夢の向こう(6)

2014-11-19 21:21:56 | 童話
僕が乗ったエスカレーターが着いた所に学校があった。

教室の中を見ると先生が
『これから勉強を始めますので、みんな寝てください。』
と言って、生徒も先生も寝てしまった。
寝ながら勉強をしているのだった。

チャイムがなると、先生が
『勉強が終りましたので起きて帰りましよう。』
と言ったので、生徒がみんな帰ってしまった。

よく見ると、学校の横に僕の家が有った。

僕がドアを開けて家に入るとお母さんが
『あらっ、おかえり。寝ながら宿題をやりなさい。』
と言った。

僕は、寝るのと起きているのが反対なのだと気が付いた。

夢の向こう(5)

2014-11-18 21:06:35 | 童話
それからしばらくは、高い空の上を走っているモノレールに乗っている夢や、幅が広くて、高く大きなエスカレーターで駅から滑って降りてくる夢はみなかった。

ある日、僕はすごく高い空の上を走っているモノレールに乗る駅にいた。
切符を買って待っていると赤い色のモノレールが着いたので、みんなと一緒にモノレールに乗った。

モノレールは速いスピードで、前に乗った時と同じ高い空を走って行った。

そして、モノレールの駅から幅が広くて、高く大きなエスカレーターでみんなと一緒に滑って降り始めましたが、僕だけ途中で別のエスカレーターに乗り換えた。

夢の向こう(4)

2014-11-17 21:11:15 | 童話
『早く起きないと学校に遅れるわよ。』

僕はお母さんに起こされた。

大きなエスカレーターは、みんなが学校や会社へ行かないといけないので、みんな夢の出口へ向って行っていたのだ。

僕が大きなエスカレーターに乗っている時に、もう一つのエスカレーターが動いているのが見えた。

そうか、途中で、もう一つのエスカレーターに乗り換えれば、夢の向うに行けたのではないかと思った。

今度、すごく高い空の上を走っているモノレールに乗って、幅が広くて、高く大きなエスカレーターに乗ったら、僕だけエスカレーターを乗り換えようと考えた。

夢の向こう(3)

2014-11-16 09:43:48 | 童話
またしばらくして、夢の中で友達が向うから歩いて来たので『夢の向うから帰って来たの?』と聞いたら『そうだよ。』と言ったので、僕は『夢の向うへ探検に行ってくるよ。』と言うと、友達は『うん。』と言って夢の出口から出て行ってしまった。

僕は一人で、前の探検の時よりもずっと遠くまで夢の中を歩いて行った。

ずっと歩いて行くと遠くに家が見えてきた。

もっと歩いてその家に着くと、家の中から、僕のお父さんとお母さんが出てきて『おかえり。』と言ったので、僕は『ただいま。』と言ってから、『ここは夢の中なの? それとも夢の向うなの?』と聞くと、お母さんが『ここは、夢の中よ。夢の向うは、ここからモノレールに乗っていくの。』と言った。

僕はすごく高い空の上を走っているモノレールに乗って、大きな駅に着いた。

それから、幅が広くて、高く大きなエスカレーターで、みんなと一緒に駅から滑って降りた。

夢の向こう(2)

2014-11-15 13:33:14 | 童話
僕はある日、友達が向うから歩いてやって来る夢をみたんだ。
その友達は『僕は夢の向うから帰って来たんだよ。』と言って、夢の出口から出て行ってしまった。

次の日、その夢の話をしたが、友達は『そんな夢はみなかったよ。』と言った。

僕はもう一度、夢の中でその友達に夢の向うのことを聞いてみることにした。

しばらくして、また夢の中で友達が向うから歩いて来たので『夢の向うから帰って来たの?』と聞いたら『そうだよ。』と言って、夢の出口から出て行ってしまった。

その友達に、夢の向うのことを聞く前に、その友達は夢から出て行ってしまったので、僕は自分で夢の向うを探検することにした。

そして、夢の中を歩いて行ったけれど、いつまで歩いて行っても、夢は続いていて、夢の向うには行けなかった。

そして、朝になって目がさめた。

『残念だなぁ、夢の向うは、まだ遠いのかなぁ?』