日々の生活から

毎日の生活で感じたこと・考えたこと

「能力」の生きづらさをほぐす/勅使河原真衣著/どく社

2024-10-31 09:34:53 | 
Voicyのbook cafeに著者が対談で来ていて、手に取った本。
著者ががん闘病中に、書かれたこの本。設定が、職場で「能力がない」と言われて悩む息子に、幽霊になった母が対話する、というもの。自分なら、何を伝えられるのか?と、この設定だけでもどきどきする。
測定できない「能力」を、人材開発コンサル会社が如何に商品化しているか、そして人はその「能力」を元に評されることに弱い構造が説明される。
では、どう生きるのが良いのか。簡単な方法がないことを受け止めて、関係に生きること。簡単さに逃げないこと。
才能には発動条件がある、とたかちんが話すことに通じるものがあった。
それでも、色々できる方が良いよねと思い、本を読み続けよう。
これまでは「自分のできることを増やす」ことばかりに目を向けがちだったが、人との関係についても働きかけよう、と思えた。

ロギング仕事術/倉下忠憲著/大和出版

2024-10-25 19:55:53 | 
会社のPodcast好きが勧めてくれたナレッジスタックで、ログを書きながら仕事を進める方法がよく語られている。
私も書くことが好きなので、書くことを仕事の中にどう組み込むのか?と思っていた所、書籍化がされていた。著者のPodcastを聞いて、手に取った。
一日の始まり、1時間ごとに、人に語り掛けるように記録する。記録があるから、続きや割込みやよそ事から戻って来られる。記録があるから振り返りができる。考えられる。
すごくたくさん記録は生まれたけれども、「考え」は全然進んでいないというなら要注意のサインです。それはロギング仕事術のコンセプトから外れ始めています。記録だけしているのは楽ですし、データが増えていくのはコレクション的な楽しさもありますが、それだけであれば自分の手で記録する必要はありません。それこそコンピューターの自動的なログに頼ればいいでしょう。
大切なのは書くことを通して「考える」ことです。自動的なログでは、「考える」ことが起きにくいのです。その点は注意してください。
P.90

ナレッジスタックではobsidianがよく出てくるが、本書ではメモ帳でもWordでも、使い慣れたものから始めれば良いとハードルを下げてくれる。
少しづつ、ログを書き始めているが、振り返りでの効果まではまだ出ていない。それでも、複数の仕事が並行するので、ログがあると再開が早いことを感じている。

休養学/片野秀樹著/東洋経済

2024-10-20 21:09:28 | 
睡眠だけの休息だけでなく、活力が得られる活動もしよう、との話。
活力の例も具体的に書かれている。
河合隼雄だったかが、「元気な人は色々なことをしている。色々なことをすることで元気の鉱脈を掘り当てて、そこから元気をもらっている。だから休むだけでなく、色々なことに首を突っ込むことで元気になる。」というようなこと言っていた。
「自衛隊メンタル教官が教える 心の疲れをとる技術」では、ひたすら休息を取ることの大切さが語られていた。とてもシステマティックに、疲れた量に対して、休息が必要な日数を算出して、予定を調整する方法が説明されている。活力が得られる活動も、一定の負荷がかかることを認識しつつ、休息とのバランスを取るのが良いということだろう。

祝祭と予感/恩田睦著/幻冬舎文庫

2024-10-15 21:30:02 | 
「蜜蜂と遠雷」のスピンオフ作品集。
作品のコンピレーションアルバムのために書かれた作品がその始まりだったそうだ。
天才たちのその後や、舞台となったコンクールにたどり着く前の話で、本作の雰囲気の延長戦とした楽しかった。
巻末のエッセイに、作者が音楽とどう関係していたのかが書かれていて、物語よりも興味深く読んだ。また、本作のために、繰り返し候補となる曲を聞いて、公正を作り直した話は迫力があった。自分がその練り上げられたプログラムを読み解くことはできなかったが、背景に触れることができて嬉しかった。

蜜蜂と遠雷/恩田睦著/幻冬舎文庫

2024-10-13 21:06:55 | 
カミさんが強く勧めてくれた作品。やっと読了。
天才たちが音楽を通してレベルアップしていく様子が素敵で、わくわくしながら読み進んだ。
カミさんは、それぞれの曲を聞きながら読み直したい、と言ったが、私は天才のように感じ取れる自信がないし、楽曲の演奏者がどんな思いを込めているかもわかると思えず。
村上春樹のノルウェイの森で、友達とクラッシックを聞きながら、解説をしてくれるシーンがあり、とても憧れた。いまだに、そうした解説を求めている。

営業の科学/高橋浩一著/かんき出版

2024-10-03 21:13:10 | 
現在、会社では営業の方との接点は少ない。生活面では、車の購入が数年間隔である位。
前の仕事では営業サポートに入っていたが、営業って難しいよな、と見ていた。
まず、商品のスペックがあって、後はお客様のニーズとのマッチングなので、人が介在する余地があまりないように思える。
なので、「営業を頑張る」=「足で稼ぐ」→「拝み倒す」or「値引きする」が仕事であり、「頑張る」とは理不尽なことに耐える、と思っていた。
Voicyの荒木さんと著者の高橋浩一の対談を聞いて、人に対する科学的なアプローチが学ぼうと手に取った。

売れない営業は「がんばっていないから売れないのではなく、「がんばる以外のやり方が思い浮かばず、そのうえ、がんばり方を間違えているために、結果として追い詰められているのです。(P.30)

本書の中で、どうがんばれば良いのかが、1万人のアンケートを元に詳細に説明されている。
成果を出している営業が、各フェーズをここまで解像度高く見ている姿勢に学ぶことは多く、自分の仕事も成果に向けて努力しようと思えた。