振替休日っていうのもいいですね。
さあ今日は何をしましょうか?
続きをアップしますね。
女にされたジョージ②
有名な俳優の息子を誘拐して、身代金をふんだくろうと考えた悪漢たちの仲間にも、知恵者がいた。
つまりジョージ・F・シナモンを連れて移動するには、人目に立ちすぎる。
仮に新聞などで、事件が報道されたら、とくに怪しまれるであろう。
そこで可愛い顔立ちのジョージを、思い切って女装させてしまえば・・・・・と考えたのであった。
ジョージは浴室で、両脚の毛を剃られ、ついで丹念に顔を剃られた。
剃ってくれたのは、ギャングの首領の情婦で、リズと呼ばれた栗毛の女性だ。
リズは毛を剃ると、ジョージに、
「さあ、躰をよく洗って!」
と命令した。
躰を洗い、浴室から出ると、リズはナイロン製の女物パンティを手渡し、
「さあ、それをはくのよ」
と云ったものだ。
ピンクで、刺繍のある上等なパンティであった。
パンティをはきながら、ジョージはなぜか奇妙に昂奮していた。
女性の恥しい下着を身に着けるときの、一種云うに云われぬ快感よ!
子供のころから、ジョージは女性の華やかさ、優しさに憧れを持っていた。
そして、機会があったら、それに触れたいと思っていたことも、事実である。
「さ、パンティの次は、ブラジャーよ」
リズは、同じピンク色のブラジャーを取り出して、
「あら、胸の膨らみがないのね」
と呟く。
リズはしばらく考えていて、
「そうだわ・・・・・・」
と、新しいナイロン・ストッキングを丸めて、ブラジャーの中に入れた。
「さ、これで大丈夫」
リズは微笑った。
なるほど、感触といい、膨らみ工合といい、女性の乳房にブラジャーをあてがったようにみえる。
ジョージは、ひどく昂奮した。
「次は、ガードルね」
リズは、黒いガードルをパンティの下にあてがい、
「さ、靴下をはいて!」
と、云うのである。
肉色の、なまめかしい長靴下。
ジョージは、どうやってはこうかと、戸惑った。
「靴下の中に、腕を通して!」
リズは命じた。
「爪をひっかけないでよ! 上等な品だから、すぐ伝線するからね」
彼女はそう云い、自分で模範を示して呉れるのだった。
爪先から、おそるおそる足を入れる。
柔らかい光沢。
そして、しなやかな弾力性。
毛を綺麗に剃ったジョージの白い脚が、みるみる肉色のストッキングに包まれて、女みたいになった。
「さ、ガードルに留めるのよ」
リズは、自分で靴下を留めながら、
明日から、自分一人でしなくちゃならないんだから、よく憶えていてね」と云うのであった。
「スリップの次は服だけど、今日は、これを着てなさいな・・・・・・」
既製品であったが、それはまるで誂えたように、ぴったりジョージの躰に似合った。
「あんた・・・・幾つだっけ?」
リズは訊いた。
「十六です」
ジョージは赧い顔で答える。
「そう、十八にはみえるわね。やっぱりハイヒールの方がいいわ」
リズは、ジョージの足の文数を訊き、
「やっぱり、私の思っていた文数だったわ。さあ、この中から選びなさい」
とトランクをあげた。
みると、数種類の婦人靴が入っている。 ジョージは、白のハイヒールを手に取った。
洋服がブルーだったので、白の方がマッチすると思ったのだ。
ジョージは、靴をはいた。
リズは、うっとりと眺め入って、
「あとは髪と顔だわ・・・・」
と云い、長い彼の髪の毛を、レザー・カットして、女のようにしてしまった。
ついで鏡の前に坐らせて、顔にうすく白粉をはたき、口紅をさす。
「どう。みてごらんよ・・・・・・」
リズは云った。
ジョージは目をあげて、鏡の中を覗き込んだ。
そこには、一人の女性がいた。
自分の目が、信じられなかった。
「これが・・・・僕なの!」
ジョージは思わず、そう口走ったことを憶えている。
リズは微笑した。
「どこからみても、女の子ね」
ジョージは肯いた。
「とても綺麗よ、ジョージ・・・」
リズは、そう云いかけてから、慌てて、
「そう、そう。今日から貴方は、メリーという名前の女の子なのよ。憶えてらっしゃい」
と云い、
「さ、次はマニキュアしましょうね」
と謳うように告げたのである....。
梶山季之著「男を飼う<鞭と奴隷の章>」(集英社1969年刊)
さあ今日は何をしましょうか?
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女にされたジョージ②
有名な俳優の息子を誘拐して、身代金をふんだくろうと考えた悪漢たちの仲間にも、知恵者がいた。
つまりジョージ・F・シナモンを連れて移動するには、人目に立ちすぎる。
仮に新聞などで、事件が報道されたら、とくに怪しまれるであろう。
そこで可愛い顔立ちのジョージを、思い切って女装させてしまえば・・・・・と考えたのであった。
ジョージは浴室で、両脚の毛を剃られ、ついで丹念に顔を剃られた。
剃ってくれたのは、ギャングの首領の情婦で、リズと呼ばれた栗毛の女性だ。
リズは毛を剃ると、ジョージに、
「さあ、躰をよく洗って!」
と命令した。
躰を洗い、浴室から出ると、リズはナイロン製の女物パンティを手渡し、
「さあ、それをはくのよ」
と云ったものだ。
ピンクで、刺繍のある上等なパンティであった。
パンティをはきながら、ジョージはなぜか奇妙に昂奮していた。
女性の恥しい下着を身に着けるときの、一種云うに云われぬ快感よ!
子供のころから、ジョージは女性の華やかさ、優しさに憧れを持っていた。
そして、機会があったら、それに触れたいと思っていたことも、事実である。
「さ、パンティの次は、ブラジャーよ」
リズは、同じピンク色のブラジャーを取り出して、
「あら、胸の膨らみがないのね」
と呟く。
リズはしばらく考えていて、
「そうだわ・・・・・・」
と、新しいナイロン・ストッキングを丸めて、ブラジャーの中に入れた。
「さ、これで大丈夫」
リズは微笑った。
なるほど、感触といい、膨らみ工合といい、女性の乳房にブラジャーをあてがったようにみえる。
ジョージは、ひどく昂奮した。
「次は、ガードルね」
リズは、黒いガードルをパンティの下にあてがい、
「さ、靴下をはいて!」
と、云うのである。
肉色の、なまめかしい長靴下。
ジョージは、どうやってはこうかと、戸惑った。
「靴下の中に、腕を通して!」
リズは命じた。
「爪をひっかけないでよ! 上等な品だから、すぐ伝線するからね」
彼女はそう云い、自分で模範を示して呉れるのだった。
爪先から、おそるおそる足を入れる。
柔らかい光沢。
そして、しなやかな弾力性。
毛を綺麗に剃ったジョージの白い脚が、みるみる肉色のストッキングに包まれて、女みたいになった。
「さ、ガードルに留めるのよ」
リズは、自分で靴下を留めながら、
明日から、自分一人でしなくちゃならないんだから、よく憶えていてね」と云うのであった。
「スリップの次は服だけど、今日は、これを着てなさいな・・・・・・」
既製品であったが、それはまるで誂えたように、ぴったりジョージの躰に似合った。
「あんた・・・・幾つだっけ?」
リズは訊いた。
「十六です」
ジョージは赧い顔で答える。
「そう、十八にはみえるわね。やっぱりハイヒールの方がいいわ」
リズは、ジョージの足の文数を訊き、
「やっぱり、私の思っていた文数だったわ。さあ、この中から選びなさい」
とトランクをあげた。
みると、数種類の婦人靴が入っている。 ジョージは、白のハイヒールを手に取った。
洋服がブルーだったので、白の方がマッチすると思ったのだ。
ジョージは、靴をはいた。
リズは、うっとりと眺め入って、
「あとは髪と顔だわ・・・・」
と云い、長い彼の髪の毛を、レザー・カットして、女のようにしてしまった。
ついで鏡の前に坐らせて、顔にうすく白粉をはたき、口紅をさす。
「どう。みてごらんよ・・・・・・」
リズは云った。
ジョージは目をあげて、鏡の中を覗き込んだ。
そこには、一人の女性がいた。
自分の目が、信じられなかった。
「これが・・・・僕なの!」
ジョージは思わず、そう口走ったことを憶えている。
リズは微笑した。
「どこからみても、女の子ね」
ジョージは肯いた。
「とても綺麗よ、ジョージ・・・」
リズは、そう云いかけてから、慌てて、
「そう、そう。今日から貴方は、メリーという名前の女の子なのよ。憶えてらっしゃい」
と云い、
「さ、次はマニキュアしましょうね」
と謳うように告げたのである....。
梶山季之著「男を飼う<鞭と奴隷の章>」(集英社1969年刊)