おはようございます。
勤労感謝の日です。
晩秋の晴天がきれいです。
どこか旅にいきたくなりますね。
前回に引き続き、『くいーん』1993年12月号から女装旅行のお話を紹介します。
お書きになられたのは静さん。
女装旅行の大ベテランで、編集長さんが執筆を依頼したようです。
女性としてすごす旅へのアドバイス
エッ、あたしが書くの?
あたしは旅ばかりしているけれど、特殊な条件での旅だから参考にならないわ。
と辞退してみたものの、編集長さんにお会いしてしまえば断わりきれません。
さらに、紙面の制限がとても厳しいの。具体的な例でお話する余裕はないわ。
旅のハウツーはその目的で道うんだけど、何せ、気苦労の多い旅ですものね。
私の場合 あたしには悪い条件が多すぎると思っているのよ。もちろん家には内緒なのだけど事情があって、どこに居ても毎日家と交信しなければならないの。悲しい宿命だわ。だからホテルのチェックインは本名でないとダメ。
一さい合さいを詰めたE亀戸店のロッカーの中にある重たい鞄は前夜、駅のコインロッカーヘ。
元来鉄道マニアだから列車の旅。私の基地となるホテルヘ男装でイン。着替えて外出。翌日は日帰りの旅。といっても今は速い列車があるから、かなり遠くまで行けるわ。チェック・アウトも男姿なので同じホテルに二泊以上しないと遊んでいる時がないの。
旅にはお金と暇が必要。私はこの点だけば恵まれているから、有利な点で不利な点を補っているわけよ。
ホテル
例外のない話はないけれど、一般的に高級シティーホテルはショッピングアーケードやレストランなどがあり、宿泊客でない人々も多数出入りしているから目立たないし、ルーム・キーを預けないで出入りするのには好都合。イン・タイムは早く、アウトータイムは遅い傾向もあって、雨でもホテルライフを楽しめるわよ。但し、いわゆる観光ホテルは全くダメ。小さいホテルほどイン・タイムが遅く、掃除係が遅くまで廊下を右往左往していて外出しにくいこともあるわ。
乗り物
特急列車等は座席が全員前向きだから気楽だわ。窓側の席に座ると通路側の客が景色を眺めながら至近距離で、横顔をじっくり観察してくれるかもしれません。自信のない人は要注意。トイレは性別がないわけだから、なるべく車内で利用しておく。
近頃の寝台特急は個室があるから、車掌さんの検札が済んだら変身してロビー等で楽しむ。A個室なら室内に洗面台もあるわよ。
ローカル線や地下鉄では混んでいても案外平気。空いている方が視線を浴びやすそう。でもラッシュアワーとなると、スリルも楽しめるけれど目的駅が待ち遠しい。それと注意するのは下校時間帯。女子高生の集団が最もイヤラシイ相手だわ。
タクシーは声を克服できれば気楽な乗り物ね。
写真
セルフタイマーで苦心していると「撮ってあげましょうか」と声をかけてくれる人(老若男女)が意外に多い。カメラによっては、セルフの解除を忘れると相手もあわてるし、当方も「アラッ、セルフのままだわ。ごめんなさい」とかけより、顔と顔。指と指が触れるようにして解除することになるのでご用心。私も前のカメラの時やっちゃったけれど、これでバレたという気配はなかったわ。
アベックを見つけたら「お二人で……お撮りしましょうか?」と積極的に声をかけて撮ってあげれば、その後で「私のもお願い……」と頼みやすくなるわ。これは私も毎度やっているの。写真は末永く楽しめるから放の思い出にぜひ。
続きます

執筆者の静さん
勤労感謝の日です。
晩秋の晴天がきれいです。
どこか旅にいきたくなりますね。
前回に引き続き、『くいーん』1993年12月号から女装旅行のお話を紹介します。
お書きになられたのは静さん。
女装旅行の大ベテランで、編集長さんが執筆を依頼したようです。
女性としてすごす旅へのアドバイス
エッ、あたしが書くの?
あたしは旅ばかりしているけれど、特殊な条件での旅だから参考にならないわ。
と辞退してみたものの、編集長さんにお会いしてしまえば断わりきれません。
さらに、紙面の制限がとても厳しいの。具体的な例でお話する余裕はないわ。
旅のハウツーはその目的で道うんだけど、何せ、気苦労の多い旅ですものね。
私の場合 あたしには悪い条件が多すぎると思っているのよ。もちろん家には内緒なのだけど事情があって、どこに居ても毎日家と交信しなければならないの。悲しい宿命だわ。だからホテルのチェックインは本名でないとダメ。
一さい合さいを詰めたE亀戸店のロッカーの中にある重たい鞄は前夜、駅のコインロッカーヘ。
元来鉄道マニアだから列車の旅。私の基地となるホテルヘ男装でイン。着替えて外出。翌日は日帰りの旅。といっても今は速い列車があるから、かなり遠くまで行けるわ。チェック・アウトも男姿なので同じホテルに二泊以上しないと遊んでいる時がないの。
旅にはお金と暇が必要。私はこの点だけば恵まれているから、有利な点で不利な点を補っているわけよ。
ホテル
例外のない話はないけれど、一般的に高級シティーホテルはショッピングアーケードやレストランなどがあり、宿泊客でない人々も多数出入りしているから目立たないし、ルーム・キーを預けないで出入りするのには好都合。イン・タイムは早く、アウトータイムは遅い傾向もあって、雨でもホテルライフを楽しめるわよ。但し、いわゆる観光ホテルは全くダメ。小さいホテルほどイン・タイムが遅く、掃除係が遅くまで廊下を右往左往していて外出しにくいこともあるわ。
乗り物
特急列車等は座席が全員前向きだから気楽だわ。窓側の席に座ると通路側の客が景色を眺めながら至近距離で、横顔をじっくり観察してくれるかもしれません。自信のない人は要注意。トイレは性別がないわけだから、なるべく車内で利用しておく。
近頃の寝台特急は個室があるから、車掌さんの検札が済んだら変身してロビー等で楽しむ。A個室なら室内に洗面台もあるわよ。
ローカル線や地下鉄では混んでいても案外平気。空いている方が視線を浴びやすそう。でもラッシュアワーとなると、スリルも楽しめるけれど目的駅が待ち遠しい。それと注意するのは下校時間帯。女子高生の集団が最もイヤラシイ相手だわ。
タクシーは声を克服できれば気楽な乗り物ね。
写真
セルフタイマーで苦心していると「撮ってあげましょうか」と声をかけてくれる人(老若男女)が意外に多い。カメラによっては、セルフの解除を忘れると相手もあわてるし、当方も「アラッ、セルフのままだわ。ごめんなさい」とかけより、顔と顔。指と指が触れるようにして解除することになるのでご用心。私も前のカメラの時やっちゃったけれど、これでバレたという気配はなかったわ。
アベックを見つけたら「お二人で……お撮りしましょうか?」と積極的に声をかけて撮ってあげれば、その後で「私のもお願い……」と頼みやすくなるわ。これは私も毎度やっているの。写真は末永く楽しめるから放の思い出にぜひ。
続きます

執筆者の静さん