カミさんが気に入っている本。
身の回りの出来事を達観しながら、実直に対応する成瀬の周りの人々の話。
1話目の小学生の話にぐっときた。
読みやすく楽しめる本。
すごくたくさん記録は生まれたけれども、「考え」は全然進んでいないというなら要注意のサインです。それはロギング仕事術のコンセプトから外れ始めています。記録だけしているのは楽ですし、データが増えていくのはコレクション的な楽しさもありますが、それだけであれば自分の手で記録する必要はありません。それこそコンピューターの自動的なログに頼ればいいでしょう。
大切なのは書くことを通して「考える」ことです。自動的なログでは、「考える」ことが起きにくいのです。その点は注意してください。
P.90
売れない営業は「がんばっていないから売れないのではなく、「がんばる以外のやり方が思い浮かばず、そのうえ、がんばり方を間違えているために、結果として追い詰められているのです。(P.30)
P.112
ひとつの考え方として、仏教には「命の事実」とでも言うべき理論が描かれていると見るのはどうだろう。経典には、ブッダが瞑想を通じて徹底的に自己と世界を掘り下げた結果えられたありのままの事実について、人間がりかいできるようにさまざまな表現で語られている。正しい選択肢を教えてくれるのではなく、正しい選択肢を選べるような判断力を身に付ける術をそこから読み取ることができる。というよりは、心身ともに自己と世界に対する洞察力を高めることによって、結果としてさまざまな判断力も身につくようになるといったほうがよいだろうか。だからこそ、仏教に関する知識だけでなく瞑想の方法などもともに発達してきた歴史がある。
私は、「教える/教えられる」というよ下の関係ではなくて、対話をして共感してもらうヨコの関係が相談
の本来的な特徴の1つだと考えています。(P.48)
相談内容が相手にとって興味があるのか、相談されて迷惑なのかは、相談相手に聞いてみないとわからない、としか言えないんですよね。だから、先ほどのように「まず、聞いてみたら?」とツッコミを入れるわけです。聞いてみて、無理だったら無理でいいし、受けてもらえたらラッキー。ボールをまず投げてみて、それが次につながっていけばいいのです。(P.130)
われわれに後世に遺すものはなにもなくとも、われわれに後世の人にこれぞいうて覚えられるべきものはなにもなくとも、あの人はこの世の中に生きているあいだは真面目なる生涯を送った人であると言われるだけのことを後世の人に遺したいと思います