カピバラさんの2泊3日(3)

2021-03-15 11:19:52 | 童話
3時になったので僕達は休憩をして、残り半分のキュウリとニンジンを食べ、水筒の水を飲みましだ。
『疲れたね。』
『そうね。』

そして、僕達はまた歩き始めました。
暫くしてからお父さんが
『あそこを曲がるよ。』
と言って細い道に入っていきました。
今度は道幅が狭く、所々に草が生えていて歩きやすかったです。道の右側に池があり、アメンボウがスイスイと走っていました。
『楽しそうだね。』
『水の上は涼しいし、スイスイ走れるので楽しいよ。』

向うから耕耘機がやって来て、運転していたおじいさんが
『気を付けて行きな。』
と言いました。
お父さんが田舎に住んでいるカピバラさんの家を聞くと、
『まっすぐ一時間ほど行ったら森が有り、その森の前の神社を右に曲がって十分位行った所の、大きな杉の木のある家だよ。』
と教えてくれました。

『やっと近くまで来たのね。』とお母さんが言いました。
僕たちはここで最後の休憩をして、水筒のお水を飲みましだ。そして、十分ほど休憩した後で歩き始めました。
僕が
『もうじきみんなに会えるね。』
と言うと、お母さんが
『そうよ、みんな頑張ったわね。』
と言って、僕とお姉ちゃんに声をかけてくれました。
お父さんが『さあ、頑張って行くよ。』その合図でみんなが一列になって歩き始めました。僕は、『楽しいな、楽しいな。』と何度も叫びながら歩いていきました。

カピバラさんの2泊3日(2)

2021-03-14 11:15:16 | 童話
お父さんの
『出発するから起きなさい。』
の声に起こされたが、外はまだ真っ暗です。
僕たちは、リュックの中から水筒を取り出し、水を入れて再び水筒をリュックに詰込んだ。
そして、みんな頭とお尻に懐中電灯を付けて、暗い道を歩き始めました。
僕たちカピバラは、飼い主さんと一緒でなければ電車に乗れないので仕方ないのです。
飼い主さんと一緒でも、カートの大きさ制限が、長さ七十センチ以内で、タテ・ヨコ・高さの合計が九十センチ程度には、お父さんやお母さんは入らないので仕方がないのです。

お父さんが先頭で、次がお姉ちゃん、そして僕、最後がお母さんで、一列になって道路の右側を歩いていきました。広い道路なので、前から大きな車が沢山来て少し怖かったです。
暫くすると太陽が出てきて明るくなり、僕たちは道路の横の草むらで懐中電灯をはずし、リュックを下して休憩しました。みんなの背中は汗でビッショリになっていました。その草むらには美味しい草がいっぱい生えていたのでリュックの中の干し草は食べませんでした。
1時間ほどして、僕たちは懐中電灯をリュックにしまい、そのリュックをまた背負って歩き始めました。

しかし、今度は日が照っていて暑いので、一時間ごとに休憩をして、リュックの水を飲みましたが、その水は、すごく美味しかったです。
そして、お昼になって野菜を食べることにしました。

僕は『ニンジンにしようかなぁ、それともキュウリにしようかなぁ。』と考えていると、お姉ちゃんが、
『両方を半分ずつ食べればいいのよ。』
と言いました。よく見ると、お父さんとお母さんも半分ずつ食べていました。
そして、食後の休憩をしている時に、前から来た自動車が止まり、小さな男の子が窓から顔を出して『何処へ行くの?』と聞きました。
僕は『田舎の友達の所へ行くんだ。』と言ってバイバイしました。

カピバラさんの2泊3日(1)

2021-03-13 10:19:59 | 童話
僕はカピバラです。両親とお姉ちゃんと4匹で住んでいます。
僕たちはお風呂が大好きです。美味しい草をモシャモシャモシャと食べた後のお風呂が一番好きです。
お風呂の中でボ~としていると気持ち良くて、眠くなってしまいます。
そして、お風呂から出た時に飲む牛乳は最高のご馳走です。

こんな楽しい毎日を過ごしている時、お父さんが『向うの角に住んでいたカピバラさんから手紙が来たよ。飼い主さんが定年で田舎へ引越し、みんなも一緒に広い土地の広い家に住んでいるらしいよ。』
お母さんは『あらっ、素敵ね。』
『手紙の中に、是非、遊びに来て下さい、と書いてあるよ。』
『あらっ、いいわね。みんなで行きましょうよ。
『そうだね、飼い主さんに聞いて見ようか?』
『ええ、お願い。』
そして、お父さんが飼い主さんんとお話しをして、3日間のお出かけの了解を貰ってきました。

そして、飼い主さんから帽子とリュックと懐中電灯を貰ってきたのです。
帽子には「私たちカピバラは旅行中です。」と書かれていました。
リュックは前足と後ろ足が入る様になっていて背負える物です。
また、懐中電灯は、頭用とお尻用の2個ずつ有りました。
僕とお姉ちゃんは両手でハイタッチをして喜んだ。
お父さんが、『明日は朝早く出かけるから、今の内に出かける用意をしなさい。』と言いました。
僕たちは、お水を入れる水筒と、ニンジンやキュウリの野菜と、干し草をリュックに詰込んで今夜は早く寝ました。

僕の元気君(4)

2021-03-12 09:36:08 | 童話
公園からの帰りに、信号待ちしていたお年寄りがいたので、僕と友達はマウンテンバイクから降りて、手を挙げてお年寄りと一緒にゆっくりと信号を渡った。僕達はそのお年寄りから、『ありがとうね。』と言われた。

そして、僕達は、元気君に明日何になってもらおうか相談した。
『明日は月曜日だから、宿題する時に教えてもらえる先生がいいよ。』
『そうだね。』

ある日、僕はおやつのケーキの大きさで妹とケンカをした。
『僕のケーキの方が妹のより小さいよ。』
『お兄ちゃんのイチゴの方が大きいわ。』
『そんなことないよ、うるさいなぁ。』
『うわ~ん。』
その時、僕のフォークになっていた元気君が、
『兄弟ケンカするのなら居なくなるよ。』
と言ったので、僕はあわてて妹に『ゴメンね。』を言って仲直りをした。

しばらくして、僕と友達は明日、小学校の卒業式を迎えることになった。そして、僕の元気君が話し掛けてきた。
『今迄楽しかったね。君は明日で小学生じゃなくなるから、僕は次の子供の所へ行かなくてはならないんだ。今迄、いろいろな所へ行ったし、いっぱい楽しい事も有ったよね。中学生になっても、お父さんやお母さんの言う事を良く聴いて良い子でいるんだよ。そして、お年寄りや小さい子供に優しくするんだよ。』
『うん、分かった。今迄すごく楽しかった、ありがとう。元気君も次の子供の所で頑張ってね。明日の朝起きた時に居ないと思うので、今バイバイするね。おやすみなさい。』

    おしまい

僕の元気君(3)

2021-03-11 10:07:29 | 童話
しばらくしてから友達が遊びにきた。
『僕にも元気君が来たよ。今はね、消しゴムになっているんだ。』
『本当だ、消しゴムが動いている。』
『昨日は鉛筆だったけれど、やっぱり動いていたよ。』
『僕の元気君は消しゴムの時は、お話しはしていたけれど、動かなかったよ。えっ元気君、動けるの、なんだ動けるのか。』

『明日、二人の元気君に自転車になってもらって、二人で公園へ行こうか。』
『ああ、いいね。』
『元気君にカッコいいマウンテンバイクになってもらおう。』
『僕もマウンテンバイクがいいな。』
『じゃ、明日ね、バイバイ。』
『バイバイ。』

次の日、僕の元気君は赤い色に青色のラインの入ったカッコいいマウンテンバイクになっていた。
『わぁ、カッコいいなぁ。』
公園に行くと友達は、黄色に赤いラインの入ったマウンテンバイクに乗ってきていた。二人は自分のマウンテンバイクを自慢したが、お互いのマウンテンバイクをカッコいいと思った。