山の上のロックの永~い旅(4)

2016-02-10 21:19:22 | 童話
『あっ、何か居る。やぁ、さっきの兎さんだ。僕の名前はロック、さっきは驚かせてゴメンね。』
兎は
『お腹の上に乗っていい?』
『ああっ、いいよ。僕は暫くここに居るからお話しをしようよ。』
『転がって来たばかりだからお腹にも苔がまだ付いていないね。』
『うん、転がっている時に苔が全部取れてしまったんだ。』
『そんなに転がって来たの?』
『うん、あの高い山の頂上から転がって来たんだ。』
『目が回ったでしょ。』
『うん、ぐるんぐるん回って、上か下か、右か左か分かんなかった。』
『大丈夫?』
『もう直ったから大丈夫だよ。』
『兎さんは近くに住んでるの?』
『ここから少し上に行った所の穴に住んでいるの。』
『僕が転がって、君の住んでる穴は大丈夫だった?』
『ええ、大丈夫だったわ。これから何処へ行くの?』
『海へ行くんだよ。』
『海って遠いの?』
『僕も知らないけれど、お父さんが遠いって言っていたよ。』
『私も行ってみたいけれど、そんなに遠いのなら一緒に行けないわね。』
『そうだね。僕だけで行ってくるよ。』

僕は松の木のおじさんの根元で暫く過ごした。

その間、兎がキツネやムササビ達の友達を沢山連れて来て、毎日楽しく過ごしていた。