どうも私は男子が女装して「女性」として旅行することに魅かれるようです。
このブログでも、九州旅行、鬼怒川旅行、京都旅行と『くいーん』誌に掲載された女装旅行体験記を紹介してきました。
普段は男性として生活している人がまったく別の人格となって旅行する。
そのドキドキ感とそこからの体験や新たな気づきを得る。
こうしたことが好きなんですね。
ということで、今回も1993年の『くいーん』誌に掲載された大沢恵美さんの旅行記をご紹介します。
大沢さんはすらりとしたスリムな美人です。
ショートの髪形もお似合いです。
大沢さんは懐かしい大垣行夜行鈍行に乗って、姫路・津山など中国地方を女性として旅をしました。
読者旅行記『一粒で二度美味い』です。 『くいーん』1993年12月号に掲載されたものです。
「やった! 上がり」「おっと! またですかい。お姉さん強いね。あれ、そりゃないぜ。え? やだやだ、うそ!」
と言っている間に、あれよあれよと大貧民への下り坂を転がり落ちて行く私(トランプの最中)。熱くなり、男言葉に戻ったり、女言葉になったり、一度大貧民に落ちた私に、容赦無く襲ってくる彼女達の弱い者いじめ。
私、大沢恵美は、5月1日の夜から4日にかけての4日間、全て女の子で旅をしてまいりましたので、今日はその報告をさせていただきます。
5月2日、0時7分、霧雨の降るちょっと寒いJR横浜駅の東海道線ホームから、大垣行に飛び乗った私。ちょっぴり不安。なぜってそれは、数日前に誤って切り過ぎてしまった髪の毛のせいです。すっかり男の子になってしまったため。気になる周りの反応。ところが、心配御無用でした。ほとんどの人が気付いてないみたい(ただ単に無視していたのかな)。混んでいるんで、皆それどころじゃないのかもね。ちょっぴり残念。でも、案外入れ替えが激しかった事もあって、茅ケ崎駅で座ることができました。やれやれ 一段落。安堵の気持ちとともに睡魔が襲って来て、不覚にも寝入ってしまいました。
ふと気が付くと、列車は静岡駅に到着した所でした。何だか団体さんが乗って来たらしく、戸が開くと同時に一気に騒がしくなりました。「あの、すみません。こちら空いてるでしょうか」と声をかけて来たのは女の子4人組。「え、ええ……」と答えるが早いか、荷物を網棚に乗せ、さっさと座ってしまいました。驚いた事に、私の前の席には、詰めて3人座ってしまったではありませんか。私は圧倒されて、窓際で小さくなっていました。彼女達には、向かいのボックスシートにも、男3人、女1人の仲間がいました。さて、皆で何人でしょう?。なんてことは、平成教育委員会でないので、さして重要ではありませんね。
本題へ戻ります。それから、彼女達はトランプを始めだしました。私がやりたそうな目をしていたのを察してか、入るように誘ってくれました。「シメシメ、気付いてないな」と思ったその時、仲間の一人が不思議そうな目をして見つめているのに気付きました。もう限界だと察した私は、とっさにウインクとVサインを贈ってしまいました。と同時に驚きと爆笑の渦。
「えっうそ! 男の方なんですか。へえ! 似合ってますよ。足だって奇麗だし、その胸本物?」てなわけで、足は触られるわ、胸はもまれるわ、握手は求められるわで、しばらくは大変。トランプどころではありませんでした。でも、これがきっかけで、すっかり打ち解けられて、楽しい一時を過ごす事ができました。
大垣から各駅停車を乗り継いで大阪へ。この日は曇りだったこともあって、梅田の地下街で軽いショッピングなどをしてゆっくりした後、向かいました。
「実は私の弟も女装願望があるみたいなんです」と打ち明けてくれたのは、姫路 に行く途中の列車の中で、知り合った女の子2人組みの内の一人。どうやら彼女、弟可愛いさに、幼い頃の弟にスカートを履かせてみた事があったそうです。弟さんは現在高校3年で、来春大学受験を控えているので、姉としてはとても心配な顔で、悩みを語ってくれました。私も当時は、弟さんとちょっと似た境遇でしたし、弟さんの今の状況が大体想像できました。そこで、彼女には、「今の所その程度なら、さして問題はないし、逆に問い詰めて、頭から止めさせたりしたら、かえっておかしい方向に向かってしまいますよ。聞けば成績も良いみたいなので、ここは一つ、お姉さんとしては、来春受験が終わるまで、黙って暖かく見守ってあげて下さい。そして、大学受験が終わった時に、優しい口調で問いかけてみては」とアドバイスして、クイーン誌の存在を教えてあげました。彼女素直にうなずいてましたけど、この時、皆さんでしたら、どう答えてましたか。
姫路駅についたのが、夕方の6時。
大変! 何処も満室。泊まる宿がないが‥ 雨の降りしきる中、隈無く探して、 十数件目にやっと見つかる。ところが、これが旅館。旅館と言うのは、ホテルと違って大体がバス、トイレ、洗面所全て部屋と別ですよね。旅館の人は私が女だと思っているのか、案内された風呂が女湯だったのにはビックリしました。おまけに、仲居さんが食事、布団と、ちょくちょく見えるので、おちおち化粧も落とせない。結局、夜寝る前に、こっそりと洗面所へ行ってメイクを落とし、翌朝一番で、仲居さんが食事を運んで来る前に、メイクを仕上げました。(続く)
このブログでも、九州旅行、鬼怒川旅行、京都旅行と『くいーん』誌に掲載された女装旅行体験記を紹介してきました。
普段は男性として生活している人がまったく別の人格となって旅行する。
そのドキドキ感とそこからの体験や新たな気づきを得る。
こうしたことが好きなんですね。
ということで、今回も1993年の『くいーん』誌に掲載された大沢恵美さんの旅行記をご紹介します。
大沢さんはすらりとしたスリムな美人です。
ショートの髪形もお似合いです。
大沢さんは懐かしい大垣行夜行鈍行に乗って、姫路・津山など中国地方を女性として旅をしました。
読者旅行記『一粒で二度美味い』です。 『くいーん』1993年12月号に掲載されたものです。
「やった! 上がり」「おっと! またですかい。お姉さん強いね。あれ、そりゃないぜ。え? やだやだ、うそ!」
と言っている間に、あれよあれよと大貧民への下り坂を転がり落ちて行く私(トランプの最中)。熱くなり、男言葉に戻ったり、女言葉になったり、一度大貧民に落ちた私に、容赦無く襲ってくる彼女達の弱い者いじめ。
私、大沢恵美は、5月1日の夜から4日にかけての4日間、全て女の子で旅をしてまいりましたので、今日はその報告をさせていただきます。
5月2日、0時7分、霧雨の降るちょっと寒いJR横浜駅の東海道線ホームから、大垣行に飛び乗った私。ちょっぴり不安。なぜってそれは、数日前に誤って切り過ぎてしまった髪の毛のせいです。すっかり男の子になってしまったため。気になる周りの反応。ところが、心配御無用でした。ほとんどの人が気付いてないみたい(ただ単に無視していたのかな)。混んでいるんで、皆それどころじゃないのかもね。ちょっぴり残念。でも、案外入れ替えが激しかった事もあって、茅ケ崎駅で座ることができました。やれやれ 一段落。安堵の気持ちとともに睡魔が襲って来て、不覚にも寝入ってしまいました。
ふと気が付くと、列車は静岡駅に到着した所でした。何だか団体さんが乗って来たらしく、戸が開くと同時に一気に騒がしくなりました。「あの、すみません。こちら空いてるでしょうか」と声をかけて来たのは女の子4人組。「え、ええ……」と答えるが早いか、荷物を網棚に乗せ、さっさと座ってしまいました。驚いた事に、私の前の席には、詰めて3人座ってしまったではありませんか。私は圧倒されて、窓際で小さくなっていました。彼女達には、向かいのボックスシートにも、男3人、女1人の仲間がいました。さて、皆で何人でしょう?。なんてことは、平成教育委員会でないので、さして重要ではありませんね。
本題へ戻ります。それから、彼女達はトランプを始めだしました。私がやりたそうな目をしていたのを察してか、入るように誘ってくれました。「シメシメ、気付いてないな」と思ったその時、仲間の一人が不思議そうな目をして見つめているのに気付きました。もう限界だと察した私は、とっさにウインクとVサインを贈ってしまいました。と同時に驚きと爆笑の渦。
「えっうそ! 男の方なんですか。へえ! 似合ってますよ。足だって奇麗だし、その胸本物?」てなわけで、足は触られるわ、胸はもまれるわ、握手は求められるわで、しばらくは大変。トランプどころではありませんでした。でも、これがきっかけで、すっかり打ち解けられて、楽しい一時を過ごす事ができました。
大垣から各駅停車を乗り継いで大阪へ。この日は曇りだったこともあって、梅田の地下街で軽いショッピングなどをしてゆっくりした後、向かいました。
「実は私の弟も女装願望があるみたいなんです」と打ち明けてくれたのは、姫路 に行く途中の列車の中で、知り合った女の子2人組みの内の一人。どうやら彼女、弟可愛いさに、幼い頃の弟にスカートを履かせてみた事があったそうです。弟さんは現在高校3年で、来春大学受験を控えているので、姉としてはとても心配な顔で、悩みを語ってくれました。私も当時は、弟さんとちょっと似た境遇でしたし、弟さんの今の状況が大体想像できました。そこで、彼女には、「今の所その程度なら、さして問題はないし、逆に問い詰めて、頭から止めさせたりしたら、かえっておかしい方向に向かってしまいますよ。聞けば成績も良いみたいなので、ここは一つ、お姉さんとしては、来春受験が終わるまで、黙って暖かく見守ってあげて下さい。そして、大学受験が終わった時に、優しい口調で問いかけてみては」とアドバイスして、クイーン誌の存在を教えてあげました。彼女素直にうなずいてましたけど、この時、皆さんでしたら、どう答えてましたか。
姫路駅についたのが、夕方の6時。
大変! 何処も満室。泊まる宿がないが‥ 雨の降りしきる中、隈無く探して、 十数件目にやっと見つかる。ところが、これが旅館。旅館と言うのは、ホテルと違って大体がバス、トイレ、洗面所全て部屋と別ですよね。旅館の人は私が女だと思っているのか、案内された風呂が女湯だったのにはビックリしました。おまけに、仲居さんが食事、布団と、ちょくちょく見えるので、おちおち化粧も落とせない。結局、夜寝る前に、こっそりと洗面所へ行ってメイクを落とし、翌朝一番で、仲居さんが食事を運んで来る前に、メイクを仕上げました。(続く)