女装子愛好クラブ

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読者旅行記『一粒で二度美味い』②

2024年11月18日 | ★女装体験記
姫路ではホテルが取れなくて大変だった恵美さん。
なんとか切り抜けて、姫路城に向かいます。

5月3日。
てなことで、旅館を後にした私は、一路姫路城へ。今日も今にも振りだしそうな空。「いけずやなあ」。それにしても、さすがに人が多い。時期外れの修学旅行かしら。学生さんがちらほら。
「ちょっとそこのお姉さん,一緒に入らへんか」と声をかけられ、ついVサインで写真の中に入ってしまう私。「お姉さん、こっちも」とまた何処かで。私はきっと、彼らの卒業アルバムに載ってしまうんですね。
 姫路城を後にした私は、姫新緑で一路津山へ。信州の山並みのように、そびえ立つといった感じではないのですが、山間をぬって走る車窓からの風景は、中国山地独得な良さがありますよ。「今度皆さんも、きんちゃい」。列車にゆられること2時間。この日は、津山で一泊。

 5月4日、やっと晴れて、初夏の日差しが心地好い。駅のコインロッカーに荷物を預けて、市内をぶらぶら。8年ぶりに訪れる地は、思っていたほど変わってなく、素朴さを残していました。津山を後にした私は、姫新緑で本竜野へ。竜野は醤油の里と同時に、播磨の小京都と呼ばれた古い城下町。駅前のレンタサイクルで自転車を借りた私は、市内をサイクリング。良く晴れたせいか、日向はだいぶ暑くなって来ているものの、素肌にあたる風は、まだ冷んやりしていてサイクリングには最適。自転車に乗って明治、大正にタイムスリップした気分。醤油樽の前で写真を一枚。

「あれ、私何でハンドバックとカメラしか持ってないのかしら?。あっ‥ 津山のロッカー」。そしてまた一路津山へ。スゴロクをしている気分です。津山に着いたのは、3時を回っていました。もう帰りの列車を待つしかなく、ベンチに腰を落とし、うなだれていました。すると、一人の女の子が、足早に近寄って来ました。そして私を見るなり、「ねえ、男の人ですよね」といきなり。私は不意を突かれて言葉にならず、ただうなずくと、「やっぱりそうじゃ。いゃ~私、前からこうゆう人に会ってみたかったんやわ」。てなわけで岡山までの1時間半、質問の嵐。
 「性転換しようとは思わないの」の究極の質問に、「女性が好きだし、自分の子供が欲しいので、しようとは思わないけど、どうしても好きになってしまった女性が超レズで、男を受け付けなくて、でもお互いどうしても好きになってしまって、『お願い。ねえ、お願いだから、私のために女になって……』てせがまれたら、性転換してしまうかも知れません」て答えたら、飲んでたジュースを噴いてしまうほどうけていました。

 彼女とは、岡山の駅で別れ、新幹線で帰路に。ところが、ゴールデンウイークも終わりにさしかかっていることもあって、車内は超満員。途中乗ってきた子連れのお母さん。荷物に腰掛け、こっくり居眠りを始めました。子供がたいくつそう。そこで、持っていたパンフレットの紙で折り紙をして、遊んであげました。特に、紙鉄砲や、兜が気に入ったみたいです。ニコニコ笑って遊んでいたけど、彼の目に私はどう写っていたのかな。

 東京駅に、無事到着。とうとう最後まで、立ちっぱなしでした。こうして今回の女装一人旅も、無事幕を閉じました。天気にはあまり恵まれませんでしたが、旅先で出会った皆さん、暖かい方々ばかりでしたので、楽しく旅を終えることができました。心から感謝しています。

 今回で、女装の旅は5回目ですが、4日間全て女装で通したのは、初めてでした。終わった後、「もう女の子なんてなりたくない」て思ったのに、またすぐに…。
エピローグ
 カラオケもしたいし、大好きなプロ野球も見に行きたい。映画にも行きたいし、旅にも出たい。買い物もしたいなあ~。もちろん女の子にもなりたいし。
 でも、多忙な私には時間がない。さてどうする!?
 「え~い、女装でやっちゃえ!」
 というのが、そもそもの始まりです。皆さんも困った時は、趣味と趣味の組み合わせをやってみては。そこからきっと、何かが生まれますよ。(了)
               出所 『くいーん』 1993年12月号


この大沢さんの旅行記、自然体のところがいいですね。
そしてオープンマインドで旅で出会った人たちと気軽に話しています。
こうした肩の力を抜いた女装旅行記も大いに参考になります。






コメント
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