当地には農に関わる箴言が存在する。「祭り太鼓は土の中」なる言葉だが、意味合いはお解りだろうか。当地の秋祭りは10月の第三土日であり、まもなくだ。収穫が無事に終わった感謝と来年の豊作とを祈願する、氏神様「建水分神社」のお祭りである。流域全体から20台ほどの地車が集まる盛大なものだ。実はこの秋祭りの時期には、「ソラマメ」は土の中に存在しなければならない・・・・・・という種蒔きの時期を教える言葉なのだ。こんな箴言が出来るほど、地域にとってソラマメは重要な作物だったのだろう。ということで、今回はソラマメのお話。
箴言に従って子狸もソラマメの準備に入った。種子を2袋購入して、苗の育成準備。ポットで種蒔きし苗を育ててから畑に移植する手法だ。粒数は23個入っていた。1袋10個前後、これで300円程する。まずもってポットに灰を少し含んだ土を入れ、種蒔きしていくのだが、この方法論が独特だ。ソラマメには黒い筋があって「お歯黒」と呼ばれている。このお歯黒を地中にしてお尻を地上に・・・・・マメが半分土に埋まった状態だ。お歯黒から茎と根が出てくるようで、なんで半分地上に残すのか不思議だ。一度疑問に思って全部を地中に埋めたが、無事に発芽した。収穫にまで至ったのだから余計に不思議に思っている。
23粒の種蒔きが無事に終わったので箱に収納し、日当たりの良い場所に設置した。留意しなければならないのが「鳥害」である。何せマメが丸見えなので狙われやすいのだ。カラス等が来襲したらひとたまりも無いだろう。従って開放的で日当たりはいいが目立たぬような工夫が必要となってくる。メッシュ状の箱を上に被せ、見えにくいようにした。これで多少は目立たぬかと。メッシュ状なので、日当たりと降雨は十分恩恵が可能だ。
無事に発芽して苗が10センチ~20センチ位になったら正規の植え付け場所に移植しようと思っている、畝の準備に時間が掛かるが、発芽と成長のタイミングで補えるだろう。収穫の予想は5月頃、スナップエンドウの収穫が終わった次の出番だ。前後して実エンドウの収穫が始まる。その後はインゲンの収穫・・・・・・とマメ科の収穫が続いていく。春先から初夏に掛けては実りの時期、収穫の楽しみが待っているのだ。ソラマメは貴重な主役の一つだろう。半年以上と、時間も手間も掛かるが、ビールのお供にも夕餉の食卓にも大役を果たしてくれる貴重な食べ物、無事なる成長を。