堤保有つれづれ日記

つれづれに感じること

続江上剛・池田成彬

2011年04月16日 | 読書

 江上剛の短編集・非情人事を読了し、久しぶりに新しい顔の作家と遭遇できた感じがする。
 宮部みゆき以来である。ちなみに宮部みゆきを読むきっかけは娘の本棚にあったのを見たからである。

 今回買ってきたのは、「我、弁明せず」である。
 主人公は池田成彬である。私の知らない人物である。明治・大正・昭和を生きた人物であリ、三井の大番頭とも言われ、日本の財界をリードした人物であるという。
 江上剛という作家を評価する上でかっこうの作品かもしれない。
 城山作品を愛読したものとして、比較しながら読めるかもしれない。

 平成も23年、昭和が遠くなりつつある。
 我が人生の舞台でもあった昭和を、近現代史からの観点で見直してみたいとも考えている。昭和史に関する本も多数出ている。松本政調の昭和史発掘、近くはベストセラーになった、半藤一利の昭和史などである。
 財界をリードした、銀行家としての池田成彬を通し、経済の面から昭和を知るの一興かと思う。

 金融や銀行についてはあまり詳しくない。仕事の上からもあまりお付き合いわない。
 ただ、あったとすれば、現職時代に、殆ど誰も手を付けていなかった資金運用をテーマに議論したことがある。
 その折には、金融商品について、信金に勤めていた友人から知識を得たのを覚えている。

 現在の金融界は池田成彬が活躍した時代とその質や、仕組み、銀行の役割などは異なるであろうが、その本質において学ぶものがあるのではなかろうか。
 幸田真音の小説も1,2冊買ってあるが、現在の複雑な金融システムは分かりづらく、積読状況にある。

 カラタチの蕾が膨らみ始めた。
 東京都の合同庁舎の東側の垣根である。

          


江上剛著「非情人事」

2011年04月14日 | 読書

 古本屋に行き、本を探した。
 私の読書傾向として、新しい作家になかなか親しめない。どうしても今までに読んだ著者の作品の中から物色してしまう。
 気に入った作家の作品ならば、当たりはずれがない、たまには駄作があるがほとんど満足した読後感が得られる。
 この年になるとつまらないものに時間をとられるのがもったいないからである。
 従って、読んだことのない作家の作品は敬遠してしまう。

 今回は、初めての作家である江上剛の「非情人事」を選んだ。
 一連の作品群から「経済小説」のジャンルのものだということが分かった。
 今まで経済小説、企業小説はほとんど読んではいない。
 というのも私自身経済の分野は特に疎いと言う事もある。
 大学在学中も経済にはあまり興味がなかった。

 今はおそらく死語となってしまったであろうが、私の大学時代は「近経」か「マル経」に分かれ、大学もそのどちらかの傾向にあった。
 私が在籍した大学はマル経であった。
 唯物論に不快感を持っていた私には経済学からさらに遠ざかる原因であったかもしれない。

 今まで経済小説は読んでいないと言ったが、唯一の例外は城山三郎である。
 20冊前後読んでいる。
 勿論、城山三郎はこのジャンルでの先駆者であり第一人者である。
 その作品の主人公が歴史上の著名人であり、私の尊敬する人物であったので、そのあたりから入りやすかったのかもしれない。

 その後、TVで何回か見たことのある幸田真音の本を買ったが途中で投げ出してしまった。

 江上剛の非情人事は短編集で、冒頭の作品がNTTであり、続いて信用金庫の話である。
 両者ともに私が現職時代にお付き合いをいただいた方々のなのかに、それらに深くかかわっておられた人たちがおり、その社会がある程度身近に感じられたからかもしれない。
 意外と面白く読めた。
 次に、長編を読んでみたい。

 三小の校庭で意外なことを発見した。
 極めて常識的なことだろうが、驚いた。
 満天星つつじである。
 今の季節、枯れ木であったものに、花と葉が同時に顔を出す。
 満天星つつじが地味な存在で、あまり気にしていなかったからであろう。

     


二元代表制の行方

2011年04月12日 | 地方自治

 4月10日(日)の朝日新聞のニュースの本棚に東京市政調査会の研究担当常務理事である新藤宗幸氏が西尾勝著「地方分権改革」、日経グローカル編「地方議会改革の実像」、竹下譲著『地方議会 その現実と「改革」の方向』という3冊の本を紹介している。
 また、外国の制度を比較地方自治論として、山下茂著「体系比較地方自治」という本も紹介している。

 最初に、新藤氏の所属する「東京市政調査会」とは名前は聞いていたが、いかなる組織か詳細には知らなかったので、調べてみた。
 日比谷公園に古びた建物の「市政会館」には行ったことがあり、月刊誌「都市問題」も読んだことがあるので、名前は覚えていたのであろう。
 後藤新平が創設したものであり、現在の理事長が西尾勝氏であることは初めて知った。

 西尾勝氏については若干の思い出がある。
 三鷹市が主催した自治基本条例のシンポジウムに参加した時に、喫煙所でほんの短い時間であったが雑談した。
 三鷹市は自治基本条例の制定や、今年の2月に「第5回ファシリティマネジメント大賞最優秀賞」の受賞対象となった「三鷹市都市再生ビジョン」に基づく公共施設の適切な維持管理をめざした「ファシリティマネジメント」の取り組みなど自治体経営の先進都市である。

 西尾勝氏は当時ICU(国際基督教大学)の教授であり、地方制度調査会の会長の時には、道州制の提言も行っている。

 三鷹市が自治体経営で素晴らしい実績を上げている理由は様々あろうが、ICUの存在も大きいのではないかと、その時思った。また、その時のシンポジウムの座長は清原三鷹市長であり、市長がリーダーシップをとり様々な改革を推進していることが今の結果を生んでいるのではなかろうか。

 地方自治の転機が求められている今、戦後の一大改革として、地方自治が登場し、首長・議会の二元代表制がとられ、今に至っているが、本質的な改革についても議論する時期に来ているのかもしれない。
 今回の地方統一選挙で、地域政党が登場してきているが、それも従来の二元代表制を覆す動きの一つでもあろう。

 桜は散り際にピンクが強くなると言われていることに気づき、桜の花を見ると、確かに花の中心部の色が変わってきている、三小の桜吹雪の一歩手前の桜を写真に収めた。

     


匂い桜

2011年04月08日 | 日記

 このブログもしばらく中断していたが、放課後子ども教室・さんさんクラブの初日から再開することとした。

 今年度は、今日の保護者会の日に登録申し込みとと言う事で、同時に始めた。

 校庭での体育の授業が強風で中断する位の悪条件で、一時、体育館に子供たちを体育館に入れたが、子供たちは元気に校庭で遊びまわっていた。
 砂埃がすごく、スプリンクラーで散水し、どうにか砂塵に見舞われることはおさまった。今後はもう少し早い時に散水しようと思った。

 南門の所に立っていると、どこからかいい匂いがしてきた。
 匂いの源を探っていくと、一本の白い桜らしい木が満開であった。

      

 匂いのよい桜はあまり聞いたことがないので、当然その桜の名前は分からない。
 木の肌や花の形から桜であることはほぼ間違いはないと思った。
 ネットで調べてみると、においのある桜は何種類かある。
 ほぼ「駿河台匂」であると思うが自信はない。
 この写真だけではわかりにくいが、名前が分かったら教えてほしい。
 念のため、花の接写の写真を載せておく。

     

 さんさんクラブの帰りに夕日に輝く「錦六遊び場」・ゼンリンの住宅地図にはそう載っている・・・正式名称かどうかは分からないが・・・の桜が目に入った。

 さんさんクラブの行き帰りに何か所かで撮ったが、桜の写真は真っ青な晴天でなければだめだ。