木漏れ日の雑木林

金剛山の西山麓で里山の保全活動を行っています。自称若者集団ですが、実態は?

トラクター活躍す

2022年10月10日 05時13分17秒 | 耕作放棄地

誰にしも道具との相性、好みといったものが存在するものである。普段、使い込むのは決まって特定の道具であり、不思議と体と似合ってくるものである。農用具でも全く同様で、日々日常的に使うのは特定されてくる。無論、人に寄りけり様々で、其処には自ずと個性というか特徴が滲み出るもの。農作業では基本となるのが「耕耘作業」である。田圃や畑を起こして耕地としての機能を持たせる作業だ。道具は平野部だとトラクター、山間部だと耕耘機だろう。僻地に行くとクワやスコップとなるかも知れない。この耕耘用具、「大御所」が好むのがトラクターである。青い少し年代物のトラクター、実は廃業された農家から譲り受けた物だ。多少、故障気味た部分は存在するが、すこぶる元気で機嫌良く働いてくれる。地域が山間部の棚田地帯なので、田圃のコンバイン同様、使用場所は限られてくる。それでも大御所は愛着があるようで、可能な範囲で使い込んでいる。

棚田の地形はご存じかと思うが、狭小で歪曲した小規模な田畑が階段状に連なっている。其処にはトラクターの大敵である「段差」が存在するのだ。運転が達者な者でも段差を乗り越えるのには躊躇する。従ってと言う訳でもないが、トラクターの使用は大御所に限定されてくる。他の仲間は決して使用しようとはしないのだ。まあ、その方が安全かも。子狸も同様で、平野部ならともかく棚田地帯でトラクターを運転しようとは思わない。トラクターのバランスを量りながら段差を乗り越えるなど至難の業である。

大御所には天性の才能があるのか、嬉々としてトラクターを運転している。無論、彼の耕地でも使える場所は限られてくるのだが。車の運転と同様で、ハンドルを握るのが楽しくて仕方が無いようだ。体のいい、大人のオモチャでもある。使用効果は甚大で、少々の耕地などアッという間に耕されてしまう。確かに使い出したら、他の道具は使用できないだろう。斯くして冬野菜の段取りも短時間で完了してしまった。我々がミニ耕耘機やスコップを使いながら、遅々として進めてる作業を横目に、ニンマリと笑っている。文明の利器なのだ。

トラクターの難敵は、「段差の存在」と「農道の少なさ」、こればかりは解決の仕様が無いだろう。耕地整理が実施されれば別だが、大半の棚田では地形のままに耕作せざるを得ないだろう。事故の無きように、留意しながら楽しんで欲しいものである。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする