日々の生活から

毎日の生活で感じたこと・考えたこと

冒険の書/孫泰蔵著/日経BP

2024-08-14 08:20:52 | 
複数のVoicyパーソナリティが、紹介していた。
これまでの教育の成り立ちから、面白いと思うこと突き詰めるのが学習であり、AIが色々なことができるようになるこれからは従来の学習に拘る必要はないと展開される。
そうかな、と思いつつも、だからと言って子供に好きなことだけやっていれば良いと言えるようにはならない。
自分が持ち帰られたのは、最後に書かれていた言葉。
われわれに後世に遺すものはなにもなくとも、われわれに後世の人にこれぞいうて覚えられるべきものはなにもなくとも、あの人はこの世の中に生きているあいだは真面目なる生涯を送った人であると言われるだけのことを後世の人に遺したいと思います
(内村鑑三)

観察力の鍛え方/佐渡島庸平著/SB新書

2024-08-11 19:14:10 | 
普段の振り返りが上手くいっていない。今日のできごと・感情から、改善点や自分の価値観を見つけられていない。観察力が低いと感じていたので、本書を手に取った。
本書では、観察力を鍛えるために、認識を歪める感情とバイアスとコンテクストについて丁寧に解説がされる。それらが悪いものではなく、特性を理解して武器にすることが語られる。眼鏡は事象の一部しか見せないが、眼鏡があることで見えることもある。
終盤では、正解を手放し、あいまいな状態を受け入れ、創作に結びつけるためのマインドフルネスについて語られ、愛にたどり着く。
観察力を超えて、人生の視方を説かれたように感じた。新書だが、メモ・抜き出しの量が12,000字を超えた。


傲慢と善良/辻村深月著/朝日新聞出版

2024-08-10 11:09:59 | 
9月に映画化される小説。book cafeで話があった。https://voicy.jp/channel/794/5070291

book cafeでは、親の言う通りにしてきた善良、という話があった。
自分は、より広く、常識というか謙虚さも善良の中に含まれていて、その善良と傲慢は同居して、相手を傷付け、自分にも返ってくることあることが怖くなった。
婚活が上手くいかない、「ピンとこない」という状態を、ちょっと辛辣に、でも鋭く描写していて、ドキドキする。
ピンとこない、の正体は、その人が、自分につけている値段です
その値段、点数が、自分と釣り合うか、自分の高い点を持ち出すか、低い点から相手を見られるか、傲慢を手放せるか、それが「ピンとくる」ということなのだろう。

もう一つ、自分の価値観に突き付けられたのが自己愛と逃げ。
自己評価は低いくせに、自己愛が半端ない。諦めているから何も言わないでって、ずっといろんなことから逃げてきたんだと思う
自分が謙虚で居ようとするのは、逃げるためだったようにも思う。「頑張ったから、これで勘弁してください」と、ハンドルを手放してしまう身勝手さの根っこに、上のセリフが重なり、ちょっと苦しくなった。

この話の根底に、恋愛結婚至上主義的なものがある。個を確立した者同士が自分の価値観に基づいて相手と結ばれることが最善という考え方。婚活がテーマなので、登場人物がそうした考えを持って行動し、個の確立ができていない生き方に未熟を感じるように描いているのは当然かもしれない。半年前であれば自分も違和感なく読めただろう。
選択の科学/シーナ・アイエンガー著/文藝春秋 - 日々の生活から では、恋愛結婚が一般通念でないことが描かれている。それがあったので、お見合い結婚であっても幸せになれるだろうし、という視点で読み進められた。主人公への共感は減ったかもしれないが、落ち着いて読み進められた。