女装子愛好クラブ

女装小説、女装ビデオ、女装動画、女装記事などを紹介していきます。

女装妻とのフルムーン旅行①

2024年08月27日 | ★女装体験記
先日、国会図書館で『くいーん』のバックナンバーを机に積み上げて読み込んでいたところ、熟年のカップル(時雄さんと由貴さん)の旅行記を見つけました。年齢は熟年でも高校生の恋愛のような初々しさが感じられる素敵な旅行記です。
くいーん編集部も工夫をして、最初に時雄さん、そして次のページに由貴の文章を載せています。
女装妻とのフルムーンが男女(女装子)の両面から描かれるという興味深いものになっています。
今日から4回にわたりご紹介します。

〇フルムーンカップル記
 神奈川 時雄(仮名)

 デートの約束もOK、との返事がいきなりくるなんて思ってもいなかった。もしかして担がれているんではないか。半信半疑で指定の喫茶店まで出向いた。と、いるではないか。Q誌で見馴れ、実に2年以上もの間、ひそかに憧れ続けて来た彼女が、白いテーブルの前に、端然と座っているではないか。ドキドキッ。
 ”由貴さんですか”震えて上ずった調子は声にはなっていなかった。本来なら男と男の対面、何の事はない筈なのに、この激しいときめきは一体何なのか。
 ”はい”の返事があったのだろうが、彼女がその時何と答え、私がその後付を続けてしゃべったのか記憶には全くない。とにかくこの日の来る事をいかに焦れ待っていたかを、私は支離滅裂ながら誠心誠意、懸命に訴えていたに違いない。
 彼女との事実上の交際は、このようにして始まったのである。

 “御苑にでも行きましょうか”彼女の冷静な言葉に促されて、正気をとり戻した私は腰を上げた。支払いを済ませた彼女の後に従う私。デートの費用を女性に負担させるなんて、男として最低ではないか。垢抜けない旧世代の哀しさで、やることが、土台野暮とは自認しているものの、何とも情けない次第である。反省!
 
 メトロプロムナードで行き交う人々の中を、彼女は臆せずに堂々と歩く。グリーンのV襟ノースリーブのセーターに花柄模様のフレアースカート姿の彼女、不審の目を向ける者は1人もいない。周囲に調和して違和感は全くない。
 私達はフルムーンカップルである。女性を演じる彼女の表惰に幸福感が溢れる。共感の悦びは、男性役の私にも当然沸沸と湧く。歩きながら、時折、腕が触れ合う。ビリビリッと電気が走る。官能の刺激。古い世代の私には到底無理だが、もし、若い世代なら、こんな時どんな行動に出るのだろうかと思う。
 エスコート役に不慣れの哀しさ。彼女より後れて後姿を見る位置に立つことがある。V襟で露出した背中の部分が和装美人の抜き襟の色気を漂わせて嬉しい。カップルの記念写真を撮り、暫く歩いてから帰途につく。電車の中、向かいの席の老若男女は全然私達に注目しない。彼女は満足なのか。不満なのか。私は大満足、実に痛快である。もっとも私の所為ではないのだが。

 四度目のデートで幸運にも一泊旅行が実現した。女神が私達に微笑んでくれたのだ。計画性はゼロだったが、収穫は多かった。行き先未定の旅行にはアバンチュールが期待出来る。彼女のようなハイレベルの女読者には未知の不安が魅力となって気分も高揚するだろう。
 『くいーん』1992年 2月号

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 美人女装子・恭子さまのビキニ | トップ | 女装妻とのフルムーン旅行② »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿