なぜだろう(3)

2015-06-09 21:25:44 | 童話
夏休みのある日の夕立で、近くの大きな杉の木に雷が落ちた事が有る。

ゴロゴロ、ゴロゴロ、ピカッ、ドド~ン。
『ビックリしたね。』

僕がおもわずつぶやいた時に、部屋の中に置いて有るサボテンが
『そうだね、ビックリしたね。』と返事をした。
『えっ、だれ?』
『僕だよ。サボテンだよ。』
『サボテン君はしゃべれるの?』
『うん、しゃべれるけれど、今迄黙っていたんだよ。』
『君以外にしゃべれる植物がいるの?』
『みんなしゃべれるよ。』

僕は玄関に飾っている花瓶の花に話しかけた。
『君もしゃべれるの?』
『うん、しゃべれるよ。』
『机の僕もしゃべれるよ。』
『テーブルの私もしゃべれるわよ。』
『植物以外もしゃべれるんだ。』
『犬や猫もしゃべれるよ。』
『わぁ、楽しいなぁ。みんなでお話しをしようよ。』
『ワイワイ、ガヤガヤ。』

僕以外にも、みんなとお話しができる子がいるのかなぁ?