女装子愛好クラブ

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女にされたジョージ③

2024年11月05日 | 女装小説
おはようございます。
『女にされたジョージ』のご紹介も今回で終了です。

女にされたジョージ③
――女装。
 ジョージ・F・シナモンは、その隠れ家で、その密かな愉しみを知った。、
 いや、そればかりではない。
 彼は、リズの亭主であるグリーンから、他人には云えない快感を教わったのだ。
 グリーンは、ギャングのくせに、いわゆる両刀使いであった。
 夜遅く、山小屋に戻って来たグリーンは、二階の寝室へ入って来て、女装しているジョージをみると、
「こりゃあすげえ! 別嬪さんだ・・」
 と舌なめずりし、いきなり、彼を抱いて唇を吸いつけたのだ。
 生まれてはじめて、踵の高い女の靴をはいた彼は、よろけまいとするのに精一杯で、そのうち息を詰まらせそうになる。
 グリーンは、
「お前、まだ男の味を知らねえだろう」
 と云い、ベッドの上に彼を押し倒したのであった。
 ジョージは抵抗した。
 しかし、抵抗しながらも、なぜか自分でも合点がゆかないくらいに、昂奮してしまったのだった。
 グリーンは、パンティを引き剥いだ。
 そしてやにわに、ジョージの繁みに顔を埋めたのだ・・・・。
 彼は、途方もない恍惚境を彷徨った。
 ジョージは、そのときまで、オナニーすら知らない初心な子供であったのである。
 グリーンは、着ているものをぬぎ捨てて、隆起した部分と、ジョージのアナルにクリームを塗りたくった。そして彼におおいかぶさったのである。
 苦痛のー瞬が訪れた。
 ジョージは、のけぞった。
 グリーンは唇を吸いつけながら、ジョージの火のように熱くなった部分を、ゆっくり愛撫するのだった。
 苦痛と洗惚とが、混ざり合って、十六歳の少年に襲いかかる。
 やがて苦痛の方がうすらぎ、恍惚の旋律が高鳴りはじめた。
 少年は、自分がー匹の胡蝶に、化身して行くのを知った。
 瞼の裏に、華やかな幻想模様が浮き上り、ぐろくると渦巻きはじめて行く。
 少年は、低く呻いた。
 と同時に、背筋を刺すような、鋭い快感が走り抜けて行き、すべては終った。
 グリーンは微笑し、
「さあ、これで、お前は俺の女になったわけだ・・・・」
 と云い、今度は優しく接吻して来る。
 ジョージは夢中になって、接吻に応えたのである。


 グリーンはその夜、情婦のリズを放ったらかしにして、ジョージを愛しつづけた。
「いいか。女に惚れるんじゃねえぜ。それよりも、女になって、男に可愛がられた方が、どんなにましか知れやしない」
 グリーンはそう云いつづけた。
 ジョージが微睡んだのは、夜明け近くである。
 リズは、自分の亭主から、ジョージが愛欲の対象にさせられたことを、百も承知しているくせに、平然として、昼どろ目覚めたジョージに、
「さあ、お風呂に入って・・・・」
 と、昨日と同じく、まめまめしく仕えて呉れたのだった。
 昨日とーつだけ違うことは、パンティをはく前に、
「痛むんじゃないかい?」
 と云って、薬品をたっぷり塗り込んだ脱脂綿を、ある部分にあてがって呉れたことだけである…。
 グリーンは逃避行の五日間のあいだ、夜はジョージを独占した。
 ステーション・ワゴンで移動するのだが、大胆にもグリーンは、女装したジョージを連れて、田舎町のレストランに入ったりしたものだ。
 誰も、彼が男であるとは思わなかった。
 可愛らしいハイティーンのお嬢さんと思って呉れたようである。
 
 この五日間の体験は、ジョージ・F・シナモンの人生を、すっかり狂わせてしまったのであった。
 第一に、女性に対する欲望を、すっかり喪わされてしまったのだ。
 逞しい男性に、荒々しく抱擁されてみたいとか、エレクトした部分に入念な接吻をしてみせたいとか、考えるような人間に改造させられてしまったのである。
 次に、男性の着る物に対して、なんとなく嫌悪感を抱くようになったことであろうか。
 父親の命令で、大学に進んだころから、ジョージは最速、その欲望に耐えきれなくなったのだった。
 髪の毛を、女性のように伸ばしはじめたのは、そのためである。
 ちょうど、ビートルズの影響で、男性の長髪は流行しはじめていたから、逆の意味で好都合だった。
 そして、髪の毛が長く伸びると、ジョージはパーマをかけ、化粧をし、上から下まで女性の衣類を身に纏って、完全な女になりきったのだ。
 そして父親に買って貰ったビバリー・ヒルズの家で、女として暮しだしたのだった。
 この家の中で、ジョージはー人の女性であった。そして同棲する相手の男に対して、妻の形で献身的に仕えたのである・・・・。
 梶山季之著「男を飼う<鞭と奴隷の章>」(集英社1969年刊) から引用



 苦痛のー瞬が訪れた。
 ジョージは、のけぞった。
 グリーンは唇を吸いつけながら、ジョージの火のように熱くなった部分を、ゆっくり愛撫するのだった。
 苦痛と洗惚とが、混ざり合って、十六歳の少年に襲いかかる。
 やがて苦痛の方がうすらぎ、恍惚の旋律が高鳴りはじめた。
 少年は、自分がー匹の胡蝶に、化身して行くのを知った。
 瞼の裏に、華やかな幻想模様が浮き上り、ぐろくると渦巻きはじめて行く。
 少年は、低く呻いた。
 と同時に、背筋を刺すような、鋭い快感が走り抜けて行き、すべては終った。

このシーン描写はロマンチックですね。
梶山季之先生の筆力の深さを改めて感じます。
コメント
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