蜜蜂キックロの海外出張(2)

2018-08-26 07:34:52 | 童話
『外国はどんな所なのかなぁ?』
『暑いのかなぁ、寒いのかなぁ?』
そして、ブラジルへ行く飛行機の出発案内があり、3番の箱がブラジル行きの飛行機に乗せられました。
『バイバ~イ、元気でね。帰って来たら、またみんなでお話しをしようね。』

そして、今度はアメリカへ行く飛行機の出発案内があり、2番の箱がアメリカ行きの飛行機に乗せられました。
『バイバ~イ、元気でね。帰って来たら、またみんなでお話しをしようね。』

今度は、オーストラリアへ行く飛行機の出発案内があり、4番の箱がオーストラリア行きの飛行機に乗せられました。
『バイバ~イ、元気でね。帰って来たら、またみんなでお話しをしようね、きっとだよ。』

また今度は、イタリアへ行く飛行機の出発案内があり、5番の箱がイタリア行きの飛行機に乗せられました。
『バイバ~イ、元気でね。帰って来たら、またみんなでいっぱいお話しをしようね。』

次は、フランスへ行く飛行機の出発案内があり、6番の箱がフランス行きの飛行機に乗せられました。
『バイバ~イ、元気でね。帰って来たら、またみんなでお話しをしようね、きっとだよ。』

『みんな行ってしまった。』
最後に、カナダへ行く飛行機の出発案内があり、僕達の入った1番の箱がカナダ行きの飛行機に乗せられました。
『バイバ~イ、あっ、だぁれもいないや。』

僕も飛行機に乗せられたので、カナダに着くまで寝ることにした。
僕達の入ったカゴは断熱材という熱を通さない布でくるまれているので寒くなかったです。

蜜蜂キックロの海外出張(1)

2018-08-25 07:48:41 | 童話
僕はお花がいっぱいの村で生まれた蜜蜂です。
名前は、体が黄色と黒なのでキックロです。
六角形の巣の中で、たくさんの幼虫と一緒に、おいしい蜂蜜をもらって、大切に育ててもらいました。
そして、僕も空を飛べるようになり、毎日おいしい蜂蜜を集めています。

ある日、巣箱の掃除をしたりして、僕達の世話をしてくれているオジさんが、僕を虫かごに入れました。
『あのね、キックロに頼みがあるんだ。日本では、醤油を蜂蜜に交ぜて使うとおいしい料理ができるんだけれど、外国で蜂蜜を使った料理を調べてきてほしいんだ。レストランには無い、家庭料理を探してほしいんだ。』
『うん、いいよ。』

そして、僕は他の蜜蜂と一緒に、全部で30匹の蜜蜂が、5匹ずつ虫かごに入れられ、飛行機に乗せられて外国へ出張することになったのです。
一つのカゴはカナダへ、もう一つはアメリカへ、そして、ブラジルとオーストラリアとイタリアとフランスへ飛行機で運ばれることになり、空港で飛行機を待っていました。
『僕は1番の箱でカナダへ行くのだけれど、2番の箱のみんなは、どこへ行くの?』
『僕達2番の箱はアメリカへ行くんだよ。』
『3番の箱のみんなはどこへ行くの?』
『僕達3番の箱はブラジルへ行くんだよ。』
『4番の箱のみんなはどこへ行くの?』
『僕達4番の箱はオーストラリアへ行くんだよ。』
『5番の箱のみんなはどこへ行くの?』
『僕達5番の箱はイタリアへ行くんだよ。』
『6番の箱のみんなはどこへ行くの?』
『僕達6番の箱はフランスへ行くんだよ。』
出発前に、みんなとワイワイガヤガヤとお話しをしました。
『蜂蜜を使ったおいしい料理が見つかるといいね。』
『そうだね。』

僕の魔法のズボン(3)

2018-08-24 05:47:38 | 童話
ついにズボンの脚の折り返しが無くなった。そのまま履いて丁度良くなり、お兄ちゃんのように大きくなったのだ。
だけど、お兄ちゃんのようにカッコいいかなぁ?
僕は女の子をいじめたりしないし、年寄りの人が信号待ちをしている時は、青信号になったら手を挙げて一緒に渡ってあげている。
お兄ちゃんと同じように、僕もカッコ良くなっていると思う。

僕はお母さんに聞いてみた。
『ねぇ、お母さん、僕もお兄ちゃんと同じようにカッコいいかなぁ。』
『そうねぇ、そのズボンを履いている時は良い子でカッコいいけれど、そのズボンじゃない時はもう少し良い子になったらカッコいいわよ。』
『う~ん、まだカッコ良くないのか。どうすればカッコ良くなれるのかな? そうだ、魔法のズボンに聞いてみよう。』

『ねぇ、魔法のズボン君、どうすれば君を履いていない時もカッコ良くなれるのかな?』
『それはね、君がいつも僕を履いている時と同じように頑張っていればいいんだよ。
僕はいつも君を見ているからね。』
『そうか、いつも同じように頑張らないといけないんだね。』

そして、僕は大きくなって魔法のズボンが履けなくなってしまったが、ズボンの魔法がなくても頑張れるようになった。
そして、今も魔法のズボンは大切にしているし、時々話もする。
僕はいつまでもこの魔法のズボンを大切にしていこうと思う。

    おしまい

僕の魔法のズボン(2)

2018-08-23 05:56:51 | 童話
僕は時々公園で友達と駆けっこをするが、いつも友達に負けてばっかりだったが、今日はお兄ちゃんにもらった魔法のズボンを履いているので、友達に勝てる気がする。
『ヨーイ、ドン。』
僕は友達みんなを追い越して1番になった。友達みんなが
『速いなぁ。』
と言って驚いていた。そして、僕も驚いた。

お兄ちゃんのズボンは魔法のズボンだ。
僕は家に帰ってお母さんに
『お母さん、お兄ちゃんからもらったこのズボンは魔法のズボンだよ。』
『どうして?』
『いつも、駆けっこの時には友達にかなわないけど、この魔法のズボンを履いて駆けっこをするとみんなに勝てるんだ。だから、このズボンは魔法のズボンなんだよ。』
『そうなの、じゃ、魔法のズボンね。お兄ちゃんに魔法のズボンを貰って良かったわね。』
『うん、大切にするね。』
『そうね。だけれど自分でも頑張らないと魔法のズボンじゃなくなるわよ。』
『うん、僕と魔法のズボンの両方で頑張るよ。』

そして、僕は大きくなり、お兄ちゃんからもらったズボンの脚の折り返しが1回となった。
僕の魔法のズボンを履いて、友達と広場で戦隊ごっこをしている。
しかし、徒競走ではまだ1等賞は取れない、つも2等賞だ。
僕は学校で遠くへ歩いて行く遠足も頑張った。

僕の魔法のズボン(1)

2018-08-22 05:55:23 | 童話
僕のズボンは、お兄ちゃんが小さい時に履いていたズボンだ。
ポケットが前に2つ、後に2つ付いていて、後のポケットには模様が付いている。
そして、色は薄いブルーで、カッコいいズボンだ。

お兄ちゃんはこのズボンを履いて、友達と戦隊ごっこをやっている時はカッコ良かった。
僕もこのズボンを履いたから怪獣をやっつけて、カッコ良くなれるかなぁ。

お兄ちゃんは小学校の運動会の時に、このズボンを履いて徒競走で1等賞になった。僕
はまだ小さくて、小学校も幼稚園も行っていないので1等賞は取れない。

お兄ちゃんが遠くまで歩いて遠足に行った時に履いていたのも、このズボンだ。
僕も頑張って遠くまで歩いて行けるかなぁ。

お兄ちゃんは剣道を習っていて、僕も一緒に見に行ったことが有る。
剣道場まで魔法のズボンを履いて行き、剣道場で稽古着に着替えて剣道の練習をやっていた。
魔法のズボンを履いている時もカッコ良かったが、ズボンを脱いで稽古着の時もカッコ良かった。
その時に僕も大きくなったら剣道を始めたいなぁと思っていた。

僕は今この魔法のズボンを履いているが、脚の所が長くて2回折り畳んでいる。
お兄ちゃんのように、折り畳まないで履けるようになるのはいつかなぁ?
次の次の日曜日には僕もこのズボンを折り畳まないで履けるかなぁ?
お兄ちゃんもお母さんも、牛乳をたくさん飲むと大きくなれるよと言っているので僕は頑張って牛乳を飲んでいる。
僕も早くお兄ちゃんのようになりたい。