火星ネズミ(3)

2016-08-11 10:12:17 | 童話
そして、人間の訓練が順調に進み、僕の訓練も進んだ。
今回のロケットの行先は火星であり、永い宇宙旅行になる。

そして訓練が終り、十名の宇宙飛行士から今回乗り込む三名が決定した。

発射の一ヶ月前となり念入りの最終チェックが続いた。
僕もロケットに乗り込む物の最終チェックをした。

機体の確認ができたのでロケットに荷物が積み込まれたが、その時に僕が荷物を持って、そっと乗り込んだ。
成功だ、僕は宇宙飛行士になれるのだ。

いよいよ、ロケットに燃料が入れられて、発射の秒読みが始まった。

僕は足を踏ん張って、発射の時に体にかかる重力のGに耐えられるようにした。
大きな声のカウントダウンのアナウンスがあった。
十、九、八、七、六、五、四、三、二、一、発射。

僕はすごい衝撃を受けて体が床に押しつけられた。
三人の宇宙飛行士も座席に押し付けられていた。

しばらくして押し付けられる力が弱くなり、立てるようになった。

そのあと、こんどは体が浮かび上がった。
今迄隠れていたが、空中に浮かんだので3人に見つかってしまった。