蒲田耕二の発言

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唱歌復活?

2012-05-27 | 音楽
文部省唱歌(って、つい書いちゃうなあ)の「ふるさと」をブルガリアの女声トリオがロンドンで歌ったら、拍手喝采だったんだと。そういや、「ふるさと」の半音階進行を多用したマイナー・メロディは、ロック出現以前のヨーロッパ都市歌謡と質的に近いよね。

ずいぶん昔の話だが、銀座のデパートのレコード売り場で「月の沙漠」のシングル盤を掛けていたら(という状況から、どれぐらい昔かお分かりでしょう)、通りかかったロシア人男性が足を止めて聴き入り、涙を流し始めた。

男性は何度もくり返しリクエストした挙げ句、レコードの値段を聞いて諦めて立ち去ろうとした。するとデパートの女店員が呼び止め、小遣いを出し合って買ってあげた、という話が美談として報じられた。

いま思えば、美談というより男性の方が図々しいんじゃないかって気もするが、「月の沙漠」のメロディがロシア民謡の哀調と響き合うのは確かだね。「トロイカ」なんか、日本じゃ軽快なテンポで歌われるが、ロシア人の歌は悲痛な慟哭って感じだもんね。将軍様の死に嘆き悲しむどっかの民衆も真っ青。

マチズモ誇示のガキンチョ専用80年代ヘビメタにも、実は意外にマイナー・メロディが多かった。マイナーって情緒で攻めるから、素人受けするんですな。由紀さおりの狂い咲きとも相通じるんじゃないかね。ルー・リードのような大人のミュージシャンは、その皮相な感傷性を毛嫌いしてたけど。

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