カタツムリの富士登山(2)

2016-08-20 11:02:42 | 童話
僕は、登るのに2年で、下るのに2年かかるから、僕が今度お花畑に帰るのは4年後になるんだなぁと思った。
さあ、ガンバルぞ、僕の始めての大冒険の始まりだ。
今はまだ低い所なので草やお花が一杯だ。
僕は体が乾燥しないように、水が残っている草の上を歩いて行った。

『どこへ行くの?』
僕のうしろから声がしたので頭をうしろにまわすとチョウチョが飛んでいた。
『僕はね、これから富士山に登るんだよ。』
『ふぅ~ん、すごいね。ひとりで登っているの?』
『うん、お父さんとお母さんはお家に帰ったよ。』
『わたしが途中まで一緒に行ってあげようか?』
とチョウチョが言ったので、仲良く一緒に登って行った。

チョウチョはカタツムリの僕の体が乾燥しないように、水のある所や、水の付いている草の場所を、高い所から探して僕に教えてくれた。

そして、夜は仲良く一緒に寝ました。
『カタツムリ君、もう朝だよ、早く起きなよ。』
『ああ、おはよう。昨日はいっぱい歩いたから疲れちゃった。』
『まだ1日でしょ。4年間歩くのだから、がんばらなければダメだよ。』
『そうだね、よしガンバルぞ。』

僕は草の上の水を飲んだあとで、大きなあくびをした。
そして、僕はまた歩きだし、チョウチョは僕の上を飛び始めた。

『ランランラン、ランランラン』
僕はチョウチョと一緒なので楽しくなり、歌をうたいながら歩きました。
チョウチョも
『ルンルンルン、ルンルンルン。』
と楽しそうにヒラヒラと飛んで、一緒に富士山を登って行きました。