となると、何とかしてあげなきゃなーと思うのです。

参考作品作りをしていて気づいたのは、この作品…土台の存在感が強すぎるということ。
いくら主役の果実に工夫をしても、なんだかぱっとしないんです。
そこで土台に各自のメインテーマを表現することを勧めてみることに。最初からその予定でイメージのスケッチを描いていた子もいましたが、そうではなかった子たちにも勧めた感じ。
するとようやく「自然物の存在感」と「作品の存在感」のバランスがとれてきた。


壁は越えたかな。
参考作品作りはやっぱり大事ですね。


放課後美術

2013-11-20 22:36:29 | 日記
県の作品展の審査会が視野に入りはじめたので、毎年恒例の3年生限定、年に一度の『美術だより』を発行した。
主な内容はざっくり表すと…
「審査会に作品出そうぜ!そのために放課後でも昼休みでもどんどん美術室に来ようぜ!待ってるから!」
といった内容。
普段の学級通信などは、迷わずwordでの作成なのですが、これだけはなんとなくふざけたイラスト付きの手書きです。
保護者向けでも、先生方向けでも、地域の方々向けでもなく、3年生の生徒のみに向けたものなので、砕けた感じにしてます。
あえてここには載せません。誰もそんなの見たいとも思わないでしょうからね。

さて、そんなわけで始めた『昼休み美術』と『放課後美術』。
数日経ちましたが、『放課後美術』はやっぱり好きですね。

生徒も昼休みよりたくさん集まって、それなりに制作を進めながらも、普段の授業ではできないような雰囲気で自由に集まって色んな話して。なんかアットホームな感じのゆる~い時間がけっこう居心地いいんです。
だからって、延々と制作させるわけにもいかないので、毎日決まった時間で解散するのが重要です。
先生は美術から学級担任及び生徒会の先生としての仕事モードにシフトチェンジ。生徒も受験生としての仕事をしに帰宅せねばなりませんから。

12/13が地区の審査会。
…さて、驚きや感動を与える作品を仕上げさせねば!
明日も頑張ろう!

りんごジュースラベルのデザイン

2013-11-14 21:41:13 | 日記
うちの学校では学校農園でりんごを栽培しています。
1,2本のレベルではなく、数10本のレベルで本格的です。
だから当然11月には収穫もしています。
だから当然収穫した実を市場の競りにも出すし、商品にならないりんごはジュース加工業者にお願いしてジュースにします。

そのジュースは透明なビンに入った状態でできあがってくるので、ラベルを貼る必要があります。

だから当然そのラベルは美術の授業でデザインします。
これは僕が赴任する前から、前任者の先生が毎年やっていた取り組みです。
これは昨年の作品の一部です。

今年もそろそろ授業で作り始めたところです。
テーマは「『おいしそう』をデザインする」。
windowsのペイントで作らせていますが、シンプルな機能・ツールしかない中で、生徒たちは工夫してなかなか面白い作品を作ります。

見たお客さんに「え?これ生徒が作ったんですか!?」と驚かれるような作品を意識させて制作させます。

美術の先生は考える。
やはり作品は、ある程度見る人の感動・感心を狙わせる必要があると思います。
自己満足で「がんばった。」でも意味がないわけではありません。
しかしそもそも作品は、発表して人に見てもらい、感じてもらうものですからね。