木漏れ日の雑木林

金剛山の西山麓で里山の保全活動を行っています。自称若者集団ですが、実態は?

畦道には彼岸花

2023年09月21日 05時52分14秒 | 棚田

彼岸花、別称を地域によっては曼珠沙華とも呼ぶ。初秋を代表するような野草である。多くは田圃の畦道に咲き誇り、黄金色の稲穂と対を為してもいる。理由は経緯があって、彼岸花を植え付けつけたそもそもの事情が野ネズミやモグラ対策にあったようだ。ご存じのように野ネズミは雑食性、主に穀物類を主食とする、狙うのが大量に存在する稲穂や籾類なのだ。田圃の稲穂など外敵も少なく、打って付けの食料であろう。そこで活用されたのが彼岸花、その持っている毒性で田圃への野ネズミの侵入を防止しようと考えた模様だ。神社によっては狛犬代わりにキツネを祭ってる所もあるが、同様事情によるのだろう。

彼岸花の特徴は真っ赤な大輪の花を咲かせることだ。地域によっては白や黄色の花もあるようだが、大半は赤色。それも花だけの存在で葉は見られ無い。従って独特な形状であり、中には忌み嫌う者も存在する。子狸も苦手なタイプ、畦道に咲き誇っていても摘み取ろうとは思わない。良く墓地に咲いている事もあるので、死者の花とも思われたようだ。土葬だったその昔、遺骸をネズミから守るために植え込まれた模様。ただ遠目には綺麗な花で、接近しない限り眺める分には支障ない。初秋の農村風景として撮影も行うのが通例、遠目には結構絵になるのだ。

何枚かの画像を挙げておくが、稲穂とのコントラストは結構様になってるでしょう。かくして彼岸花を敬遠しながら撮影は行うのだから、身勝手なものである。彼岸花は文字通り、お彼岸の頃に咲く。季節を伝える花でもある。この花が咲き出したら稲刈りの季節でもあるのだ。かくして彼岸花と稲刈りと秋祭りとが同じ頃の風景、農村を代表するような光景でもあるのだ。秋の風物詩でもあるだろう。

村中でも彼方此方で咲き出した。当地はほぼ全てが赤色で、別色の彼岸花は見当たらない。お隣の河南町で黄色の彼岸花を見掛けた事があるが、今も健在であろうか。茎は枯れても球根は残るようで、現在も同地に花を咲かせているのでは・・・・・と想像しているのだが。

千早赤阪村も秋色に染まってきた。待望の稲刈りも間もなく始まる。そして収穫が終わると秋祭りの季節、当地では10月の第三土日が祭礼日だ。大阪でも一番遅い秋祭りであろう。やはり山間部の冷涼な気候で、収穫にも時間を要した事情によるのだろうか。ともあれ秋祭りが終わってタマネギやエンドウを植え込むと年内農作業も大半が終了だ。静かな農閑期と寒冷な冬場へと季節は巡っていく。

 

 

 

 

 

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初秋の棚田

2023年09月08日 05時42分59秒 | 棚田

緑一色だった棚田地帯が、何時しか黄色みを帯びてきた。田園風景も様変わりの模様だ。当地は階段状の狭小な田圃が多い。数量的には僅かとはいえ米作地帯と言っても過言では無いだろう。米中心の稲作地帯が収穫の時期を迎えつつあるのだ。当地の稲刈りは10月の初旬位、残すところ一ヶ月も無い。コンバインやバインダーが走り回るのも間もなくなのだ。

我々も共同で稲作に従事していた。預かった田畑の一部に田圃があり、条件的にも稲作専用の耕地であった。十数年継続して、諸事情の故別の仲間達に引き渡したのだが、しんどいが楽しみな作業でもあった。とりわけ秋の収穫時が大きな喜びであったのは言うまでも無かろう。30キロ入りの玄米袋で一人当たり4~5袋もあっただろうか。持ち帰るのに難儀したのを覚えている。車に積み込むのが大変だったのだ。米作りは野菜栽培とは異なり、充足感と安堵感の実感がまるで別物だった。やはり主食の獲得は人間にとって大きな満足感をもたらすようで、給料日に口座の数字を確認するのとは別格の喜びなのだ。

条件的に許されるのであれば、やはり主食の栽培に挑戦すべきだろう。自分たちが食べる物を自分たちの手で栽培する、これほど確かな生き様も無いだろうかと思う。積み上がった米袋からは安心と喜びがもたらされる。家族にとっても生き残れる確約であり、向こう1年間の安心料でもある。縄文・弥生の昔から営々と続けられてきた営みだが、次第に継続が困難となりつつあるのが残念だ。あと10年もすれば田園風景も様変わりしてしまうのかも。

日照通風の差異によるのか、同じ村内でも黄色みの色合いが異なっている。黄金色に近いものから緑に近いものと相違はあっても稲刈りはほぼ同一時期だ。残る1ヶ月程で差異も収束してくれるのだろう。我が国は、かって「黄金の国ジパング」とも評価されたとか何とか、南蛮人達が何を見てそう思ったのか不思議だが、一つには黄金色に波打つ稲穂の群落からイメージしたものかもと。

棚田地帯も黄金色に近づいてきた。「黄金の国ジパング」が目の前に出現するのも間もなくであろう。稲作に従事した訳では無いが、稲穂の実りは我々にとっても大きな喜び、事故や災害にも遭遇せず、1年間を慎ましく乗り切ってきた証でもあるのだ。祭り太鼓が鳴り響くのも間もなくだろう、秋空の下、収穫の喜び組みに仲間入りしようかなと思っている。

 

 

 

 

 

 

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昼間の棚田百選地は?

2022年11月16日 05時24分05秒 | 棚田

昨日、「棚田夢灯り」についてレポートさせてもらったが、何せ闇夜の世界なので現場状況がお解りにくかったかと思う。其処で農園への出勤前に立ち寄り、画像に納めてみた。空は晴れ渡り、涼やかな気候に野鳥の声も聞こえ、快適な環境だ。ご同輩の方もおられるようで、バズーカ(超望遠レンズ)と小型双眼鏡とを引っ提げたカメラマン氏も遊弋中だ。野鳥の生態を狙っておられる模様。消防署横にミニ公園があって4~5台の駐車スペースがある。其処に止めさせてもらって徒歩での移動。長閑な散歩道だ。

会場である「赤坂の棚田」までは農道漫歩が10分程度、程なく到着する。まだ祭りの後始末は未了とみえ、ローソク用の筒が田圃には残されたままだ。祭り後、雨となったので作業が遅れているのだろう。撮影中の方が2~3名おられた、子狸と同様な発想かも知れない。現場状況は画像でご確認頂くとして、下赤坂城趾からは見下ろすような格好となる。まがりくねった大小様々な棚田が連なり、何とも見事な景観を醸し出している。「棚田百選」に選出されるのも宜なるかなと思える。

田圃の畦にはいって撮影をとも思ったが、現場はまだ雨の滴が残っており、スニーカーでの行動はびしょ濡れの可能性があって断念した。緑が残る田圃に白いローソクの筒、何とも綺麗だ。闇夜の灯りも素晴らしいが、終了後の「片付け未満」の現場も撮影ポイントになるのかな、と。何度も通う「赤坂の棚田」だが、最も美しい時期は田植え直後かと思っている。冬場は作物の姿も無く、枯れ果てたような印象だが、裏作の耕作は無い模様だ。採算が取れないので、自家用の米作りのみ行われているのだろう。それも外部からの助っ人の応援を得て、かろうじての状況だとか。

資料によると鎌倉時代には既に棚田の存在があったそうな。楠公さんも自前の米で籠城戦を戦われたのかも知れない。この界隈は太平記の舞台ともなった史跡でもある。歴史のお好きな方にとっては格好の散歩道、とりわけ朝日が昇り出す頃の時間帯は最適かと。カメラ片手に散策されることをお勧めします。

 

 

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棚田は幽玄の世界へ

2022年11月15日 05時33分08秒 | 棚田

かれこれ10年にもなるだろうか。村の夕闇のイベントが始まってから。正式には「棚田夢灯り」と称するそうだが、子狸的には「ローソク祭り」と呼んでいる。内容を一瞬で掌握出来ると思うからだ。まあ、名称的にはどうでも良いのだが、内容は数千本のローソクで赤阪の棚田を闇夜の中に浮かび上がらせ、賑わいを取り戻そう・・・・・との試みのようだ。いわゆる地域興しの一環であろう。村の人口は5000人前後、日常の人出は僅かだ。遭遇するのは農地で作業を行う高齢者の姿ぐらい、若い衆と出会うのはマレである。それが祭りの一時は別格でまるで都市部に出かけたような印象。遠方からもお越しのようだ。

会場は棚田百選にも選ばれた、赤坂の棚田地帯、楠木正成が籠城した下赤坂城趾付近と言ったら良いだろうか。車でお越しの場合は、村の運動場が特設駐車場となる。そこから会場へはシャトルバスか徒歩での移動だ.子狸も車を預け徒歩で向かった。消防署裏手の農道となるが、夕闇はまだしも帰路は真っ暗、微かなローソクの明かりを頼りに、恐る恐るの行程となる。趣旨から考えてもライトを点けるわけにもいかず、微妙な注意力が要求される。

状況は画像でご理解願えるかと思うが、上述のように数千本のローソクで棚田を闇夜に浮かび上がらせる趣向だ。例年だと中学生のバンド演奏や郷土芸能の披露なども演出されていたが、今年は簡素化されたみたい。例の流行り病を警戒して、人混みの形成を避けたのかも知れない。中には知人の姿もあって、農園活動を行ってる面々も参集している模様だ。ブラブラしながらポイントを定め、数枚の写真を撮って引き上げた。闇夜の行動は老眼の身には危険だ。早めに引き上げるのが無難だろう。

祭りは例年11月の第二土曜日に実施されるようで、確認は村役場に問い合わせるのが確実かと。少々肌寒い季節だが、ローソクの明かりで照らし出される棚田は又格別、幽玄の世界に浸ることが可能でしょう。会場は「棚田百選」にも選出された大小様々な棚田地帯、昼間の景観も見事だが闇夜の棚田はまた特別な存在でしょう。今年は終了しましたが、来年には予定に組み込まれたら如何かと。

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秋空スッキリ

2022年10月13日 05時34分34秒 | 棚田

雨模様の日々が訪れていたが、どうやら回復したようだ。東の空には真っ直ぐな直線が、飛行機雲だ。どうやら空自の戦闘機でも走った模様だ。空気が澄み渡り、山も森もくっきりと見えている。久方ぶりの晴天が広がったようだ。まさに秋たけなわといった印象、こうした天候だと作業も捗ってくる。程よく冷え、程よく暖かく・・・・まるで作業環境を設えたみたい。当然ながら仲間たちも意欲満々なようで、毎日のように出勤が続いている。タイミング的には冬野菜の種蒔き・植え付けに多少遅れる程度。物によってはまだまだ間に合う作物も。しかもエンドウやタマネギなど一定の野菜は来月が本番だ。その下準備も始めねばならない。

青空を眺めながら、エンドウとタマネギの下準備に入る。空地は確保してるのだが、夏野菜を撤去した跡そのまま、従って雑草類の根などが残ったままなのだ。ミニ耕耘機を走らせたら・・・・・そうおっしゃるかも知れないが、馬力の弱いミニ耕耘機の事、掘り起こし不能な事例も少なからず存在する。こうした場合、あらかじめ手作業で除去しておかないとマズイ結果に。何時ものパターンだが、イスに座り込みながらミニ三本クワで、やばそうな雑草類のみを掘り起こしていく。刈り取ったサツマイモの茎を積み上げて乾燥させているので、その上に重ねていくのだ。乾燥待ちで焼却の予定だが、ご存じのようにイモツルはなかなか乾燥しない。

作業を続けても夏場のように汗みどろになることも無く、心地よい状態で継続が出来るので有り難い。仲間達も良好な進行中のようで、黙々と作業を続けている。先輩方のシャキッとした姿もあり、何処まで頑健なのかと驚くような次第。多分、軽く100歳は超えられるかも。少子高齢化というが、元気な高齢者の存在は労働力のカバーになりうるのかも。中にはソフト開発に熱中される方もあるとかで、創造的な能力も衰えていない方々も存在するようだ。

スッキリとした秋空を眺めていると、つい、元気になってくるのが不思議、程よい気候の環境は気力の充実をもたらすのかも。上述のような創造力の発揮は子狸的には困難かもしれないが、なあに「草抜きの作業」なら可能だ。出来る範囲での活動だが、農園へは通い続けていこうと思っている。

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